シャルロットの憂鬱

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  • 光文社
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334911270

感想・レビュー・書評

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  • シャルロットは雌のジャーマンシェパード。警察犬を早く引退し、四歳で池上家にやってきた。はじめて犬と暮らす夫妻にも、散歩などをきっかけに犬同士、飼い主同士のゆるやかな連帯も生まれてくるが、なかには不穏な事件を持ち込む者もいて──。

  • 挿絵イラストがとても良い。何処かで見たことが気もするイラスなのだけれどいいものはいい。

    あ、いや本の内容も大変におもしろいです。あの『サクリファイス』のコンドーさんがこんな動物ペット犬の物語も書くのか!とびっくりする面白さです。

    コンドーさん、毎度のことながこれも結構なお点前でした。(^^)

  • 日常の謎×犬


    シャルロットは警察犬を引退し、4歳で池上家にやってきたジャーマンシェパードの女の子。
    飼い主は子供を望んではいるものの、まだ授かってはいない共働きの夫婦。

    元警察犬だけあって、賢く聞き分けのいいシャルロットだけど、賢いぶんズルだってすぐに覚える。

    そんな犬飼い夫婦のあるあるが面白かった。

    犬を飼うと知人が増える。
    でも、犬の名前しか知らないこと。

    犬と暮らすとうかつに落ち込んだり、怒ったりできないこと。

    そして、問題はいつも人間の側にあること。





    私も犬と暮らしている。
    彼が来て、今まで目を背けてきたペットたちの現実を知った。
    そして、犬が出てくるテレビ、本、映画を観れなくなった。テレビで、とりわけ子犬の可愛さだけを取り上げているのは苦しいし、物語の中で犬はだいたいかわいそうな目にあっているから。

    この本は、そういう類のものではないと知ったので安心して読めた。というか、だから読んだ。


    時にゾワリとする事件もあるけれど、シャルロットがそこにいてくれるから最後にはホッとできた。

    シャルロットが幸せに暮らしてくれていることが嬉しい。
    この国の犬がみんなこうなる日がきますように。

  • 個々の短編で描かれる事件はニュースでもよく聞かれるものばかりだが、警察犬を引退したシャルロットがかもす雰囲気にほだされる。

  • 犬好きにはたまらない!
    かわいい!文字から浮かび上がるシャルロットがかわいくてたまらない!
    本を閉じる度に、うちの愛犬をぎゅっと抱き締めたい衝動に駆られました。

    そうなんです。何を盗まれたってかまわない。この子さえ無事なら。

    そうなんです。あなたが喋れたら、何が起こったかわかるのに。

    そうなんです。旅行に行けない、気軽に外食は出来ない、帰りは遅くなれない。行動が大きく制限されるのにちっとも不自由とは感じない。ワンちゃん抜きで出かけたって以前ほど楽しくない。

    そうなんです。犬は不思議。力も攻撃力も人間よりずっと勝っている大型犬でも、飼い主に叱られるとしょんぼりする。

    ほんとに、愛犬家にとっては「そうなの!」で、溺れそうなくらいシンパシーに溢れた本でした。

  • 若くして引退した警察犬と子どものいない夫婦の話。小さな謎解きの短編集。
    まぁ楽し。 2016.11.8

  • 怪我をして警察犬を引退したシャルロット。
    真澄と浩輔と3人家族。

    3人のまわりには小さな事件が多いw
    だいたいは日常の、ほのぼのほっこりな感じ。
    1つだけかなり怖いのがあったけど。

    心を病んじゃうのって、やっぱり怖いわ。
    思ってることを口に出して言えない人が病んじゃうのかな。
    ちゃんと自分の口で相手に伝えないとダメよね。
    あ、でもそれでコワいことになっちゃう場合もあるしね。
    やっぱり信頼関係がないとダメよね。
    知ってる人と知らない人、ちゃんと対応を分けないとね。

    シャルロットのしぐさや表情が目に浮かぶようで、すっかりメロメロな私w
    白根ゆたんぽさんの装画もgood♪
    またいつか、シャルロットに会えるといいな~♡

  • 2016/10/31読了

  • 別に「憂鬱」じゃないと思った。
    ワンちゃんLOVEなお話です!

  • ジャーマンシェパードのシャルロットの、表情のいちいちがかわいいなぁ・・・。
    と、想像できる。

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著者プロフィール

1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。1993年『凍える島』で「鮎川哲也賞」を受賞し、デビュー。2008年『サクリファイス』で、「大藪春彦賞」を受賞。「ビストロ・パ・マル」シリーズをはじめ、『おはようおかえり』『たまごの旅人』『夜の向こうの蛹たち』『ときどき旅に出るカフェ』『スーツケースの半分は』『岩窟姫』『三つの名を持つ犬』『ホテル・カイザリン』等、多数発表する。

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