- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309415260
感想・レビュー・書評
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夜を徹して友人と議論した。東大安田講堂事件が昨日のようです。ものを考える事の大切さを教えてくれた一冊です。
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大学に入って直ぐに大学の生協で入手したのだと思う。
立て看にマルクス文字が踊り、学生運動の余韻が微かに残る時代。折原浩の東大闘争の本を読み、次いで本書を手にした。
副題の「わが内なる告発」というのが痛々しい。
京都大学の助教授時代、学生運動の問題提起を真正面から受けた。
痛烈なる自己告発の果てに得られるのは自己解体。
その真摯な姿勢に襟を正さずにはいられない。
しかし、それ以外の道行はなかったのかと暗然とした気にさせてもくれる。
そして、癌に侵される。癌の進行と共に、肉体的にも解体してしまう。
何という激しい生涯。
自己の文学的才能に匹敵する者は三島由紀夫しか居ないと三島をライバル視した高橋は、三島よりも6つも若くして死んでしまった。
彼の「邪宗門」は、来るべきオウム真理教の出現を予言した傑作だ。 -
高橋和巳のエッセイ集が復刊。
再び脚光を浴びているような、浴びていないような、微妙なポジションに置かれている気がする高橋和巳。小説の方を読んでいると、なんというか、『あ〜、こりゃあ、今時は流行らんよなぁ……』という気分になるのだが、エッセイの方はその『流行らんよなぁ……』的なナイーブさが非常に強く出ていた。
うん、確かにこりゃあ流行らんわ……忘れられるわ……。
面白いんだけどねぇ……。