世紀末画廊 (河出文庫 し 1-51)

著者 :
  • 河出書房新社
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本棚登録 : 111
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309408644

感想・レビュー・書評

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  • <世紀末画廊>
    ジャン・ロランとジェイムズアンソール/ユイスマンスとフェリシアン・ロップス/アンリ・ド・レニエとモーリス・ドニ/オクターヴ・ミルボーとアリ・ルナン/ロデンバックとクノッフ/シュオブとD・G・ロセッティ/レオン・ブロウとギュスターヴ・モロー/メーテルランクとアルフォンス・オスベール/レミ・ド・グールモンとオディロン・ルドン/ロベール・ド・モンテスキュウとエドガール・マクサンス/ジョルジュ・ダリアンとロートレック/ジャリとフィリジェ/ユーグ・ルベルとベックリン
    <イマジナリア>
    アロイス・ツェトル/さざえ堂/マニエリスト抱一/カルロ・クリヴェッリ/ベルナール・フォーコン/河鍋暁斉/愛の魔術/シモーネ・マルティーニ/五輪塔と現代オブジェ/塔と庭のある町
    <血と薔薇>
    ポール・デルヴォー/クロヴィス・トレイユ/ピエール・モリニエ
    <シュルレアリスム、狂熱の追求>
    私のシュルレアリスム/シュルレアリスムと屍体解剖/アンドレ・ブルトン/魔的なものの復活/ベルメールの人形哲学/写真家ベルメール/モリニエ/幻想美術とは何か
    <空想絵画館>
    江戸の動物画/空想の詩画集/ベスト18 日本絵画・彫刻・西洋絵画/幻想美術の流れ/スウィフト、サド、ゴヤ/ゴヤ あるいは肉体の牢獄/ギュスターヴ・モローの偏執

  • かなり昔に購入して積んでいた澁澤龍彦の芸術エッセイ。
    ジェームズ・アンソールが冒頭に出てくるのに心惹かれて買ったんだろう。たぶん。

    最初の『世紀末画廊』は興味深く読めたんだけど、そのあとの幻想芸術、特にシュルレアリスムのあたりは、難解で読むのに苦労した。エッセイなのに……。
    面白かったし、さすがとは思うものの、読み手の私に芸術的素養が欠けているのもあり、なかなか難しかった。
    ただ、とにかく、サドの信奉者の面目躍如といった感じのセレクトではあり、知らない画家も多くて検索するたび出てくる絵にちょっとぎょっとしたりした。すごい。



    子どもの頃、親が美術館や博物館に休みの日に連れて行ってくれた。「ふーん、ピカソ」「ふーん、浮世絵」「ふーん、ゴッホ」といった感じで、連れて行ってくれるからには一通り見るけれど、そこまでの感動はそんなに得られていなかった。
    多分、小学校6年生の時、アンソールの『仮面の中の自画像』を見たときに、初めて芸術作品に感動した。所蔵のメナード美術館は、比較的実家から近く、その時が初めての訪問ではなかったと思う。親がシャガールが好きで、メナード美術館はわりかし頻繁にシャガール展を開催していたような記憶があるので、それで常設展示の『仮面の中の自画像』と、その解説を見て感動したのだ。
    小学6年生、思春期のただなかで、親への反発もあり、「誰も自分の本当の所をわかってくれない」と思っていた頃。自分の周囲の無理解者を骸骨や不気味な仮面をかぶった存在として、その存在に取り囲まれる自画像、というのに共感したのだ。
    アンソールの場合は、もちろん20人展に拒否されたりといった経緯があっての作品で、ローティーンの小娘の自意識とは全然違うけれど、でもそうした視点が私には絵画に興味を持つきっかけになったのだ。

  • 単行本未収録の世紀末画廊にイマジナリアという2つの美術画エッセイ作品と、既出の世紀末画エッセイを併せて1冊にした出版社編集オリジナル文庫。
    全集やA2サイズの画集本でも読めるけど、旅先で気軽に読めるオリジナル文庫にしてくれたのは嬉しい。

  • 全体的に読みやすかったが、中盤のシュルレアリスムの考察の辺りは私の知識不足でさっぱり分からず…。後半のベスト18を選ぶくだりは作者の好みがマニアックで「やっぱりな」という感じが出ていて面白かった。

  • 久しぶりに澁澤龍彦の本を買って読んだけれど、あまり楽しめなかったのは自分が美術史に疎いからか、死後かなり経た現在もアンソロジーと言う名で新刊が出される商業主義に嫌気が差したからか、どちらだろうか。
    スウィフト、サド、ゴヤの毒について語る辺りが一番楽しかったかな。ゴヤの狂気と絶望はどれだけ深く重いのか、と読後に考えてしまいました。

  • 世紀末美術についての澁澤龍彦のコラム。
    世紀末に活躍した画家・作家を2人ずつ紹介していく。血と薔薇、東洋・西洋の幻想美術へのエッセイ。
    読みやすい短い文章だった。

  • 久しぶりに澁澤の評論を読んだ。
    なぜだか少し心が離れて入り込めなかった。
    どうしてかしら。
    美術は人の目を通してみるものではないということかしら。
    自分の目でみてみなくては。

    ゴヤとサドの同時代性、意外でした。
    ゴヤの記述はなかなか楽しめます。

    • lovefigaroさん
      bluemoonさん
      ゴヤの生涯についてはあの怖い家のことしか知らなかったから、もっと調べてみたくなりました。
      とても不思議な人だったの...
      bluemoonさん
      ゴヤの生涯についてはあの怖い家のことしか知らなかったから、もっと調べてみたくなりました。
      とても不思議な人だったのですね。
      2009/05/04
  • 河出文庫 し-1-51

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著者プロフィール

1928年、東京に生まれる。東京大学フランス文学科を卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介。また「石の夢」「A・キルヒャーと遊戯機械の発明」「姉の力」などのエッセイで、キルヒャーの不可思議な世界にいち早く注目。その数多くの著作は『澁澤龍彦集成』『澁澤龍彦コレクション』(河出文庫)を中心にまとめられている。1987年没。

「2023年 『キルヒャーの世界図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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