文豪たちの妙な話 : ミステリーアンソロジー (河出文庫)

制作 : 山前譲 
  • 河出書房新社
3.23
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本棚登録 : 177
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309418728

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  • 奇妙なミステリー?

    文豪たちの妙な話 :山前 譲 | 河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/sp/isbn/9784309418728/

    【目次】
    「変な音」 夏目漱石
    「カズイスチカ」 森鴎外
    「妙な話」 芥川龍之介
    「Kの昇天――あるいはKの溺死」 梶井基次郎
    「時計のいたずら」 佐藤春夫
    「私」 谷崎潤一郎
    「復讐」 久米正雄
    「日の出前」 太宰治
    「マルクスの審判」 横光利一
    「人を殺したが…」 正宗白鳥

  • 図書館本

    漱石、芥川、梶井基次郎、谷崎、太宰などなどの短編。
    ちょっと不思議だったり。
    芥川の赤帽の話はえもいわれぬ空気感。谷崎の寮生の話はちょっぴり哲学的?
    短編で、読んだことのない作家さんの作品に触れることができる。良き良き。

  • 所謂文豪のミステリーっぽい作品のアンソロジー。梶井基次郎のは有名どころだけど、読んだことのない作品やあまり手に取らない作家の作品も結構あり、その辺りアンソロジーを読む醍醐味。
    谷崎の『私』は谷崎っぼくない、「私」が端々に出た感じの話。太宰の『日の出前』はミステリーというよりは残酷物で読後に妙な爽快感。正宗白鳥の『人を殺したが…』は話が進むにつれて狂気が加速して行き、正気と狂気が渾然一体となって結末に転がり込む。

  • 文豪によるミステリーアンソロジー。ただしミステリーといっても「推理小説」の型にはまったものではなく、さまざまな形での謎や、犯罪と犯罪者の心理を描いたものである印象です。特に心理面、じわじわと恐ろしく思えました。
    お気に入りは太宰治「日の出前」。つくづくひどいお話なのだし、ラストのセリフが辛辣で酷薄極まりない印象なのですが。ああだからこんなタイトルだったのか、と思ってみれば、清々しくは……ならないでしょうか?
    谷崎潤一郎「私」も一見たわいのない物語に見えて、ぞくりとさせられます。これは理解などできやしない、と思いたいのですが。もしほんの少しでも「私」の気持ちがわかるかも、だなんて思ってしまったらそれこそ本当に怖いなあ。
    一番読みごたえのある正宗白鳥「人を殺したが…」もまた、心理的にじわじわと不気味な作品でした。主人公の立場になるのも不気味だし、周りの人の立場から主人公を見るのも不気味。これもまた理解なんてできない、と思いたいです。

  • 文豪の作品自体を読む事が殆ど無かった。トップバッターの夏目漱石はスルリと読めたが、だんだん時代背景的にリアリティが無い話に思えてしまう。最後の正宗白鳥は読み飛ばしてしまった。

  • (借.新宿区立図書館)
    ウェットなミステリー集。心理的な話が多い。久米正雄の作品に人の悪さを感じるのは漱石の娘のことがあるからか。

  • 梶井の「Kの昇天」幻想的で美しい推理が好き。しかしこの中にあると「普通」なかんじかするのは何故だろう…
    久米の「復讐」もかなり好みだなあ。

    太宰のはなしはじわじわ来るし、最後がやっぱり巧いと思う。息子を医学校に行かせたい父と、チベットに修行に行きたい息子の間に立って困惑する母…の気持ちになってしまう。

    いちばん読みたかった白鳥のはなしは軽くホラー…全部妄想と言われたらそう見えるし。色んな人の解釈が知りたい。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1305986

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著者プロフィール

1956年北海道生まれ。推理小説研究家。数多くの文庫解説の執筆、アンソロジーの編纂に携わる。

「2023年 『文豪たちの妙な旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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