生きのびるための「失敗」入門 (14歳の世渡り術)

著者 :
  • 河出書房新社
3.87
  • (6)
  • (17)
  • (6)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 254
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784309617374

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 生きづらい世の中を生きのびるための秘訣がたくさん。

    中でも1番最後の、「安心して失敗できる環境を作る」ことに共感した。
    1度失敗するとダメ人間と烙印を押され、人生をやり直せないような殺伐とした世界は誰にとっても生きにくい。

    失敗しないとそれが失敗だと気づかないから、失敗を恐れずドンドン挑戦すればいい。
    挑戦するには勇気がいる。つまり何かに失敗したということは勇気を出して挑んだ結果なのだ。

    P61〜62 ↓月乃光司の巻
    どんな大人がいれば良かったか?
    →低収入だけど楽しく生きてる人たち、適当にやってる大人(のサンプルがもっとあればいい)

    P63
    ドンドン失敗した方がいい。そうすれば間違いなく慣れる。人生のかなりの問題が、場数と慣れで解決します。

    P65
    どれだけ失敗したかが人生の醍醐味。「恥をかいてこそ俺! 失敗してこそ俺!」と思えるようになってから、生きられるような気がしてきた。

    P106〜 角幡唯介の巻
    自己責任という言葉が蔓延りすぎて、何もやらないことが得になることが1番嫌。
    何かやると叩かれるから、何もやらない立場になって、何かやってるやつを責める。
    日本の自己責任論は、自己責任という名前を借りた切り捨てというか、何かをやらせないための言葉になっている。
    それは卑怯者の論理。それが広がると、ドンドン失敗を恐れる雰囲気になる。

    「僕はもう自分のやることで必死だから、正直いって他人のことはぜんぜん気にならない。」

    P110
    短所があっても、「逆にそういうところがあるからこんなことができる!」と良い方向へ目を向けて解釈する。ポジティブ思考!
    「楽しい人生を送れている」と断言出来る大人!

    ✅P103
    「僕は自分の内側から湧き上がってきたものに従って生きていく感じだから、自分のことしか考えていない。自分のやりたいことを貫徹するためには、他人に何と言われようが構わない。もちろん多少は気にするが、最終的には自分のやりたいことを押し通す感じでやっている。」

    もっと適当でいい!

    P124 東畑開人の巻
    煽り運転をする人は、実はかなりキツい生活をしていたと。
    非人道的な扱いを受けている人が今の社会にはたくさんいる。
    一見酷い言動の裏には切実に苦しい思いがある。

  • 14歳の時に聞きたい、失敗経験者からの生きていくヒント。本当に頑張らなくていい、人に迷惑をかけたっていい。みんな、もっと楽に生きようよ❗

  • 主に10代の子をターゲットにした本だったけど、大人の私にも刺さることがたくさんあった。いまの世の中は特に若い子にとって生きにくいと思う。だからこの本が勇気を与えてくれると思う。ずっと読んでたい本がだった。「私」が「私」をこれでもいいんだって肯定してくれる。そして私もひとの失敗に優しくありたいし寄り添っていけるひとになりたいって思う。何かをしようとするんじゃなく伴走者でってのがポイント☆

  • 生きのびるための「失敗」入門 (14歳の世渡り術) | ダ・ヴィンチWeb
    https://ddnavi.com/book/4309617379/

    第626回:愛猫・ぱぴちゃん、18歳7ヶ月で逝く。の巻(雨宮処凛) | マガジン9
    https://maga9.jp/230222-2/

    生きのびるための「失敗」入門 :雨宮 処凛|河出書房新社
    https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309617374/

  • 失敗するのが怖い、乗り越え方がわからない。失敗するくらいなら、何もしない方が傷つかないからマシだ。そう思ったときに出会った本がこの本でした。

    作者の方が、この本を出版しようと思った経緯が、まさに今の私が思っていることだ…!と共感して、同じ思いを持った方がいるんだと嬉しさを感じながら読み進めていました。

    短編集のような、ときにインタビュー形式の形で、様々な職業の「大人」の失敗や、失敗に対する思いを感じることができます。
    この本に出てくる方々のような思い切って失敗をさらけ出せるような自分でいられたら、という理想もありつつ。
    今の自分は、失敗をさらけ出すのはとてもできないよなぁ…と思う私です。
    いろいろな大人のサンプルに心を救われます。

    今後失敗して、気持ちを切り替えられなくなったとき、気持ちに余裕がなくなったときにまた読みたいです。

  • (新ひだか町静内)

  • 2022 14歳の世渡り術

    ⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

    「大人の失敗談」なんだけど、
    「失敗」というのはないんだよなぁ〜
    と、しみじみ思う。

    日本「人に迷惑をかけるな」
    インド「あなたが大人になる過程で多くの人に迷惑をかけているのだから、人の迷惑に寛容になりなさい」


    まさに
    『失敗すればするほど、
    我々は成功に近づいている』エジソン

    「失敗」しない方が心配なくらい

    第一章 失敗や挫折は一生の仕事のエネルギー
    あさのあつこ

    「書く」ことで自分の気持ちを整理してるんです。書くことで自分の気持ちを客観視できる。書きながら思考の力を高める」p40

    「あつこな、みんなが同じこと言い出したら怖いんで」p42

    「失敗をどのようにも変容できるのが、若さの特権です。そのことを覚えておいてほしいと思います。」p43

    「失敗」はエネルギーで
    「失敗」は「場数」で「慣れ」る
    人生の経験値が上がる

    第二章 人生の経験値は、
    失敗することで上がっていく
    月乃光司「失敗を味方につけた男」

    自分の中の鬱屈した感情を漫画やイラストにすることにより、自分という犯罪者予備軍を「表現者」に高めた瞬間だった。そう、自殺願望や通り魔願望は、絵や文にして吐き出せば、その途端、汚物だったものは表現物となる。場合によっては自分と社会との接点にもなるし、誰かとつながるツールにもなる。p52

