思い出した訪問

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309278919

感想・レビュー・書評

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  • 何なんだろうね、この老人に少女!?意味なんか求めてもしょうがない。繊細な絵と韻文と雰囲気を楽しむ。

  • 何年も経ってふと思い出した約束。
    エドワード・ゴーリーは、こんなに胸の奥が疼くようなせつない話も書くのだな。

    ドゥルシアという少女が外国に出かけた11歳の夏。
    家族の知人スクリム=ショーとともにクレイグ氏を訪ねる。口ひげとあごひげを生やした老人だ。

    クレイグ氏はドゥルシアに、紙は好きかと尋ねてくる。
    会話の流れで彼女は、
    「家に帰ったら、貯めてある封筒の内紙を送ります」と約束する。

    何年かしてその約束を思い出す。彼女は突如思い立って封筒の内紙を探す。すると、引き出しに敷いてあった新聞紙で、自分がクレイグ氏に会ったその秋に、彼が亡くなっていたことを知るのだ。

    なんだこのストレートな物語は。らしくない。でも良い。細部にはまだ無意味が宿っている。人はときにこういうどうでもいいことを覚えている。だからこそいっそう、ドゥルシアのこの地味な出会いがしかし一回性のものであることがきわだつ。

    ところで本作でも、時間のジャンプが行われている。ページをめくるごとに、数日が過ぎ、数週間が過ぎ、数ヶ月が過ぎ、数年が過ぎる。

    どうも作者は、時というものがただ過ぎるという残酷さとあっけなさ、いかにも意味がありげな無意味を、描きたがっているように思われる。

  • ゴーリーの絵は、今作も細部まで魅力的。
    ちょっと切ない泣かせストーリーとも取れるのだけど、それでも充分面白いのだけど、絵の不穏さでやはりそれだけとは思えずに色々と考えてしまい、身勝手な自己陶酔と私には受け取れた。
    けれどそれを断罪するでもない、低温さがまた魅力。

  • 不穏な空気がなんとも良い。
    矛盾するようだが、不安な安心感がある。

  • いつものゴーリー。それほど不気味ではないけど、少女の存在感がすごい。

  • エドワード・ゴーリー展にて読了。
    切ない後味が味わい深い一作だった。

  • 常に薄暗い感じが好きです。

  • ゴーリーの絵本は細部まで書き込まれていてじっくり読みたい

  • 背景の植木が気になる。
     あと、有名なをっさんと、彼の紙キチガヒと、名詞のセンスのマニアックぶりも気になる。

  • 読了

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著者プロフィール

1925年シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章とモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表。おもな邦訳に『うろんな客』『ギャシュリークラムのちびっ子たち』など。2000年没。

「2023年 『どんどん変に…』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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