まさ夢いちじく (The Best 村上春樹の翻訳絵本集)

著者 : クリス・ヴァン・オールズバーグ 村上春樹

• 河出書房新社 (1994年9月22日発売)

感想・レビュー・書評

[nejidonさんの感想 · 2017年4月17日]

オールズバーグの絵の美しさにつられて読むと、幻想的でくらっとしてくる。
対象を大きく描いて、時に上から、時に下からとアングルも自在で、精密で丹念なパステル画に見入っているうちに、一気にその世界に入り込んでしまう。

キャラクターの描き分けも素晴らしく、主役のアクの強さと愛犬（？）の哀れさが際立っている。
でもストーリーは子供には怖い。痛快と思うのは私が大人だからか。
読み手の期待どおりのラストに持って行ってくれるが、小さな読み手には結末の「もやっと感」が後味が悪いかもしれない。これを「してやったり！」と思えるにはある程度の年齢でないと。
約９分。高学年以上に。

主人公の潔癖な歯医者さんは、最初は憎たらしかったが読み返すと案外味がある。
その主人公にちっとも愛情をかけられない飼い犬は、何やら可哀想に描かれているが、これはちょっとしたフェイント。
下手に同情などせず、安心してお読みあれ。
ラストで、ふぅん・・・ふっふっふと、思わず微苦笑する。
ブラックな味わいがちょっと癖になりそう。

夢をまさ夢にするといういちじく。
あなただったら食べますか？

[mkt99さん · 2017/04/17]

nejidonさん、こんにちわ！(^o^)/

私は悪夢を見る比率が高いような気がしますので、普通のいちじくでいいです。（笑）

[nejidonさん · 2017/04/18]

mkt99さん、こんばんは(^^♪
コメントありがとうございます！
あらま、悪夢を見る確率が高いのですか？
私は、起きたとたんに何の夢を見ていたか全部忘れてしまうのです。
「ああ、悔しい、すごく楽しかったはずなのに」と、毎朝反省してます（笑）。
まさ夢になると知ったら、意地でも良い夢を見てやろうと頑張った結果、
やはり悪夢になってしまうような、そんな気もしますね。
ぜひ極上のワインを堪能している夢を見てくださいませ。

[unicornedさんの感想 · 2021年11月18日]

絵が良いですね。話も面白い。これって子ども向け？

[hirakitaさんの感想 · 2017年2月16日]

H31.2.6　おはなし会　５年１組
H29.2.15　おはなし会　5年１組

[Ritoさんの感想 · 2015年6月23日]

中学校の朝読に（9分）
不気味で面白い1冊です。絵も素敵。
自分だったらいちじくを何に使いたいか考えるのも面白い。

[フラニーさんの感想 · 2015年5月25日]

おしまいのぞっとする感じが大好き！

[なないろMOMMY♪さんの感想 · 2014年5月7日]

気むずかし屋でやかまし屋の歯医者・ビボット。
ビボットは飼い犬のマルセルにたいそう厳しく、優しさとかいたわりとかにはまるで縁のない感じの、いけ好かない人物として登場します。
ある日、治療に訪れた老婆から、治療代のかわりにと「まさ夢いちじく」を二つ受け取ります。
もちろんビボットはいちじくなんてお金の代わりにもらって、嬉しくもなんともありません。
その夜、何気なくいちじくを食べて眠ったビボット。
翌朝、なぜか下着姿で犬の散歩にでかけたり、エッフェル塔がぐにゃりと折れ曲がっているのを目撃して、それが夕べ自分の見た夢と同じだということに気がつきます。

「もうひとつのまさ夢いちじくは無駄にできないぞ」

その日からビボットは毎晩「ビボットは世界一の金持ち」とつぶやいて眠り、金持ちになった夢を見る練習をはじめます。
練習の甲斐あって、毎晩同じ夢を見るようになったビボットは、今夜こそ決行の日とおもむろに戸棚からまさ夢いちじくを取り出すのでした・・・。

ビボットがどうなったか？
ビボットのもくろみは、うまくいったと思いますか？
ビボットにはとんでもない結末がまちうけています。