名画で読み解く ハプスブルク家12の物語 (光文社新書 366)

著者 :
  • 光文社
3.95
  • (151)
  • (244)
  • (144)
  • (11)
  • (5)
本棚登録 : 2069
感想 : 201
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334034696

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 絵画という窓 双頭の鷲の飛翔と憂い

    世界史の表舞台にたびたび登場する名門ハプスブルク家、名前だけはメジャーなのに通史で学ぶ機会が今までなかったので本書を手に取りました。

    ただ通史で見てみたいと思っていただけだったのですが、本書の内容の奥深さに大変驚きました。
    本書のタイトルにもあるように、これはまさしく「物語」です。ハプスブルク家の主だった人物を12人選び、絵画という窓を通して生き生きと描写されています。
    カール5世やマリアテレジアといった英傑だけではなく、狂女フアナやライヒシュタット公といった歴史の闇に葬られてしまうような人物にもスポットがあてられており、とても興味深かったです。
    特に『マリーアントワネットとこどもたち』という絵画は、これからの行く末を暗示するような悲哀、凶兆といったようなものを感じることができ、とても印象に残っています。
    きらびやかなように思える王室も渦巻く潮流のなかで悶え苦しみながら歴史をつむいでいるのだということがよく分かりました。

    本書を通じて、歴史というものが血の通った人間のドラマの集積であることを改めて感じました。

    全体を通して平易な文章で記載されていますし、時折、日本史の人物で例えて説明されているので、それも理解を進めるのに一役買っています。
    内容が終始面白かったので、あっという間に読了しました。
    著者中野京子さんの著作は、これからも手に取ってみたいなと強く思いました。

  • アップする量が増えてきており、感想もかく余裕がないが
    このシリーズはおもしろい

  • 面白かったー。世界史の知識がない私でも楽しめたよ。多分絵画っていうのが読み易かったのだと思う。スペインとウィーンに分かれているとは知らなかった。ヨーロッパってスケール大きなあ。

  • これをきっかけにハプスブルクにめっきりのめり込む。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「ハプスブルクにめっきりのめり込む」
      ドロドロした王家の歴史と美しい絵画(例外もあるけど)。選択と纏め方が上手いよね。。。
      「ハプスブルクにめっきりのめり込む」
      ドロドロした王家の歴史と美しい絵画(例外もあるけど)。選択と纏め方が上手いよね。。。
      2012/07/10
  • 本屋でみかけて即購入。
    長年親しんでいるミュージカル・エリザベート

    ハプスブルグ家の悲劇が描かれていますが、どうもヨーロッパ史に疎くてマリー・アントワネットとマリア・テレジアの時代からどうなってるのかとかイマイチわかっていませんでした。そしてこの本はいろんな疑問を即座に解決!

    ハプスブルグの成り立ちから終焉まで、絵画とともにわかりやすくドラマティックに大変興味深く教えてくれます。
    ベラスケスやエルグレコなど教科書に出てきた画家の当時の身分や境遇などにも触れられていて懐かしかったり、より理解が深まりました。

    ノストラダムスの予言で有名なアンリ二世の事件や映画でも見たイングランドの女王エリザベス一世とフェリペ二世の時代、そもそもスペインにおけるハプスブルグ家の繁栄。一気につながったのでした。すごい!

    そしてエリザベートのこともですが、ミュージカルではあまり良いイメージではない皇太后ゾフィの若かりし頃のことが書かれていて、彼女の生涯ももっと知りたいなと思えました。

    才気溢れた美女ゾフィもかなりドラマティックな人生ですものね。
    エリザベートで印象的な文章は「不幸な夫婦は45年かけて、結婚するべきでなかったことを丹念に確認しあった」でしょうか、本当ですね。
    結婚は自分の運。どうにもならないのです。

    良い本です。

  • ハプスブルグ展に行こうと思って、にわか勉強してみた。絵もきれいだし、説明もわかりやすいし、おもしろかった。ハプスブルクだけじゃなくて、関連ってことでフリードリッヒ大王も扱ってて、一面的ではない、ハプスブルクが見られます。

  • ハプスブルグ展の会場で購入。読み終わって、あぁ・・・この本で予習すべきだった・・・といたく後悔した。ハプスブルグ家の主だった人物を時系列で解説していく。その人たちの肖像画も必ずある。ほんとに見事に面長・受け口が遺伝していて驚く。600年経っているのに!それが一番驚いたこと・・・かも。

  • 珍しく父親に薦められた本。
    前半の、スペイン・ハプスブルクは高貴な血を残すために血族結婚を繰り返し、「呪われた血」は濃縮され……云々、カルロス2世が亡くなるまでの王朝の暗い感じに惹かれました。

    「戦争は他国に任せて、オーストリア、汝は結婚せよ」って茶目っ気たっぷりに聞こえる言葉がありますが、この頃の王族の結婚は、当事者にとっては民衆にとっての戦争と同様に残酷だったのかもしれませんね。

    あと素直に格好良いと思ったのはフリッツ親父だな。
    ハプスブルクじゃないけど。

  • ハプスブルク家の長い歴史を学ぶ最初の書物として推薦したい。王家の皆様にあまり魅力を感じなかったが、純潔を守ろうとして結局途絶えたのは皮肉だと感じる。残念ながらオーストリア、ウィーンにある絵画の紹介は少ないが、エリザベス皇后の肖像画は、ぜひ実物をみたい。

  • 気軽に読める内容で、かつハプスブルクの歴史がわかりやすく書かれていた。

全201件中 21 - 30件を表示

著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野京子の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×