京都文学小景 (光文社文庫)

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334793074

感想・レビュー・書評

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  • 京都市街を舞台にしたアンソロジー。
    尹東柱の話と雑誌「土曜日」にまつわる話が印象に残った。どちらも言論が治安維持に関わるからと制限された時代の話。
    心の中までは侵害されない…ここまで書いて、過去の話ではなく、現在進行形の現象と重ね合わされてしまうことが悲しい。

  • 京都、出町柳、百万遍付近に住んでいたのに、同志社大学とゆかりのある尹東柱、川端康成の『古都』と祇園祭の「七度まいり」、中原中也とスペイン窓、幸神社、フランソア喫茶室と新聞『土曜日』のエピソードは全然知らなかったので、大変勉強になった。

  • フィクションなのであるが、まるで実際にあったことのように感じた。京都という街には今も昔も特別な空気が流れる。ということをうまく表現している。どれもよかった。

  • 所謂「ジャケ買い」だったが、それを詫びたくなる作品だった。

    「東柱と東柱」
    1番良かった。史実と創作のバランスが絶妙な塩梅。
    何とも言えない読後感。

    「京都が愛した姉妹」
    都合良すぎる展開にやや閉口。前編が良かっただけに少し残念。

    「スペイン窓の少女」
    切ない展開だが、オチはちょっと纏まり過ぎな気がする。
    もう少し距離を置いた関係でも良かったのでは。

    「「土曜日」のフランソア喫茶店」
    一番スリリングな展開で一番ミステリー風味。
    ややアクロバッチックな仕掛けだが、すがすがしい読後感。


    装丁も含め素晴らしい1冊。

  • 同じ名前を持つふたりの青年と少女
    産まれてすぐに生き別れとなったふたごの姉妹
    孤独な少年と近所の「おねえさん」
    戦争中の大部屋女優と俳優

    京都を舞台に
    すれ違いながらも時を超えて結びつく思いと出会いを描いた4作

    ミステリというより人情寄りか

  • なかなか良かった

  • 京都を舞台に、文学をテーマにした4編の短編集。有名どころでは、川端康成「雪国」、中原中也。中也が一時住んだ、「スペイン風の窓」と呼んだ窓がある大正時代の家が、今でも京都に残っているらしい。その昔、京都で学生時代を過ごしたが、当時、その家のことは、全然知らなかった。そして、戦時中に同志社大学で学んだという韓国人の詩人、尹東柱(ユンドンジュ)、文学ではないが、戦前の京都で発行されていたという反ファシズム紙「土曜日」のことは、今回初めて知った。昭和初期からあるというフランソワ喫茶室には、今度、是非行ってみたい。


  • 京都
    大好きな京都が舞台になっている
    しかし
    普段手に取らぬミステリ系小説

    それでも
    文学×京都
    なんと素晴らしい組み合わせ
    思わず手が伸びる


    昔と今と
    不思議な巡り合わせ
    繋がる事実

    がっつりミステリでないところが
    またゆるっと読みやすかった

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