ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 6985
感想 : 444
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334776961

感想・レビュー・書評

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  • 母娘を描いた短編集。

    湊さんの作品は、なんか気持ちが暗くなってしまうことや、読後スッキリできないので、好んでは読みませんが、でもこの物語のような出来事は真実なんだろうなー。と思わされる物語でした。

    自分も結婚するまでは、母との葛藤が色々とあったと思うし、結婚したらそこからは、逃げれるのかなー?と考えたこともあったことを懐かしく思いました。
    ただし、人が死んだりするほどに大袈裟には事は運びませんでしが…

    同じ物事でも母や母親の友達から見える景色と、娘から見える景色は、全然違うんだなー。と、改めて認識させられました。

  • さすが湊かなえさんの本って感じでした。
    女性をがメインなことがやはり多いですが母と子の描きかたはリアルに表現されていてあーこんな親いるなこんな子供いるなって感じてみてて自分と重ねてしまうこともあり少し怖いくらいでした

  • 自分の言動が相手にどう捉えられるかがわからないからすごく怖い。人間は主観的な生きものだし、自分に都合よく考えがちだし、良かれと思ってしたことがかえって迷惑と思われることもある。本心は相手に聞いてみないと分からないし、相手に嘘の本心を伝えられたらもうどうしようもない。本心を伝えたところで届かない場合もある。考えれば考えるほど身動きが取れなくなる。相性もあるから仕方がないと割り切れるほどまだ強くなれていない。周りの反応を気にしてしまうし、好かれたいと思ってしまう。自分のありのまま肯定してくれる、好かれたい人だけに好かれればそれでいい。

  • 母と娘、姉妹、友人など、対になる関係の中でも、見えているものはそれぞれの解釈。同じ事実も捉えから次第で真実は2つになる。人間って都合のいい解釈しかできない。

  • 気分が落ちてしまいそうだ。
    本当のことは誰にもわからないし伝わらない。何が正しいのかわからない。何かを正しいとしなければならないのかもわからない。

  • 久々にイヤミスを読みたくなり、早速読んでみた。
    それぞれの視点から見てみると、同じ話が全然違う話を読んでいるかのようなゾッとした気持ちになった。
    読み進めて最後のページをめくり、後味悪いな〜と思いながら冒頭を読み返してみたり。
    個人的には、「ベストフレンド」が面白かった!

  • 一度読んだことあったけど、久しぶりに読むとやっぱ印象違う。自分が色んな視点を持ったからだろう。
    最後の話かなりすき。

  • 視点が変わると悪者も変わるし感じ方も変わるという当たり前のことに気がつくと面白かった。

    特に最後のポイズンドーターとホーリーマザーを読み、毒親について考えさせられた。小さい頃を思い出すと親というのは絶対的で何もかも知っていると信じていた。しかし、親だって完璧なわけでは無い。親として人として欠けている部分だってある。辛気臭いことを言うとそれを補い合ってみんな生きている。
    そんなことを思いながら読むと弓香は反抗期の延長戦で、親は完璧じゃなきゃいけないと思い込み続けたのかなと。ただ愛情深かっただけなのに。

  •  表題作2編含む6編収録の短編集。表題作の2編のみ連作の形をとっている。
     物事は見方が変わると、大きく異なる展開になることが実感できる。親切だと思ってやっていたことがただのはた迷惑な行動だったり、毒親だと叫んでいた娘が母側からすると毒娘に映っていたりと、そういった微妙な関係をそれぞれの立場から描いた作品集。
     人の行動の裏に隠された事実が明るみになった時の衝撃は、なかなかの読後感と不快感を両方味わうことができる。イヤミスだけれど、思わず納得してしまうちょっと不思議な感覚が伴う。

  • 人間は自分の見たいように人を解釈するし、自分の都合のいいように記憶を書きかえる。人と人が関係をつくるのはとても難しいし、それは親子だって同じことなんだなと思った。

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著者プロフィール

1973年広島県生まれ。2007年『聖職者』で「小説推理新人賞」を受賞。翌年、同作を収録した『告白』でデビューする。2012年『望郷、海の星』(『望郷』に収録)で、「日本推理作家協会賞」短編部門を受賞する。主な著書は、『ユートピア』『贖罪』『Nのために』『母性』『落日』『カケラ』等。23年、デビュー15周年書き下ろし作『人間標本』を発表する。

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