- Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334753269
感想・レビュー・書評
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フランス革命前夜の英仏を舞台とした物語。貴族とその他の人々の貧富の差が凄まじい。長い幽閉生活で、二重人格に陥った医師の苦悩も痛ましい。このあとどう展開するのか楽しみ。2024.4.23
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大好きな作品の一つなので手に取ってみた。古典新訳シリーズということだが、個人的にこの訳は好みではなかった。古い訳(私の好きなのは新潮文庫版)の方が描写や表現、言葉選びなどが、純粋に分かりやすく、また情緒表現も細やかで胸に迫るものがあったように思う。ストーリーを知っている人なら読めるかな。
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1859年に書かれた小説。けっこう話の展開は速いのですが、この古典翻訳文庫にしては古めかしい訳文で読み易いとは言いにくい、と思うのは私だけか?格調高い文章はディケンズの原文をうまく著しているのかもしれません。主要人物はダーネイとカートン(二人は歳格好がほぼ似ている)とルーシー父子。上巻はルーシーが生き別れの父と再会し、ダーネイが裁判で無罪となり、ルーシーとダーネイが結婚するまで。フランス革命の足音がどんどん近づいてくる時代背景です。フランス人、こわい!!
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18世紀末のロンドン・パリを舞台にした、世界中で読み継がれている傑作であるが、個人的にはそこまで良いとは思えなかった。なぜならば、各人の行動原理がどうにも理解できなかったからである。とくに理解不能なのは名もなき民衆たちで、もちろんフランス革命の熱に浮かされていて正気ではいられないという理窟はわかるのだが、どうにも胸にストンと落ちない。しかも、その民衆が随所に登場して、時には重要な役割さえ果たしている。そのような調子ゆえ、物語じたいも素直には吞み込めず、読み進めることにだいぶ難儀した。また、物語の展開じたいにも理解しがたい部分があって、最終盤のミス・プロスが誤ってマダム・ドファルジュを殺してしまう場面などは、はたして本当に必要であったのかと考え込んでしまう。逆にいえば、フランス革命の狂躁を的確に描いているからこそのある種の「異常」性をうまく表現できているともいえるが、個人の印象としてはやはりそこまでの高い評価はできなかった。
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ひたすら伏線を撒いて後半恋愛話に持ってっておわり...
そんな感じ -
訳は結構難しい。最初の数十ページはだいぶしんどかった。文章のつくり自体はそれほど問題ないのだが、単語の選び方が古めかしく、普段使いしないような単語が積極的に使われている。私は読みながら何度も意味を検索しなければならなかった。が、下巻まで読み終えたいまとなっては、フランス革命という歴史的事実を背景にしたこの作品において、格調を重視したのは相応に理解できるという思いに至った。下巻は物語が細かく動くので上巻よりだいぶ読みやすいかと。