作品紹介・あらすじ
ジェリー・ワインバーグとその仲間たちのの本。この本は問題発見についての本である。問題は解くより発見する方がずっとむずかしく、ずっと面白い。-実人生で本当にものをいうのはそこなのだ。
感想・レビュー・書評
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問題発見における古典的名著。ソフトウェアエンジニアリングの界隈で読まれることが多い印象もあるが、特に業界などを制限せず、一般的に通用する「そもそも問題とは何か」という話がまとめられているので、ビジネスに携わる人なら誰でも一度は読んでいい、と思える内容だった。
マイナス点としては、そこそこ古い本であることもあってか、訳がこなれていない部分があるのは確か。特に指示語が何を指しているのかわかりにくいときが少なくない。またサンプル事例が過度にドラマ仕立てすぎるというか、ちょっとくどいなと感じる向きもある。
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問題を解決するよりも、問題を発見すること、本当の問題は何か、それは本当に問題などか、などについて考えさせられる本です。
事例として語られている内容は笑えるものが多く、この本は実は真面目な本に見せかけたジョーク本なのではないかと、少しだけ疑っています。(^^;
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「急いで解かなければならない問題は確かにたくさんあるが、急がせようとする連中には気をつけなければいけない。問題解決のあとの方の段階で急ぐことは間違いのもとになる。だがその最初の数分で急ぐことは災厄のもとになるのだ」
本書は問題解決の本だが、「問題解決」より「問題発見」の重要性を繰り返し説いている。それは各章のタイトルにも表れている。
第1部 何が問題か?
第2部 問題は何なのか?
第3部 問題は本当のところ何か?
第4部 それは誰の問題か?
第5部 それはどこからきたか?
第6部 われわれはそれをほんとうに解きたいか?
訳がぎこちなくて内容がわかりづらい部分もあるが、基本的にはストーリー調なので読みやすく、示唆に富む内容だった。そして挿絵がシュールで味がある。
あなたの頭の中のライト、ついてますか?
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おすすめされたため、読んでみたが、いまいちピンとこなかった。
ライト、ついてますか?の章は
なるほど!と発見があった。
まだ自分には難しかったのかもしれない。
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問題を定義してから答えを見つけなくてはならない。ただ、問題が完全に定義しきれるわけではない。解いても問題は生まれる。
無意識に除外している事物を考慮しなくてはならない
本当に解きたい問題か?自分に起因した問題ではないか?解いてほしいと考えている人はいるのか?
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※再読
プロジェクトでなんか上手くいかないと感じるときは、①答えるべき問いがそもそも違う、②(問いに対する)メッセージが研ぎ澄まされていない、③メッセージの伝え方が良くない、の3点だと思います
この「ライト、ついてますか」は①の処方箋として、事あるごとに読み直しています
・正しい問題定義が得られたという確信は決して得られない。だが、その確信を得ようとする努力は決してやめてはいけない
・問題を抱えているのは誰か?
・問題文をどう変えたら、解答を変えることができるか?
