ドラコニア綺譚集 (河出文庫 121R)

著者 :
  • 河出書房新社
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309402420

感想・レビュー・書評

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  • さすが円熟期のエッセイ集、です。該博な知識に魅了されていると、小説のような不思議で幻想的なエピソードが織り込まれて、虚実皮膜、綺譚と称すに相応しい澁澤の世界が──まさしく「ドラコニア」なる幻想世界が現れてきます。ここから『高丘親王航海記』等の晩年の小説へと、ドラコニアの世界は広がっていくのです。そのような意味では澁澤龍彦を語る上ではやはり避けては通れない、印象深い一冊でした。個人的にはやっぱり澁澤さんのエッセイが一番好きなので、エッセイであり小説のようでもある本作は好きでした。お気に入りは「飛ぶ頭について」「桃鳩図について」です。「文字食う虫について」もいいなぁ

  • 自分の知識不足のためわからない箇所も多少あったが、作者が非常に楽しそうに書いているのがわかる良エッセイ。

  • エッセイなのか御伽噺なのか分かりかねる小品集。
    澁澤龍彦の王国『ドラコニア』を気ままに散策できる本でした。

  • 美術史かぶれだった大学生のころの愛読書を、再び読み返しました。妖しくも魅力ある澁澤ワールド。大人になってからまた読むと、若い頃と異なった感覚を楽しめますね。

  • 最近、吸血鬼関連の本を読んでいて、
    ドラキュラ……ドラクル……ドラコニアという具合に、
    この本を思い出したのでレビュー。
    ドラコニアとはドラゴンの国、
    すなわち(ポオ風に言えば)「澁澤龍彦の地所」。
    古今東西の不思議なオブジェ、アイコンについて、
    自由気儘に連想の翼を広げて書かれた随筆集。

  • [ 内容 ]
    「ドラコニア」とは龍の王国、すなわち「渋沢龍彦ランド」のことである。
    この知の領土において、著者は極楽鳥や仮面、童子といった偏愛するテーマをとりあげながら、筆のおもむくまま、自在のスタイルで、興趣つきないエピソードをつむぎ出す。
    一編ごとにエッセイ風、幻想譚風とおもむきを変え、きらびやかなペダントリーをふりまきながら、軽やかな精神の運動が展開する円熟のエッセイ集。

    [ 目次 ]
    極楽鳥について
    鏡と影について
    飛ぶ頭について
    かぼちゃについて
    文字食う虫について
    スペインの絵について
    ラテン詩人と蜜蜂について
    箱の中の虫について
    桃鳩図について
    仮面について
    童子について
    巨像について

    [ POP ]


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    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 渋澤作品は学生の頃に何作か読みました。長髪にサングラス、書物ぎっちりの書斎といったビジュアル、それにサドetc.の翻訳で「キケンなモノカキ」のイメージがあるかたですが、私が読んだ限りでは、そんなイメージではなく、筆致もきわめて知的で博覧強記の作家さん(荒俣宏さんが近いと思いますが、荒俣さんよりビジュアルがセクシーな感じ:笑)という印象のまま終わっています。この本はご自分の周りの世界を「ドラコニア」としゃれて名づけ、ちょっとフシギな語り口の話をまとめたものです。「ファンタジー」じゃなくて、「幻想譚」と漢字でいきたい1冊です。ホラーでも何でもありませんが、夜読むのにいい空気感をたたえた筆運びです。

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