ココロ・ファインダ (光文社文庫 あ 57-1)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334767969

感想・レビュー・書評

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  • 高校の写真部に在籍する四人の日常の葛藤。可愛い友人と服を選ぶことに複雑なミラ、自分でもわからない似合う服を教えて欲しいような押し付けないで欲しいような面倒さの秋穂、孤高で才能もあるけれど遊びじゃないと認めて欲しくてくずおれそうなシズ。ハブっていた過去が終盤で反転するカオリの話は印象も反転した。

  • カメラを軸に据えた短編集、心温まる話が丁寧に描かれている印象。ミステリとして売り出された作品ではないが、物語の流れの中でうまく謎が組み込まれており、十分に楽しめるものになっている。また作者の特徴でもあるが、作品が進むにつれて仕掛けが大きなものとなっていくのがとても面白い。どの短編も涙滲んだが、ラストのペンタプリズム・コントラストでは我慢が出来なかった。p217~p218が堪らない。いくつか気になる部分もあったが、素晴らしい作品である。

  • これまで読んだ同作者の作品で一番好きかも。高校の写真部の少女四人、皆それぞれ異なるフィルタをかけて他人を見ている。可愛らしくてうらやましいと思うあの人がただ幸せとは限らないし、天才に見えるあの人が悩んでいないわけじゃない。それぞれが悩み成長し、関係性を築いていく。謎解き要素もスパイスとしてよい匙加減。

  • 2018年24冊目。等身大の高校生が丁寧に描かれている。それぞれに抱えているものがあって、どうにもならない思いを彼女達はカメラの向こうに求める。カメラの向こうにあるのは、理想の自分だったり、見たくもない現実だったりするけれど、カメラを通して世界を見ることで、それまで見えなかったものが見えることもあるのだと、はっきり思わせてくれる。

  • 2017/12/9
    高校の写真部に所属する

  • 写真部に所属する女子高生たちを描いた物語。
    この作品から感じる空気を適切に表す語彙を持たないのだけれど、ありきたりな表現を使うと透明感がとても魅力的でした。よくこんな作品を男性が書けるものだと感心します。
    全く話が変わりますが、写真が上手に撮れるっていいなと最近つくづく思います。

  • ≪『現像液に浸されて,浮かび上がってくる未来の景色は,どんな色?』(本文より)≫

    4人の少女,ミラ・カオリ・秋穂・シズ.
    それぞれがそれぞれに抱く悩みや葛藤,そして謎.
    カメラが,写真が写すのは過去?現在?
    それとも,未来?

    坂木司さんの解説も素晴らしい.

  • ”カメラ”という媒体を介して、女子高生の姿を浮き上がらせる。大部分を一人称で語っているので、嫌でも感情移入する。なかなかでした。

  • 2015年11月30日読了。
    2015年209冊目。

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著者プロフィール

1983年埼玉県生まれ。2009年『午前零時のサンドリヨン』で第19回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。繊細な筆致で、登場人物たちの心情を描き、ミステリ、青春小説、ライトノベルなど、ジャンルをまたいだ活躍を見せている。『小説の神様』(講談社タイガ)は、読書家たちの心を震わせる青春小説として絶大な支持を受け、実写映画化された。本作で第20回本格ミステリ大賞受賞、「このミステリーがすごい!」2020年版国内編第1位、「本格ミステリ・ベスト10」2020年版国内ランキング第1位、「2019年ベストブック」(Apple Books)2019ベストミステリー、2019年「SRの会ミステリーベスト10」第1位、の5冠を獲得。さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補となった。本作の続編となる『invert 城塚翡翠倒叙集』(講談社)も発売中。

「2022年 『medium 霊媒探偵城塚翡翠(1)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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