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問題を解決するための大枠を用意してくれる書籍だと言える。
これは、問題を解決することについて考慮すべきことを以下に示してくれた。
1つ、問題が起きた時に、問題だけに注力、焦点を当てて問題が起きた背景、人物、解決した時に発生する次の問題を除外しがちであるということ。
2つ、問題を扱う、または提供する人によって導出したい解法は違うこと。
3つ、その解法は誰にとって有益なものかを検算しないこと。
書籍中は、例示をいくつか取り上げて上記を含む内容を解説をしていく形でページは進んでいく。
しかし、書籍で金言ともいえる言葉を凝縮したのは、目次の第1部から第6部のタイトルであると言える。ほかは、その根拠を示しているものだった。
書籍を抽出するなら以下の文言にまとめられる。
「問題とは、誰かが望む理想と現実の差異を示すものであり、それを自分自身を含む誰かに、誰かが望む差異を埋めるものを求めることである」
学校で10年以上解いている問題は、一過性であるが、現実で起きている問題は、連綿と複雑に絡まっている。
それを簡単な問題に分解し続けることだと認識を改めた。
具体的な問題解決は示していないけれど、解決するための考えの大枠を学習することができる書籍だった。
原書と行単位で比較しなければ断じることができないが、個人の言語感覚によると、外国の文化や言語に由来する冗句や、慣用句の和訳は難しいのだなと感じた。
書籍の中核は、色褪せることなく示しているが(2019年時点で、第75刷ということもその裏付けの根拠になると思う)、言葉の言い回しや、置き換えに違和感を持つ人が出てもおかしくはないかなという印象を受けた。
どうしても気になる人は原書を見てみると退色せず、著者の主張を受け取ることができると思われる。
書籍の中でのハックとまではいかないが、紹介している技法で心打たれたのは、言葉あそびのゴールデンリストである。是非、書籍で該当箇所を見つけて作って欲しいと思う。
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雑誌で紹介されており、興味を持ち図書館で借りて読んだ
発行が30年前と古いにも関わらず、紹介されているのは、きっと面白いのだろうと期待するも、、、
面白いが、やはり古い本だなと感じた。
だが、どんなに古くても面白い本はある。
そこまでのパワーがこの本にはなかった。
内容は実に興味深く、いま読んでも価値はある。
が、紹介事例の小話が非常にダレてしまっており
正直、ここで読む気が失せる。アメリカ人は面白い、
もしくは面白く感じていたのかもしれないが、本質から
ずれた内容も多く、古い訳とあわせて、正直、苦痛
だが、本当によいところを突いている。
読む価値はある。
あぁ、だが、、、実に残念だ。
●メモ
・問題を抱えているのは誰か。視点により問題は変わる
・問題とは希望事項と認識事項の相違である
・提示された解決方法は問題の定義というわけではない
・正しい問題定義は決して得られないが、確信を得る努力は決して辞めてはならない
・すべての解答は次の問題の出どころとなる
・新しい視点は必ず新しい不適合を作りだす
・君の問題定義を外国人や盲人、子供に試してみる
もしくは君が、その立場になる
・それは君だけの問題ではなく、君と彼の問題でもある
(レストランで財布を忘れた。オーナーに「僕たちは問題を抱えてしまったようだ」と語りかける。。。)
・その問題が彼にも関わりがあるならば、彼の問題にしてしまう(例え責任者であっても当事者でなければ問題解決に動かない)
・変化させるために一瞬でもよいので自分を責めてみる。それにより解決することがある(駐車場が足りないならば、徒歩で通えばよい。健康にもよい)
・人々への注意勧告。トンネルのライト付けっぱなしに対しては、夜の場合等、様々なケースがある。それに対して「ライト、ついてますか?」と気付きをだすだけで解決することもある
・官僚主義のせいにしても何も解決しない。それは自然を相手にしているのと同じで無益なことである。だが、彼らも人間である。彼らの有能さへの礼節と敬意をもって接することが大切
・本当に問題を解決してほしい人はそんなにいない。後から調べれば、それが事実と分かる
・人は順応する。順応した事物は考慮から除外しがち
・問題解決は道徳的に中立であるとは限らない
感受性が鈍りだす前に道徳的側面を考える必要がある
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G.M.ワインバーグ氏の手がける一作品。我々に降りかかる種々の問題について、どのように解決するかという解説書でよいだろうか。
問題の解決の当事者となった場合、とにかくその解答を導くのに急いてしまう傾向がある。しかしながら問題の本質を見通す必要がある。
問題の問題とはなんだろう。
一部この本から引用してみよう。
・人々はくれといったものを出してやるまでは、何がほしかったのか知らぬものである。
・どこから問題がきたのか?
(仕事させ屋から降りかかる問題に対して)
・私はそれを本当に解きたいか?
(解答が得られてみたらそれはちっともほしいものでなかった)
こんな感じで、問題を解くプロセスの解説だけでなく、時に避けるべき問題も解説している。
もっと頭にすっと入ってくる本だと思うが、翻訳がいまいちでした。
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