銀色のキーホルダー (光文社文庫 あ 1-70)

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  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334726737

感想・レビュー・書評

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  • 杉原爽香はどこまでお人良しなのだろうと思うことがある。
    象牙色のクローゼットでは、あやうく、年下の女の子に助けられる。

    それ以外の時は,運がよくか、主人公だからか,難から逃れている。
    それに対して,兄弟,知人は、災難に激突していく。

    人の生死,男女関係,親子関係という、根本的なところを問い続けていて,疲れないのだろうかと思うくらいだ。

    杉原爽香の運の良さと爽やかさだけに、このシリーズの存亡をかけているのかもしれない。

  • ネタバレ


    何だかちゃんと一字一句逃さず読むぞーって感じで読まなかった所為か、事件の話がよくわかりませんでした?
    問題の鍵を爽香持っている事、お札に書かれたトの字あたりです。そんな偶然あるのかなって言ったら物語が成立しないけれど、そもそもお札のトの字を見てこれの事?とはなりませんよね。手に渡ったルートが全然違うのに。
    あと光江妊娠の件は結局何か意味があったのか?
    杉原爽香シリーズの中って妊娠出産中絶多いですよね。確かに現実多いですけど、そんな簡単に扱ってほしい問題でもないし、妊娠しておろしますってなっても中絶て体にも精神的にも負担です。
    そう安々と書かれているわけではないけれど、三毛猫ホームズシリーズの晴美も抱えているように、一生抱える傷ですよね。

    そして田端は何がしたかったの?
    婚約者までいるのに親戚までいる別荘に違う女性を呼ぶという心理がわからない。呼ばれる側だって嫌ですし、婚約者である祐子(決して好きではないけれど)の気持ちもわかります。
    それならば婚約なんてしなければいい。田端って悪い人じゃないけど少し無神経。

    でも不明な点もありましたが、事件としては爽香が解決していっているという読み方ができたなと思います。
    事件にかかわっているけれど爽香が謎を解いていく、解決していく、という探偵役ではなかったんですよね。
    でも今回はそんな感じです。年をとるにつれて探偵役が薄れていっていたのでそこが面白かったなと思います。

    最後に兄・充夫は…妹に丸投げする事を情けないと思わないのか。こういうときだけ頼ってくる則子を何故突き放せないのか。
    爽香って結局そうゆう役回りを好きでやっているのだと思うけど、一度引き受けたら返上なんてできない。更生するつもりでかかわれないならほうっておくしかないんですよね。もう別世帯なんだから。
    家族ってそう割り切れるものでもないのでしょうが。

  • 【解説】 香山二三郎

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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