なごりの月: 日本橋牡丹堂 菓子ばなし(二) (光文社文庫 な 43-3 光文社時代小説文庫 日本橋牡丹堂菓子ばなし)
- 光文社 (2018年1月11日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334775940
感想・レビュー・書評
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2018年1月光文社時代小説文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。初春祝い菓子は桃きんとん、陽春白吹雪饅頭の風雲児、初夏かすていらに心揺れ、盛夏決戦 ! 涼菓対決、の4つの連作短編。1話目の小萩が、なかなか江戸に戻らないので、やきもきした。牡丹堂での菓子修業に戻ったストーリーがやはり面白くて、楽しい。伊佐に対する小萩の様子を見ていると、まだ、幼いんだと思ってしまう。
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文章がやわらかくて優しい。読んでいてほっとした気持ちになるシリーズです。
新たな御菓子屋さんの落ち着いた美少女お文お嬢さんと伊佐の関係に小萩がヤキモキしたり、かつての奉公人がライバルとなって登場など盛り沢山の巻でした。
日本橋に戻る前に鎌倉で小萩の姉の婚礼がありました。
幼馴染の言葉は自分だったら水に流せることではないと思うのですが小萩は許すのですね。
小萩は度量が広い。
許せる人の方が人生豊かだとも思うし彼女は生き方上手なのかもしれません。
姉の婚礼が無事終わり小萩は菓子職人修業の為に日本橋へ戻って来られました。
本格的に厨房に入る修行ではなく家事を担ったり店先で販売を手伝ったりする合間にお菓子作りに参加する感じの修業のようです。
菓子修行だけに打ち込める男性と違い家事や細々とした日常を支えるアレコレを担わなければならない女性の立場が現代に通じることを考えてしまうともやっとしますが、明るく健気な小萩お嬢さんに癒される気持ちになります。
この巻でも御菓子対決があるのですが毎巻恒例になるのかな。個人的にはそれはイヤかも。対決はこの巻で終わりだといいな。
新たに登場した月下美人と称される地味美少女のお文お嬢さんがなんとも魅力的な娘さんでレギュラー化してくれるとうれしいです。
(適齢期の家業があり奉公にもでる必要のない家のお嬢さんが職人修業の道を選べる理由がふんわりなし崩し的(現代的?)なのですがそこはツッコミを入れてはいけないのだと思う。) -
日本橋牡丹堂シリーズ第二弾。もっと菓子作りを学びたい!と、
小萩は江戸へ。そこでは新たな事件が待っていた。
・初春 祝い菓子は栗きんとん・・・帰った実家では姉の婚礼の準備。
小萩にも結婚の話が。菓子作りの修業はどうなるのか?
・陽春 白風吹饅頭の風雲児・・・かつて牡丹堂で修業していた男。
彼の作った菓子が評判に。人の一生に寄り添う菓子屋とは。
・初夏 かすていらに心揺れ・・・世話になった千草屋の頼みで、
伊佐が手伝いに。心揺らぐのは小萩だけでなく・・・。
・盛夏 決戦!涼菓対決・・・牡丹堂と鷹一の見世の菓子対決。
それに潜む謀とは?徹次の想い、鷹一の想いも。
嫁ぐ姉のために祝い菓子を作った小萩は、決心を新たに江戸へ。
牡丹堂の面々に迎えられ働き出すが、そこへ現れた一人の男。
かつて見世で修業していた鷹一は、屋台で菓子を売り出した。
その菓子が騒動を引き起こす。それは牡丹堂の人々にも影響を。
和菓子の描写はなかなかなもので、美味しそう。
和菓子作りも生き生きと描かれています。
だけど、主人公の小萩が中途半端で、菓子の絵の考案は良いけど、
初春以外では菓子作りの場面が出てこないうえ、他人の事と
恋?で頭がいっぱいな感じで・・・何しに見世に戻ったのかしら? -
中島久枝 著「なごりの月」、日本橋牡丹堂菓子ばなしシリーズ№2、2018.1発行。小萩は日本橋牡丹堂で1年菓子作りの修業をし、暮れに鎌倉で旅籠をしている実家に帰ります。姉のお鶴の結婚を祝ったのち再び日本橋に。職人伊佐との仲が進んでいくのかどうか・・・。初春:祝い菓子桃きんとん、陽春:白吹雪饅頭の風雲児、初夏:かすていら、盛夏:菓子の兄弟対決 の4話。
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生まれ故郷の村で姉の祝い菓子をつくった小萩。自分も同じように嫁に行くべきなのか?最初の話は面白かったけど、その後の話は特に小萩がいなくても、という感じでいまいちだった。
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奥ゆかしいけど、じれった過ぎる。
和菓子食べたくなる。高級な、綺麗な、季節の和菓子を。 -
202112/シリーズ全8巻まとめて。江戸の菓子屋が舞台というのも好みだし、読みやすく面白かった。主人公が、菓子に見せられ鎌倉で旅籠を営む実家を飛び出してきたわりには、菓子への情熱や職人としてのひたむきさがあまり感じられないのでそこは残念。でも職人らしい気難しさもありながら気のいい菓子屋の面々や、我が道をいく呉服屋の女将お景など、周囲の人々の描写も魅力的で、楽しく読めた。
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面白くなってきた!!
日本橋に戻ってきたねー! -
でも、これはこれでいい。楽しい。