ひとんち 澤村伊智短編集 (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334793050

感想・レビュー・書評

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  • 普段ありがちな感じの話やけど、それが…それやからこそ怖い…
    って感じのホラー集。
    「キャー怖い〜!」って感じではなく、      

     ゾワゾワ…
     ゾッ〜…
     えっ…

    みたいな心に滲み入る(表現し難い…)みたいな恐怖感。
    こういうの読むと、夜道が怖いとかやなくて、何かの拍子にふと思い出す…

    で、
     ゾワゾワ〜…
    みたいな。

    深層心理に響くような作品。
    こういうヤツは、一生残りそうで嫌やな…
    忘れてるようで、忘れられない…
    人の頭の裏側に焼き付けやがる(^_^;)

  • 澤村さんの作品はやっぱり短編がいいですね!

    と言ってもまだ長編は読んだことがありませんが…w

    本作は全8編
    『夢の行き先』『宮本くんの手』が良かったですが、一番は表題作の『ひとんち』かな

    家の習慣って結構違いますよね
    例えば食事もそうですが、その家独自のルールだとか、その家でしか通用しない呼び方があったりしますよね…

    ちなみに我が家では、「お茶漬け」のことを「ちゃま」と言います
    (奥さんと子どもたちだけで私は言いませんがw)
    上の子が小さい頃、上手くお茶漬けと言えずに「ちゃま」と言っていたのが今に続いているみたいですw

    家庭内ではこの呼び方でも別にいいですが、子どもたちが、もし人前で「ちゃま、美味しいよね〜」なんて言ったらポカーンとして笑われるのではないのかと心配しております^^;

    そんな我が家の「ちゃま」の話はさておき、「ワンちゃん」と聞くとみなさんはアレを思い浮かべますよね^_^
    毛が生えて尻尾があって、ワンワンと鳴く動物を
    ブク友さんでも飼ってる人は多いのでは

    けど、他人の家とは何かがズレている「ひとんち」ではワンちゃんと言えば・・・

    ひゃあああああぁぁぁぁぁぁー!
    恐ろしいっ!((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

    • かなさん
      1Q84O1さん、おはようございます!
      お茶漬けが「ちゃま」なんて、可愛い(*´▽`*)
      なんか、ほんわかしていて、いい感じ!
      ステキ...
      1Q84O1さん、おはようございます!
      お茶漬けが「ちゃま」なんて、可愛い(*´▽`*)
      なんか、ほんわかしていて、いい感じ!
      ステキな家族ですねぇ~♡
      2023/11/03
    • 1Q84O1さん
      かなさん、こんにちは!
      いつまで経っても「ちゃま」ですよ┐(´д`)┌ヤレヤレ
      その度に、これはお茶漬けですって訂正してますw
      かなさん、こんにちは!
      いつまで経っても「ちゃま」ですよ┐(´д`)┌ヤレヤレ
      その度に、これはお茶漬けですって訂正してますw
      2023/11/03
    • 1Q84O1さん
      ほん3さん、おはようございます!
      澤村さんの短編は安定の面白さですね^_^
      で、たーたんもかわいいですね〜(*´ω`*)
      ほん3さん、おはようございます!
      澤村さんの短編は安定の面白さですね^_^
      で、たーたんもかわいいですね〜(*´ω`*)
      2023/11/04
  • 【収録作品】ひとんち/夢の行き先/闇の花園/ありふれた映像/宮本くんの手/シュマシラ/死神/じぶんち
     理で解決されないので、ホラーは怖い。地続きのところに異世界が口を開けている感じがして、ほんとうに怖い。

  • 平凡な風景が一瞬で変わるというホラーは少ないですよね。

    まさにその世界を味わいました。

    澤村さんは短編の方が好きかもしれないです。

    怖ったです((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

  • 『光のとこにいてね』と並行して何故これを読んでいたのか自分でも謎ですが、澤村さんワールドの闇の力が働いていたのでしょうか?

    短編集なのでそれぞれのお話ごとに簡単に感想を。
    ***********************
    【ひとんち】
    勉強中の合間の小休止に読んだのですが、全然休憩になりませんでした。怖すぎます。
    途中から嫌な予感はしていたのですが、最後の最後でいやぁああ!と本を勢い良くクローズ。『オーディション』という映画を思い出し、更に傷が広がりました。

    【夢の行き先】
    昔、友達と百物語をして遊んだ事を思い出しました。夢を扱ったホラーはやはり多いですが、これは新しい切り口で、どうなるんだろう?!とハラハラすると同時にどこか懐かしい気持ちになりました。

    【闇の花園】
    冒頭から突然に中二病のような語りが始まり、「賢しらな神の枷」とか言い出すのにどうした?!と困惑していたら少女虐待疑惑の話になり、また中二病が発症し、あれ?実はそういう事?なんだー…って、えぇ?!そっちかよ?!!と、最後は笑ってしまいました。ホラーと笑いは紙一重な所が堪らない。

    【ありふれた映像】
    着眼点が凄い。店内で流しっぱなしにしている独自の販促ムービーって確かにあまりちゃんと観ていないですよね。今後、ヨドバシ等の巨大モニターに何か映っていないか凝視してしまいそう。真実を考察してしまう終わりも良かったです。

