神聖喜劇 (第3巻) (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 135
レビュー : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (544ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334733766

作品紹介・あらすじ

「私の内面には、瞹昧な不安が、だんだん増大しつつ定着していた。早晩必ず何事か異変が起こるにちがいない」。誰かスパイのような"告げ口屋"がいる-東堂太郎の抱く漠たる不安が内務班全体にも広がり始めた。丁度その頃、ついに"大事"が発生。続いて始まった"犯人探し"は、不寝番三番立ち勤務の四名に限られた。その渦中に登場する冬木二等兵の謎めいた前身…。

感想・レビュー・書評

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  • 金玉規定と普通名詞論争。なんじゃそら

  • 2月中旬

  • 大船越への遠出における「ぼたもち事件」と雑誌買い。「厳原閥」への嫌悪感と比例して、素朴だが根の真っ直ぐな新兵たちへの仲間意識を育てていく東堂。だが冬木は「大根の菜軍事機密問題」以降、むしろ東堂との接触を避けている節がある。そこに持ち上がる剣鞘すり替え事件で、冬木に嫌疑がかけられているらしいことが明らかになる。
    感想は最終巻で。

  • 社会階層、ひいては社会構造を見る眼差し、職業についての考え方、同年兵や上級者との人間関係が描かれ、これまでの2冊とはまた違う読み応えがあった。どうなるのだろうか?

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/433473376X
    ── 大西 巨人《神聖喜劇〈第3巻〉20020910 光文社文庫》
     

  • 神聖喜劇は推理小説だったのか!と胎動どよめく第三巻。止まらぬ面白さ。引用は益々難解で殆ど読み解けぬが、このねちっこさがなければ物足りないほどに観念している。保坂和志の解説通り「死者の言葉」として響き震えて聞こえてくるから不思議だ。(読後に解説を読んで得心したのだが)。そしてこの巻では人間の内包する差別意識を露わにする。無意識による差別意識の根深さは人間の業か。人間の限界を意識せざるをえない。我が身を省みる。かなり知的で難しい思索をサスペンスに仕掛けて読ませてしまう手腕に脱帽。名探偵東堂二等兵の活躍いかに!

  • 徐々に雲行きが怪しくなってきた。冬木の過去、大前田の謎の行為、軍隊の不条理に抗う東堂の運命……続刊の展開が楽しみ。

  • 引用されている文章、短歌、漢詩など西洋、東洋問わず幅広い。
    作者の教養に感嘆せざるを得ない。
    引用文はいずれも難解だが続編も読まずにはいられない。

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プロフィール

作家(1916年8月20日~2014年3月12日)。福岡県生まれ。九州帝国法文学部政治学科中退。新聞社勤務の後、1941年12月召集され、以後敗戦まで対馬で兵営生活を送る。敗戦後、福岡で発刊された『文化展望』の編集に携わる傍ら、文筆活動を開始する。46年新日本文学会に入会、以後『近代文学』や記録芸術の会など、さまざまな文学芸術運動に関わる。48年日本共産党に入党、61年以降は関わりがなくなるが、コミュニストとしての立場は生涯変わらなかった。公正・平等な社会の実現を希求し、論理性と律動性とを兼ね備えた文章によって個人の当為を形象化する試みを続けた。1955年から25年の歳月を費やして完成した『神聖喜劇』は、軍隊を日本社会の縮図ととらえ、主人公の青年東堂太郎の精神遍歴の検証を通じて絶望的な状況の中での現実変革の可能性を探った大作で、高い評価を受けている。ほかの小説に『精神の氷点』(1948年)、『天路の奈落』(1984年)、『三位一体の神話』(1992年)、『深淵』(2004年)、批評集に『大西巨人文藝論叢』(立風書房、全2巻)、『大西巨人文選』(みすず書房、全4巻)など。

「2017年 『歴史の総合者として』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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