カラヤン (河出文庫 よ 11-5)

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  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309416960

感想・レビュー・書評

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  • 2022/09/10 読了
    #rv読書記録
    #読書記録

    カラヤンについて色々知ろうかと思ってとってみたら思わぬ深淵ともとれる沼が広がっていた…
    正直自分には早すぎた、内容の粒度が細かく、各表現、特に音楽におけるそれは自分の理解の範囲を超えている…

    一方で、一部とはいえどカラヤンの音楽について、左少は知ることができたかなぁと。。。

    P32
    カラヤンが演奏に最大に注意を払ったものとして、「一つの音がその前の音から直接生まれてきて、両者の間に一分の隙間もないように」演奏すること。ここに彼の音楽の作り方、演奏の仕方の真髄があるのでは。

    P53
    およそ美麗を極めた旋律の線の持続体こそ、音楽として追求すべき最高の価値を持つ姿

    P74
    著者はカラヤンの中にフルトヴェングラー(の系譜)は存在しないという主張
    ほかの解説と違う内容

    トスカーニより、もっと雄弁に、爽やかに走ってゆく

    P98
    (カラヤンの指揮について)
    いわばアウトバーンを快速で走る自動車の中に坐ったまま、ドイツの森の杉や檜といった木立ちと、その傍らの名もないような野草や藻木まで見逃さない、優れたカメラのような目を感じさす。…各個の映像の明らかなこと。




  •  吉田秀和による、カラヤンの関する評をあつめたもの。
     
     なんで、コンサート評やレコード(時代ですねww)評や、他の大きいカテゴリーの中でカラヤンについて論じたものとか多岐にわたる。
     面白かった。

     評って、書き出した時に多分方向性が決まっている。方向性というか、着地点が決まっているのだと思う。
     が、どこに、どういう目的で書いたかによって、着地点は様々だ。
     その多々の点でばらばらのようなものの中から、カラヤンが確実に浮かび上がってくる。

     って、カラヤンがどれだけすごかったか、というところなんだけど。

     なんで、改めてカラヤンを聞く。
     中高の頃、ものすごく好きでポスター張っていたし、ほぼ毎日聞いていた。
     やっぱりカラヤンはいい。

     理性と感情のバランスがものすごくいいと思う。

     ああ、そうか。
     現代人らしいバランス感覚が、カラヤンをカラヤンたらしめ、彼を帝王とさせていたのだな、としみじみ思った。



     余談
     ブラームスのシンフォニーがものすごくいいと感じるようになったのは、私が年食った証拠なんだろうな。
     やれやれ。

  • 2019年9月2日図書館から借り出し。令名高い吉田秀和ではあるが、カラヤンについて書いたものをまとめてみると、同じことを繰り返して書いていることがよく分かる。同時代に生きて、リアルタイムで読んでいた者には懐かしさがあるが、さて、時間が経過して次の世代がいつまでも読み続けるのだろうかとも思う。

  • カラヤンについて書かれたものを集めて文庫化。
    そういえば一時期、日本でもやたらと『カラヤン』『ベルリン・フィル』という固有名詞が宣伝されていたことがあったな……と、懐かしいことを思い出した。

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著者プロフィール

1913年生まれ。音楽評論家。文化勲章、大佛次郎賞、讀賣文学賞。『吉田秀和全集』他著書多数。

「2023年 『音楽家の世界 クラシックへの招待』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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