南仏プロヴァンスの木陰から (河出文庫 メ 1-2)

  • 河出書房新社
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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309461526

作品紹介・あらすじ

ベストセラー『南仏プロヴァンスの12か月』の続編。本当の豊かな生活を南仏に見いだした著者がふたたび綴った、美味なる"プロヴァンスの物語"。トリュフをめぐる秘話、愛犬ボーイとの出会い、グルメの美食学講義、シャトーヌフ・デュ・パープやパスティスの飲み方、知られざるアヴィニヨンの市場の豪華さ等々、どこから読んでもみな楽しい、傑作エッセイ集。

感想・レビュー・書評

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  • 『南仏プロヴァンスの12か月』に続くピーター・メイルのプロヴァンスエッセイ。

    1991年(日本語訳1993年)出版なので、著者がプロヴァンスに移住してから4、5年くらい。前作がプロヴァンスブームを引き起こしたことで不動産価格は爆上がりしているものの、トリュフを買いつけたり、山の上でピクニックしたり、ドッグ・ショーを見に行ったり、ワインやパスティスを試飲したり、食べたり飲んだりのカントリーライフが楽しく綴られている。

    オランジェの古代劇場で開催されるパヴァロッティのコンサートなんて、とても豪華なセレブライフのようだが、彼が歌の間に食べているものを想像してコースメニューを考えてみたり、著者の文章にはユーモアがあり、変な気どりがない。

    プロヴァンスが美しい場所だったことはもちろんだけど、世界的ベストセラーの一番の理由はこの文章のおもしろさだと思う。現在ではほぼ絶版になってしまっているのが残念。


    以下、引用。

    プロヴァンスの人間を相手にしていると、どうも結局は料理か酒の話になってしまうようだ。

    ブルゴーニュは高すぎてもう日本人にしか手が届かない。

    飲み食いしながらの彼らの話題もまた、食べ物だった。

    何しろ飲んでも死なないので、客が何度でも買いに来る。

    ヌーディストがどこに千五百フランもの大金を持っているか、という疑問が目下、地元住民のあいだではささやかれています。

    ただのメロンなのに、高級レストランではみんなけっこうな金を払って食べるわけだからね。

    プロヴァンスに住みはじめてしばらくすると、何を買うにもまず短い講義を聞かなきゃいけないということがわかってくる。有機栽培のキャベツを買うときでも(二分)、ベッドを買うときでも(三十分か、背中の痛み具合によってはそれ以上)。ハチ取りの場合は、まあ、十分から十五分といったところかな。



  • 南仏プロヴァンスの12か月が面白かったので続編を買ってみたんですが、こちらも普通の日常を書いたりするのに楽しかったです。それから料理の話題が想像をたくましくさせてくれて、読むと食べてみたいという気にさせられます。

  • 大ベストセラー「南仏プロヴァンスの12ヶ月」の続編。南フランスの暮らしにすっかり慣れた著者が、あいかわらず素朴な美食を楽しみ、パスティスとワインを楽しみ、東にパバロッティが来ると言っては出かけ、西にドッグ・ショーがあると言っては出かけ、夏の観光客に辟易しつつも、暖かな日にはピクニックを、雨の日には読書を楽しむ生活をユーモア溢れる筆致で描く。

    異文化(フランス文化という意味だけではなく、田舎暮らしという意味で)との邂逅を新鮮な眼差しで描いた前著には劣るが、食事とワインの描写は秀逸。読んでいて、お腹が一杯になるまで美味しいものを食べてみたいと、心から思った。

  • …ということで、続けて続刊も読んでみました。やはり、うまい。なんとなく可笑しみがあって。場面も生き生きとしている。本当にプロヴァンスの木陰がそこにあるよう。単純に楽しい気持ちになる。私の読書傾向としてはわりと重いものを好むんだけど、これはさらっと読めるのに、なんとなく味わい深くて私のツボにもはまるかんじ。…が、和訳は前作の人の方が良かったような気がする。今回の翻訳も決して悪くないのだが。なんだろう。リズムのようなものかな。(2003 Jun)

  • 読んだ本です:2005.5.
    おなかが空いている時には読めません。

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著者プロフィール

イギリス出身の作家。広告会社を経て文筆業に。1980年代、南仏プロヴァンスに移住し、そこでの暮らしを描いた一連の著作が大ベストセラーに。子供向けのユーモラスな性教育の絵本も多く遺した。

「2020年 『なにがはじまるの?』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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