- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784309616858
感想・レビュー・書評
-
河出書房新社から「14歳の世渡り術」というシリーズででているヤングアダルト向けの叢書の一冊です。
しかし「中学生から大人まで」対象とうたっているだけあり、語り口は優しくも扱う内容はやさしいものばかりではありません。
医学寄りか社会問題寄りかと考えましたが、医学寄りの内容でしょうね。しかし貧困や若者の生きづらさなどのについて活動されている雨宮さんが扱うのですから、自ずと現代社会のあり方を問うみたいなことになります。
出生前診断、障害を持って産まれること・生きていくこと、代理出産、脳死、安楽死・尊厳死、呼吸器などの延命措置、臓器移植、堕胎、不妊治療、遺伝子上の親のわからない子供の出生とその人生について…
何となくは考えてみることはあっても(日常を生きていたらあまり考えることもないかもしれませんが)その当事者にならないと突き詰めて考えたことのない究極の選択についての現在の状況が書かれています。
これはもう、十人十色千差万別の考え方捕らえ方がある問題だと思います。
今まで医療についてできなかったことができてしまうことで、考えたこともなかったような、今までの人類の歴史上問題になったことのないような問題が現在出てきているということを私たちは考えなければならないと思います。
このシリーズ、他にも気になる主題のものがあります。
気になるところから少しずつ読んでみたい叢書です。
学生はもちろん、大人もそれぞれのジャンルへの入門書という気持ちで読むには手に取りやすいシリーズと思います。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分は子供が欲しいと思わないが、この本を読んでもその気持ちが変わらなかった。私はどんな子が生まれてきても愛せる自信がない。障害をもった子が生まれてくると知っても私は喜べるかわからない。堕すにしても、人を殺したという罪悪感を一生抱えて生きていかなければならないと思うと選択する勇気もない。どんな子が生まれてきても愛せるなら産めば良いと思ってしまう。その覚悟がないものは産むべきではないと思う。
ただ、自分の子供は自分で育てるという認識があるから堕すという選択をしなければならなくなっていると思う。社会全体で育てるという認識が出てくればら家族の負担も大きくはならないし親も自身の人生を楽しむことができる。
少子高齢化を止めるためには、社会人になるまでの教育を保証したり、親の負担が大きくならないように社会全体で子供を育てたりすることが大切だと思った。 -
雨宮さんのこと嫌いじゃないんだけど、この本は中高生向けだから、だめ。
まず、他人の言葉の引用に終始していること。自分も同じ考えだということは伝わってくるけど、自分の言葉で語らなきゃ。
それから、反対の考えを持つ人の意見がほとんど書かれていないこと。
判断するのは読者のはずなのに、自分に都合のいい意見しか取り上げないというのは公平でない。あらゆる情報に触れているわけではない中高生に先入観を植え付けるものである。
自分と同じ考えを持ってほしいという気持ちなのだろう。もっと巧みに誘導するならそのテクニックを評価できるのだが、この人はそういう書き手ではない。
雨宮さんの、愚直に自分の体験を語り、同じ立場の人と共鳴するような本にはすごく力を感じるのだけど。 -
2014年発行。雨宮処凛さんが向き合ってきた問題の1つ「生命倫理」について考えることができる本。
14歳からわかるシリーズなので、この手の問題に及び腰の大人にも手に取りやすい一冊。
雨宮処凛さんなりの提案もあるけれど、6年後の今も、そう簡単に答えは出せない問題ばかりなので、まずは知る事、考える事。
そのうえで、やはりできるだけ多くの人が救われる(精神的な意味でも)世の中とはどういうものか、そちらに向いて皆で知恵を絞っていくしかないんではないだろうか?
「命の選別」について何かしら意見を述べる前に、まず一度この本からでもちゃんと読んでみるべきだと思う。 -
脳死や臓器移植、安楽死、出生前診断、障害者について、精子バンク…生命倫理にまつわるトピックについて、きちんと考えることができるようになると思う。
ただ知識を与えるだけでなく、事例を取り上げている。入り口としては申し分のない良書。
ただ、ここから、綺麗事と実社会の間でどう辻褄を合わせていくのかきちんと考えるようになることが大切。個人的には2年生の夏に課題図書として読ませたい。 -
さまざまな場面における、生命における倫理について書いてある本。
1つ1つの項目は、Facebookでたまに流れてくるような話ではあるけれど、系統立ててとてもわかりやすく書いてある。
自分だったらどう考えるか、と自分に問いながら読み進める本だった。葛藤を生むような問いが多い。
道徳でも使えそう。
札幌市の図書館で借りた本。 -
登録番号:11279 分類番号:490.15ア
-
尊厳死、出生前診断、代理出産、臓器移植、デザイナーベビー……進歩し続ける医療を前に「命の格差」が広がっています。誰もが向き合うことになる「命」を巡る問題をイチから読み解く1冊。