    人生の問題解決に必要なのは「場数」と「慣れ」
    慣れるほど、傷ついたり失敗したり恥をかくこのへのハードルは下がっていくp63
    「こわれ者の祭典」

    「どれだけ失敗したかが人生の醍醐味ですよね」p65
    「恥かいてこそ俺、失敗してこそ俺」


    第三章 弱さを
    さらけ出すことで
    幸せになれる
    岡田美智男 弱いロボットの研究者

    「可愛い」って、権力だ。
    「可愛いって、絶大な権力だ」
    幼く、無力で、可愛い。
    何もできない。

    「役に立たない」のに、人の心を動かすものについて考えている。
    「弱いロボット」を知ったこと。
    「ひとりでてきないもん」「他力本願なロボットがひらく 弱いという希望、できないという可能性」p69

    昨今の世の中は「ウィークネス・フォビア(弱さ嫌悪)に満ちている。これほど血弱さが忌避される時代」

    役に立つんじゃなく、「手間がかかるくらいのロボット」p74

    ロボットと言えば、人間の生活を便利にしてくれたり、合理的で効率的に動いてくれたりするものだとばかり思っていた。が、「弱いロボット」はそんな概念を鮮やかにひっくり返す。
    p76

    「役に立たない」ことで「役に立つ」
    便利さや効率がすべて、ではない
    「助け」を引き出す
    人は「一人でできる」ことは何もない

    「計画するということが
    失敗の始まりという価値観。
    それが厳しい自然環境で生き抜く知恵」

    「自分自身が助けられるに値する、生きるに値する人間てわあるという自己肯定感」
    「他人や社会への最低限の信頼感」
    「積極的に社会のせいにする!」

    「失敗は挑戦から生まれる。
    勇気を出すと、失敗が一緒に生まれてくる。
    〜そもそも勇気を出せたことそのものが成功」

    これ絶対、来年度は購入して
    中学生に読んでもらう❣️


    シリーズ:
    14歳の世渡り術

    全集・シリーズ

    イキノビルタメノシッパイニュウモン

    生きのびるための「失敗」入門
    雨宮 処凛 著

    単行本 46 ● 208ページ
    ISBN:978-4-309-61737-4 ● Cコード:0336
    発売日:2022.01.24

    定価1,562円(本体1,420円)

    ○在庫あり

    オンライン書店で購入
    amazonアマゾンで購入

    楽天ブックスで購入

    紀伊國屋書店KinokuniyaBookWebで購入

    hontoで購入

    セブンネットショッピングで購入

    HonyaClubで購入

    e-honで購入

    HMV&BOOKSで購入

    店頭の在庫を確認する
    旭屋書店 三省堂書店・岩波ブックセンター 紀伊國屋書店 東京都書店案内 有隣堂
    この本の内容
    目次・収録作品

    はじめに

    第1章 失敗や挫折は一生の仕事のエネルギー
    ――作家 あさのあつこさんに聞く 

    第2章 人生の経験値は、失敗することで上がっていく
    ――元ひきこもり、元醜形恐怖、元アルコール依存症 月乃光司さんに聞く

    第3章 弱さをさらけ出すことで幸せになれる
    ――〈弱いロボット〉の研究者 岡田美智男さんに聞く

    第4章 極寒の北極で失敗しても死なない男 
    ――探検家 角幡唯介さんに聞く

    第5章 「迷惑をかける練習」をしよう
    ――臨床心理士 東畑開人さんに聞く

    第6章 他人の決めた「意味がある」に振り回されない
    ――オタク女性ユニット 劇団雌猫さんに聞く

    第7章 一番幸せなことは、死なない程度に「安心して」失敗できること
    ――NPO法人「抱樸」代表・奥田知志さんと元野宿のおじさんたちによる座談会
     
    おわりに

  • 弱さを見せること苦手なのでもっとやっていきたい

    弱い部分見せてくれる人好きだし

  • 自分のことのようでもあり、テレビから流れる特番のようでもある。

    現代はカウンセラーが道案内するのかも知れないなと思う部分、昔はお節介なご近所さんや、世話好きな先輩が何かと手を差し伸べた。

    人間関係の希薄は、文章と会話の違いから時として小さな爆発物を孕んでいるよう。
    皆、つまづいたり、転んだり、色々あっていい。
    起き上がるのが辛いと言っていい、そう自分にも優しくいいたくなる本だった。

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1975 年北海道生まれ。作家・活動家。「反貧困ネットワーク」世話人。フリーターなどを経て2000 年、『生き地獄天国』( 太田出版/ちくま文庫) でデビュー。主な著書に『生きさせろ! 難民化する若者たち』( 太田出版/ちくま文庫)、『相模原事件・裁判傍聴記 「役に立ちたい」と「障害者ヘイト」のあいだ』( 太田出版)、『コロナ禍、貧困の記録 2020 年、この国の底が抜けた』( かもがわ出版) など多数。

「2022年 『手塚マンガで学ぶ 憲法・環境・共生 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

雨宮処凛の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×