空港の大問題がよくわかる (光文社新書 450)

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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334035549

作品紹介・あらすじ

空港の赤字とはそもそも何なのかを考え、海外の空港事情を追い、"航空"の観点から空港を分析し、日本の空港の活路を見出す改革案を提示する。

感想・レビュー・書評

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  • ちょうど民主党政権になって空港の問題が話題になって、JALが経営破綻して…っていうタイミングにゼロから知識をつけるにはちょうどよかった本なんでしょう。
    もともと空港関連に興味があった自分としてはあまり目新しさを感じない一冊でした。大学の先生が著者に入ってしまうとどうも論文っぽくなってしまって冗長でよろしくないですね。

  • イギリスにいたときにJALの破綻での関空・ロンドン便の廃止やANAのロンドンオフィスの大リストラなどを目の当たりにしたことがあったほか、イギリスではフルにお世話になっていたイージー・ジェットタイプのLCCがいよいよ日本でも登場し、先日「ガッチリ・マンデー」でも放送されていたこと、また、伊丹と関空の経営統合なども話題もあったため、ちょっと興味を引かれて読んでみました。
    今まで知らない世界でしたが、この本を読んで、日本の航空業界や空港経営の直面している問題が、結構クリアにわかったような気がしました。
    単にこれまでの航空政策を批判するだけでなく、地方空港の赤字も、それを住民一人当たりの額に直すと数百円程度となるが、利便性と天秤に掛けてそれを許容するかしないかと考えることが、冷静な議論として重要、という指摘には目から鱗が落ちましたし、単にこれまでの航空政策を批判するだけでなく、具体的にポジティブな改革の方向性を提言しようとしているところが、読んでいて共感できました。
    薄い本ですが、なかなか内容は濃かったです。

  • 空港の大問題が良くわかりました。
    現在の空港は、赤字だらけ。ほとんど黒になっているところはありません。でも、筆者はそれでいいとおっしゃる。なぜなら、空港はインフラだから。
    ただし、その赤字幅は最大限に減らすべき、とも言っている(はず)。赤字を減らす方法はなかなかないが、海外の例に学べば、空港ターミナルビルで稼ぐことがいいようだ。
    空港ターミナルに人を呼ぶような仕組みになっていれば、ビル自体は儲かるので、空港と連結決算になっていれば空港本体の赤字幅も解消できる。能登空港のように、行政機能を持たせたり周辺地域の活性化を主目的にチャーター便を飛ばすなどのさまざまな「工夫」が必要である。

    全国にたくさん散らばっている地方空港は、そうして生き残る道を見つけて「経営」しないと、いつまでたっても地域の金食い虫で、地域住民からもいい顔をされない。住民と一緒になって空港の存在意義や活用の仕方を考えていくことがよいのだ。

    地域社会学を学ぶ上では、読んでおくと理解が深まる一冊ではないだろうか。

  • 地方の赤字空港は、すべて廃止すべき、と思ってました。しかし、そうとばかりも言えないのですね。

  • 5/26:またも政治の3流ぶりを知ることになりました。
    以下、分かった問題点
    ・国も自治体もどんぶり勘定で、会計が全く不透明。どの空港の赤字がどれなのかすら満足に分からない。
    ・航空事業に関する国策がない。遅い。よって既得権益を多分に抱えるJAL/ANAの負債をふくらませることになった。
    ・JAL/ANAを国が保護する必要は世界の例を見ても全く無く、つぶして外資や第三者が再建する英断に踏み切れなかった
    ・世界の空に対する日本の空港の相対的な位置の低下を認識していないので韓国/シンガポール/中国に食われて、日本パッシングが進む。

    ホント嫌になります。

  • [ 内容 ]
    空港の赤字とはそもそも何なのかを考え、海外の空港事情を追い、“航空”の観点から空港を分析し、日本の空港の活路を見出す改革案を提示する。

    [ 目次 ]
    第1章 赤字空港の実態(空港の赤字をどう思うか;赤字空港を報じる新聞記事 ほか)
    第2章 世界の空港の動き(変貌する世界の空港;国際線旅客数で見た空港ランキング ほか)
    第3章 空港の運命を左右する航空の動向(空港経営を左右する航空自由化;第1から第9の自由 ほか)
    第4章 日本の空港をどうするか(まさかの廃港が現実に;噴出する様々な空港問題 ほか)

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    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 日本の地方空港が抱える問題について論じられています。「血税空港」に対して海外の空港事情に詳しく、LCCなどの可能性についても言及されています。

  • 日本では空港建設が終わり、空港運営の時代が来たと言われるが、欧州では空港運営の時代が終わり、空港経営の時代になっている。
    アメリカで一番最初にオープンスカイが始まった。
    航空輸送は民間がするが、インフラである空港は公的セクターが実施するという思想が根底にはアメリカにもある。
    アメリカのオープンスカイ戦略に一番最初に反応したのが、オランダ。スキポールは航空ネットワークの拡大をした。
    JALを目標にしていきたANAは、シンガポール航空を目標にしはじめた。

  • 航空業界には問題が多いのはよく分かったが、話が難しくて内容はよく分からなかった。

  •  日本の空港問題がよくわかります。
     日本には100の空港があります。一県一空港、というのは解りやすいですし、離島に空港を作らねばならないケースもありますので100空港というのはただちに多すぎる、ということはないでしょう。しかし、定期便が飛ばない空港は作っても…?日本の地方空港が飛ばしたい先のナンバーワンは羽田です。その羽田は目いっぱい飛行機を飛ばしています。そのほかの路線を無理やり飛ばしても採算点といわれる搭乗率70%の確保は困難…頼りは中国などアジアからのチャーター便…。JAL、ANAとも経営体力が落ちている現状では、作るだけ無駄、維持するだけ無駄、な空港が相当数出てくるはずです。

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