継投論 投手交代の極意 (廣済堂新書)

  • 廣済堂出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784331521281

作品紹介・あらすじ

野球で一番難しいと言われる「継投=投手交代」。だが、継投について本格的に論じた本はない。1998年に横浜ベイスターズを率い、独特の継投理論で日本一に輝き、WBCでも継投釆配を振るった日本一のピッチングコーチ・権藤博氏と完投重視の「先発選民思想」の愚を説く二宮清純氏が徹底討論。誰もが居場所を確保し、役割を分担し、「みんなで幸せになる」ことが求められる時代に生まれた日本初の継投論。

感想・レビュー・書評

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  • 日経にコラムを書いている権藤博の本を見つけて期待を持って一気に読んだ。とても面白いし、勉強になった。技術論ではないところが良かった。それは以前何冊か読んだ落合博満の本も同じ。どちらも優勝を目指す集団を経営するストーリーになっており、会社内の各機能のノウハウ本ではない。企業と違うところは選手たちは元々、その分野でプロとして活躍することを夢見てその集団に入ってくる、というところだろう。その差は大きいが、それはいつクビになってもおかしくない環境だから、というのもあるのだろう。最後に権藤博が書いた言葉がとても印象的だった。
    「忘れてはならないのは、戦うのは社員などの
     従業員であり、戦いで傷つくのは彼らであると
     いうこと。そして戦いの結果責任は上の人間に
     あるということです。それを考えれば自ずと
     上がやるべきこと、かけるべき言葉が決まって
     くるのではないか。そう思います。」

  • 日経のコラムが面白いのでこの本も読んでみました。書かれてる通りにやれば優勝できるね。野球は8割が投手で決まる。投手はメンタルに依るところが大きい。ならば投手が気持ち良く投げられる環境を作ればおのずと勝利、優勝は近づく。これだけのこと。

  • 監督も務めて日本一も経験した、権藤博による系統論。
    権藤博と二宮清純の対談形式なので読みやすい。

    自身の経験を踏まえて継投の必要性を熱弁しており、内容も非常にわかりやすかった。

  • すごい合理的な考え方で面白かった

  • 監督としてベイスターズを日本一に導き、日本代表の投手コーチとしても活躍した権藤氏の投手起用に関する話。権藤氏の信念が伝わってくる。投手がどのような気持ちで戦っているのかの一端を知ることができた。
    「我々の時代の監督は現役の頃に召集令状が来て戦争に行き、戦火をくぐり抜けて、また野球界に戻ってきたような人が多かった。だから野球ができるだけで最高だ。「何?肩が痛い?ヒジが痛い?たるんどる!命までは取られりゃせんよ」という考え方ですよ」p5
    「8、9回をいかにしのぐか。投手コーチの役目はその一点に絞られている」p6
    「選手たちは試合に出てナンボ」p8
    「投手一人で1試合抑えるのはなかなか難しい時代になった」p20
    「中継ぎは、1イニングだけ投げさすのであれば、休ませないでも(毎日でも)大丈夫」p46
    「優勝するために戦ってきて、その優勝が見えてきたら個人成績なんかどうでもいい。選手だってそういう気持ちになる」p48
    「やっぱり左対左っていうのは、ピッチャーによってはすごく効く」p69
    「藤波には160km近い球があるわけじゃないですか。それで荒れ球ときたら、バッターはもう腰が引けて震え上がりますよ。それは最大の武器なんですから、その武器を捨ててまでボールを落ち着かせて、恐くもなんともないピッチャーになってしまったら終わり」p75
    「現代野球は8回、9回で決まるというのが僕の考え方ですから、ここをしっかり乗り切れるように役割分担をはっきりさせて、マネジメントするというのがますます大事になってきますよ」p80
    「ミスター・ゴンドウ。教えてくれるのはありがたいけど、教えられて覚えた技術はすぐに忘れてしまう。自分でつかんだコツは忘れない」p113
    「(第一打席の見逃し方)スライダーでもフォークでもいいけど、変化してボールになる球を、知らん顔して見送ったヤツ。これは危ない。そうじゃなくて、それに反応しかかってボールを打ちにいってしまうヤツは大丈夫」p125
    「変化球って投げすぎると肩やヒジに負担がかかる」p140

  • 沢村賞の前提条件があまりに古い考えなのかと思えてしまう。

  • タイトル通り、『継投』について著者が対談した本となっており、最近の台所事情が書かれている。

    投手の分業制が当たり前になり、一人のエース級の投手だけでは成り立たないのが今のプロ野球である。その為、後ろからゲームプランを組み立てていく考えはもっともに思われる。だからこそ、しっかりした抑えがいるチームが日本一に輝いているのも頷ける。

    加えて、ブルペンでの肩作りも、従来の2回ではなく1回とするところも新鮮味があった。2017年、セ・リーグの中継ぎ・抑えの両タイトルを取った阪神も、金本監督・金村コーチのもとこの方針を取り入れているようだ。

    本書を読み、来年以降投手の継投について、また違った視点から試合を見てみるのも面白そうである。

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