半七捕物帳: 時代推理小説 (4) (光文社文庫 お 6-19 光文社時代小説文庫)
- 光文社 (2001年12月20日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (447ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334732448
感想・レビュー・書評
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「岡本綺堂」の連作短篇時代小説『半七捕物帳(四)新装版[光文社文庫]』を読みました。
『半七捕物帳(一)[春陽文庫]』に続き、「岡本綺堂」作品です。
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著者「綺堂」が、長く病に臥せっていたとき『江戸名所図絵』を通読、これが『半七捕物帖』を書くきっかけになったという。
人間味豊かな捕物帖の世界を描いて、江戸の風物詩を現代に伝える永遠の傑作!
『柳原堤の女』『ズウフラ怪談』『妖狐伝』等十一編収録。(全六巻)
推理、怪談小説、新歌舞伎の劇作家として高名な著者の代表作、より読みやすく新装刊!
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江戸の岡っ引として、化政期から幕末期に数々の難事件・珍事件にかかわった岡っ引上がりの「半七老人」を、明治時代に若い新聞記者の「わたし」が訪問し、茶飲み話のうちに手柄話や失敗談を聞きだすという構成の「半七捕物帳」シリーズの第4作… 時代小説とミステリ小説を絶妙にミックスした捕物帳の元祖となるシリーズで、『東西ミステリーベスト100<新装改訂版>』の日本編で第42位にラインクインしている作品です、、、
前回読んだ「春陽文庫」とは、収録作品数が異なるみたいです… まっ、中古で見つけたモノから読んでいるので仕方ないですね。
■仮面(めん)
■柳原堤の女
■むらさき鯉
■三つの声
■十五夜御用心
■金の蝋燭
■ズウフラ怪談
■大阪屋花鳥
■正雪の絵馬
■大森の鶏
■妖狐伝
■解説 石沢英太郎
収録されているのは11篇… 相変わらず、どの作品も面白くて、読んでいてワクワクして、どんどん次の作品を読みたくなる魅力がありましたね、、、
傾向としては、狐や天狗等の化け物が出るという噂から始まる怪奇譚っぽい展開から、実際には人間の仕業だった… という展開が多かったような印象ですね。
江戸の風物や町並みが頭の中に再現され、そこで発生した数々の難事件・珍事件が愉しめます… これが凄い! って強烈な印象の残る作品があるわけじゃないのですが、飽きずに愉しめるシリーズです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1巻目からそうなのだが、江戸時代の和暦にわざわざ西暦の注釈を入れないのがとても良い。解説でも触れているが、各短編の順番は時系列ではない。だからと言って、このシリーズを読むに何ら差支えがないことがすごい。「大阪屋花鳥」のお店乗っ取り事件が大仕掛けで良かった。「妖狐伝」は、黒船が来航した幕末らしい話だった。
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半七捕物帳再読。半七には何度でも戻ってくる
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「仮面」から「妖狐伝」まで11編収録。ズウフラとは結局なんなのか。2m弱の伝声管みたいなもの?個人で何に使うの?ごはんできたよーとか?と気になって全然集中できなかった。半七老人の「ここまでお話をすれば、もう大抵はおわかりでしょう」はある意味、読者への挑戦状であることにここまで読んできてやおら気付く。
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収録されているのは、「仮面(めん)」「柳原堤の女」「むらさき鯉」「三つの声」「十五夜御用心」「金の蠟燭」「ズウフラ怪談」「大阪屋花鳥」「小雪の絵馬」「大森の鶏」「妖狐伝」。
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TVや映画で見るより想像が膨らむのが書籍のよさ、と思う。とはいえ、映像もみたくなる本です。
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江戸時代に岡っ引だった半七が話し、筆者がそれを書き留めるといった設定はずっと引き継がれているが、読むものを飽きさせない軽快なリズムや細やかな情景描写。この間では比較的長めの短編が収められており、ついつい引き込まれる。
黒船が到来し、舶来のものや外人が日本に少しずつ入ってくる時代の話も多い。見慣れないものや人は、ときに怪談のネタにさえなる。
閉鎖されていたところで住んでいた人々が、新しいものに出会う過程で驚いたり、あるいはしたたかにそれを利用して金儲けをしたりする、そんな人々の姿をみることができる。
科学捜査のできないこの頃には、容疑者を脅したり叩いたりという荒っぽい方法が多々使われており、半七もときにそのような方法を使用するものの、半七の人情溢れる人柄が、むしろ読後感を心温かなものにさえするのである。