    【宮本くんの手】
    有り得ないんだけれど無いとも言い切れない不思議な現象。実際にこういう事があってもおかしくないなと思わせる説得力。不思議な話で面白く読んでいましたら、最後でメガトンパンチ喰らいました。ゾッとします。

    【シュマシラ】
    絶対に行きたくない動物園NO.1。

    【死神】
    不幸のメール、呪いの着信、呪いのビデオ(貞子さんのおうち)。使い古された題材なのに、まだこんなにも怖く出来る澤村さんの力量に感動。終わりも、この手のものに期待される嫌な終わりで最高でした。

    【じぶんち】
    絶対に帰りたくない家NO.1。

    ***********************
    多種多様なホラー作品を一度に読めて非常にお得感満載の本でした!
    お勧めは断然【ひとんち】です。(結局これ)

  • 本当に怖いものは、人間である。という仮説を見事に覆された一冊。

    何気なく過ごしている日常が、ほんの少し傾いただけで、これほどまでの恐怖を感じることとなるとは。
    「ゾッとする」短編集。これが短編集でよかったほど、怖い数々の話。
    中でも特に気になった作品を。

    「ひとんち」
    「人は人、うちはうち」という言葉があるが、そうした言葉で収まりきらないスケールの恐怖を、「ひとんち」という、たった4文字で表してしまう秀逸さ。多様性とはいうけれど、こんなマイノリティは、きっと許されるわけがない。しかし、当人たちは、それが普通だと思っている。そこが恐ろしかった。

    「夢の行き先」
    タイトルからキラキラしたものを思い浮かべたら、それは大きな間違いで、夢は「良い夢」ばかりでない。
    何日も同じ悪夢にうなされる主人公は、自分と同じ夢を見ていたという、クラスメートがいることに気づいた。やがてそれはクラス全体を巻き込む、恐怖へと繋がっていく。夢の内容は、日記にしたり、話してはいけないのかもしれない。

    「じぶんち」
    旅行に出かけたり、仕事で長期間帰らずにいた家に戻ったときに感じるなんとなくの違和感。そうした不気味さはすぐに解消されるものだけど、それが増幅されていくのがこの短編。帰った家は、本当に「自分の家」かが不安になる。自分の家は、恐怖からの最後の逃げ場のように思えるが、そこからすらも逃してくれない。

  • 澤村伊智さんの作品、短編は読みやすいです。
    ホラーですがそこまで怖くはないかなと。
    それぞれテイストが異なり、そうくるか、という
    面白さはあるかなと思います。

  • 澤村伊智さんプチバズり中。アンソロジーで読んだ短編が面白かったのもあって、こちらも期待大で読む。この人の上手いところは、怪異の正体が判明するまでわけがわからず翻弄される部分だと思う。そういう意味で、サクッとダイレクトに恐怖が突き刺さる短編の方が面白いのではと勝手に判断する。

    「ひとんち」
    自分の家庭では普通でも他所から見ると異常なことだったという話。オチも効いてる。
    「夢の行き先」
    同じ悪夢を続けて見るなんて状況、大人でも十分怖い。しかもそれがダブルで襲いかかってきたら……
    「闇の花園」
    クラスに馴染めないゴスロリ少女沙汰菜を心配する熱血教師吉富。予想もつかないホラー展開に驚き。
    「ありふれた映像」
    すごく怖いというか、厭な感じ。日常に何気なく流れている販促映像の中にまぎれる異様なものも、それを作ったらしき河村だか河井だかいう男のことも。
    「宮本くんの手」
    澤村さんっぽい主人公は同僚の宮本くんの酷い手荒れが気になっていたが、大震災が起こった日に様子が一変し……。気にすることないのにというのは人ごとだから言えることかも。
    「シュマシラ」
    シュマシラという幻獣を求めて、姿を消した趣味仲間の行方を探す主人公と友人がたどり着いた真実とは。
    「死神」
    これもいい感じに不気味。最初に〈不幸の手紙〉を布石として語り、一見関係ない話が始まったと思ったらじつは……という気味の悪さ。語り手の香川って短編『涸れ井戸の声』の主人公だよね(これも怖かった!)。
    「じぶんち」
    子供の頃、家族がいない家に帰ってきた時の誰にも身に覚えがある不安感がよく描かれている。このあとトンデモ展開になっていくのだが、説明的に書かないことによってかえっていろいろ想像させる。ウルトラQとか円谷英二の世界に出てきそう。

  • 寝る前に読んでたのもあって、夢の行き先が1番怖かった
    恐怖を直接的な霊ではなく、人間の内面から生まれてくる感情で描いてる感じがした。
    日常的というか、内面的表現による恐怖

  • 出張先で読了。サクサク読める短編ばかりな上に同じような話もなく、どれもこれも面白不気味の充実作。本のタイトルにもなってる1話目の「ひとんち」は徐々に不穏が増していき、気持ち悪くて一番良かったかもしれない。ラストの「じぶんち」はまた違ったテイストで不意を突かれた。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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