潮首岬(しおくびみさき)に郭公(かっこう)の鳴く

著者 :
  • 光文社
3.19
  • (5)
  • (20)
  • (34)
  • (12)
  • (2)
本棚登録 : 191
感想 : 30
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913144

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • お勧め度:☆6個(満点10個)本格的ミステリーと謳っいるようだけど、ある意味同じようなミステリーは存在すると思う。まず第一に、俳句4編による見立て殺人。これは横溝正史の「獄門島」に出てくるし、いささか安易すぎる気もする。特に「一つ家に遊女寝たり萩と月」そのまんま使われてたのでは?。内容は函館の名家、「岩倉家」の三人の娘「彩芽」「柑菜」「咲良」が次々と殺されていくという殺人事件。最後には当主までもが殺されるという展開ではあるが、次女「柑菜」の殺人トリックは成るほどと思わせる。要するに夫に対する復讐劇である。

  • 動機は納得できる。タイトル始め、伏線もわかりやすく、フェアではある。終盤、探偵役の高校生がいきなり真相を見やぶるわけだが、事件への関わり方に違和感を感じる。

  • 図書館で借りた本。
    函館の町で、16歳の少女が行方不明になった。警察に行方不明者として届けられ、次の日、海で他殺したいで見つかった。少女の家にある、短歌になぞらえた殺され方で、短歌は後4作品あった。連続殺人の始まりなのか。数日後、今度は少女の姉が他殺したいで見つかった。今度も短歌を意識させる殺され方だった。

  • 話のプロットはすごく良かった。舞台が北海道なのも風情があっていい。見立て殺人とよくあっている。残念なのが文章。どうも自分とは合わなかった。惜しい。

  • 2020.7.18読了。
    捜査パートはやや退屈な展開でしたが、インパクト抜群の犯行動機に度肝を抜かれました。

  • 美人三姉妹、俳句の見立て、連続殺人。というと言うまでもなくあの有名な作品なわけですが。それ以上に凄まじい作品かもしれません。見立て風景の美麗さは劣りますが(苦笑)。見立て殺人の一番のポイントとなってしまう「俳句をわざわざ使った理由」が凄まじくって絶句。
    こまごまとトリックも仕掛けられていて読み応えのある本格ミステリなのですが、何よりも衝撃的なのは動機でしょう。犯人の気持ちを思えばやるせなくはあるのだけれど、それでもここまでとは。淡々とした筆致で語られるわりには、情念の恐ろしさと哀しさをこれでもかというほどに感じさせられた作品でした。
    ちなみに、犯人当てとしても読めるのだろうけれど。登場人物すべてが素晴らしいほどに怪しいところだらけ、因縁だらけでさっぱり見当も付きませんでした。完全敗北。

  • 函館の田舎町の名士、岩倉の3人の孫娘、三女が殺された。浮かび上がる三女の乱れた私生活。犯人は、岩倉の強引な会社経営により苦しめられた者か、岩倉自身の過去の愛人か、三女と関係のあった男性達か、はたまた遺産目当てか?犯人の目処が立たぬまま、次女、長女が犠牲に…。複雑な家庭環境や、岩倉が所有する松尾芭蕉の短冊の句になぞらえた犯行はミステリーとしては面白い要素だけど、刑事による聞き込み、取り調べ等の過程が地味で長くて少し退屈してしまった。犯人の動機、これはあまりにも気の毒だと思う。

  • 見立てもの大好き♡なミステリスキーをまんまと釣り上げる帯に惹かれて手に取ったんですが、、、読む前にちょっと期待値上げすぎたかな(汗)

    設定やキャラクタは魅力的なんです。

    主人公以外は←

    あとは、なんといっても捜査手法が、、、主人公が刑事さんなので仕方ないとはいえ、ヒントやひらめきを足で稼ぐタイプの展開は、正直好みじゃない(汗)。

    しかも主人公、探偵役じゃないんですね。ホームズくんは、事件関係者の友人である年端もいかない少年。彼が本格的に話に絡むのも割と後半だし、「君がホームズくんなのね?!よーし早く探偵してくれ!」と思ったら、すぐさま途中退席、、、、。

    横溝オマージュだと思ってたから、もう少しおどろおどろしい語り口期待してたのも不味かったな泣。

  • 2020.4

  • 正直、魅力を感じられず、読み飛ばしてしまいました。読む前の期待は高かったけど。

全30件中 11 - 20件を表示

著者プロフィール

平石貴樹(ひらいし・たかき)
1948年函館生まれ。作家、東京大学名誉教授。1983年、「虹のカマクーラ」で第七回すばる文学賞受賞。
著書に『松谷警部と目黒の雨』『松谷警部と三鷹の石』『松谷警部と三ノ輪の鏡』『松谷警部と向島の血』(創元推理文庫)、『アメリカ文学史』(松柏社)、
翻訳にオーエン・ウィスター『ヴァージニアン』(松柏社)、ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』(共訳、岩波文庫)などがある。

「2019年 『一丁目一番地の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

平石貴樹の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×