花嫁は二度眠る (光文社文庫 あ 12-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334709266

感想・レビュー・書評

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  • ん~、泡坂妻夫氏の作品にしては小粒だったなぁ。
    解決部分を読むと、さりげなく手掛かりが全体的に等分されているのは判ったが、カタルシスが感じられなかった。最大の原因はどの登場人物に焦点を当てたらよいか最後の方まで絞れなかったことだろう。それほど今回は登場人物が類型的過ぎた。

    『11枚のとらんぷ』の各々の登場人物の個性、『ゆきなだれ』のような情緒溢れる文体を味わってしまった私には、単なる凡百のミステリにしか感じなかった。

  • ❖真犯人は(その動機も)ちょうど半ば辺りのところで察しがついた。それでも巧い展開で、トリックやミスリード(ツイスト)の演出は効果的であったと思う。キレイに事件の結着はついて、終幕の余韻のほろ苦さもよかった。
     ただ悪くはないが上手くまとまった出来のいい二時間サスペンスもの程度の印象なのである。著者はあの泡坂妻夫であるから、それでは不満なワケで、例えば『湖底のまつり』にあった眩暈するような不穏や官能の濃密でもいい(本作でも多少その雰囲気はあったけれど)、またはそれに代わるなにか魅惑するものが欲しかった。佳品。 カッパ・ノベルス版で読了。

著者プロフィール

泡坂妻夫(あわさか つまお)
1933~2009年。小説家・奇術師。代表作に「亜愛一郎シリーズ」など。『乱れからくり』で第31回日本推理作家協会賞。『折鶴』で第16回泉鏡花文学賞。『蔭桔梗』で第103回直木賞。

「2020年 『秘文字』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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