推理小説 (河出文庫 は 13-1)

著者 :
  • 河出書房新社
3.21
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本棚登録 : 3304
感想 : 474
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309407760

感想・レビュー・書評

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  • ブックオフでタイトル買いしてみた小説。
    犯人が起こす事件が推理小説として執筆される、というメタ構造?を持つ物語。なんでわざわざリスクを冒してしてまで自分の犯行を小説として書くのよってのは読んでのお楽しみ。
    推理小説ってこういうものだよね、という薀蓄も語られるんですが、それが伏線となって裏切られました。面白かったと思います。
    雪平夏見という、バツイチで、前の事件で犯人を銃殺したことがあり、検挙率ナンバーワンという、敏腕女性刑事が出てくるんですが、なかなか魅力的なキャラクターです。でも、これ映像化出来ないだろうなと思ったら、既に篠原涼子主演の「アンフェア」というタイトルでドラマ化されてたんですね。アマプラで1話だけ見られるので、見てみようかな。(あとはレンタル)

  • この作品は、読み始めてから、あれ? ドラマの篠原涼子主演の「アンフェア」の原作だったみたいです。知らずに買ってました。ってドラマは見てないので、なんの支障もなしw 刑事物は好きで、女性刑事というと、「ストロベリーナイト」の姫川さんが好きだなー。こちらの雪平刑事さんも、かなりぶっとんだ設定でめちゃ色っぽい♪ こんな刑事さんに詰問されたいw お話は、怪しいとにらんだ人があたりでした。この犯人は、独りよがりの自己満足なナルシストです! 回り巻き込むなよって思っちゃったw

  •  『アンフェア』というタイトルの刑事ドラマとはどういうことかと気にはなったが、ドラマと映画のほうは見ていない。ドラマの最初の部分が本書『推理小説』を原作としているのだが、ドラマはドラマで2本の映画とともにオリジナルな展開を示し、小説のほうは刑事雪平夏見シリーズとして、いまのところ4作まで刊行されている。

     暴力的なダーティーハリーであろうと、犯人に一杯食わせる刑事コロンボであろうと、犯人を逮捕し、法の裁きに引き渡すという目的に向かう点においてやはりフェアでしかあり得ないだろうに、アンフェアってどういうことだろうと気になって読み始めた。

     連続殺人が起こるが、犯人は自分の書いた『推理小説』というタイトルの推理小説に沿って事件を起こしており、次の殺人を防ぎたければ、この小説を高額で落札しろと要求してくる。そして殺人現場には「アンフェアなのは、誰か」と印刷された栞が残っている。犯人は自分の書いた推理小説を編集者に没にされ、「展開がアンフェア」「動機にリアリティがない」と酷評されたらしいことが示唆される。
     すなわちアンフェアは推理小説の決まり事としてのフェアであることに関わっている。この作品の中の現実の殺人事件、その現実を予告する推理小説『推理小説』、という話を書いた河出文庫の『推理小説』。メタフィクション的重層性を臭わせていく。犯人の書いた『推理小説』は推理小説としてフェアなのか、秦建日子著『推理小説』は推理小説としてフェアなのか。

     本書は作家・秦建日子のデビュー作であったが、このひとはすでにテレビドラマの脚本家などとして活躍しているのであった。小説ゆえにドラマとは違ったことを目指したのではないかと思われるが、短い場面を畳みかけて、それぞれ視点を変えていくのは、私には結構、映像作品的に思えた。
     軽く読めるけれど、一気に引き込まれる。しかし心理描写は浅く、謎は十全には解決されない。それは「展開がアンフェア」で、「動機にリアリティがない」ほうが現実に対して、よりリアルだからだ。小説としての不備はいろいろ指摘できるのだが、不思議と魅力があって、続編を読みたくなる。それは主人公・雪平夏見が徹底してフェアで、しかもその人物造形がほんの一端しか示されていないからだ。

     刑事雪平夏見は殺人的に汚いゴミ箱のような部屋で寝ていて、新人刑事の相棒・安藤が起こそうとしても起きない場面で登場。次に、殺人現場に赴き、被害者の倒れた位置を示す線の中に体を横たえて、たっぷり10分過ごす。その次は捜査会議で鼻くそをほじくっている。少年犯を射殺したことでマスコミのバッシングを受け、離婚している、「無駄に美人」な38歳。

  • 宮部みゆきほど猟奇的ではなく、東野圭吾ほど一般的ではなく、松本清張ほど背景が多くなく、それでいて、ある程度期待されたどんでん返しや結末が用意されている。私はこの手の「ちょっとこねくりまわしてみたが、結果はシンプル」という作品が好きだ。特に最後がいい。終わり方をどうとるかは人それぞれだが、私はプラスに捉えた。

  • ドラマ・アンフェア の原作です☆
    ドラマを見て大好きになったので、
    原作を読もう!と手にとりました(o´ω`o)
    原作もとっても面白かったですヽ(*´∀`*)ノ.+゚

    1回目*
    2回目*2009/11/2~

  • この推理小説という本はアンフェアというドラマの作品です。事件が起きるたびに「アンフェアなのは誰か」という紙が死体の近くに置いてある。犯人はだれなのか全く予想ができない作品です。犯人はだれなのか予想しながらみるとかなり楽しいですよ。ぜひ読んでみてください。

  • 吸い込まれそうになるくらいスローリーの
    流れが良かった。雪平のキャラが好き。

  • 雪平夏見!すばらすぅい!!

  • 最近アンフェアが再放送してたので読みなおしをしてみました。以前読んだときは文庫本だったので内容がやや浅かったですが、ハード版の方はしっかりしていますね。それにこの原作をドラマ化した監督の手腕が凄いですねー。

  • 出版社に届いた『推理小説・上巻』という原稿。
    そこには殺人事件の詳細と予告、そして「事件を防ぎたければ、続きを入札せよ」という前代未聞の要求が・・・。

    雪平夏見シリーズ第1段。

    アンフェアの映画の宣伝してて、なんか急に読みたくなった。

著者プロフィール

1968年生まれ。小説家・脚本家・演出家・映画監督。2004年『推理小説』で小説家デビュー。同作はドラマ&映画化。著書に『And so this is Xmas』『女子大小路の名探偵』他多数。

「2023年 『Change the World』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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