潮首岬(しおくびみさき)に郭公(かっこう)の鳴く

著者 :
  • 光文社
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本棚登録 : 191
感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (356ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913144

感想・レビュー・書評

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  • うーん

  • 久々にずしんと重みのあるミステリを読んだ感じ。これこれ、ミステリってこういうのだよね!王道だねって思う。現代を舞台にして、まだまだこんなミステリが書けるんだな、とちょっと感動すら覚える。横溝正史のオマージュが感じられるところも良い。

  • 見立て、連続殺人、複雑な人間関係、と本格物の要素満載。

    ただ最近の(若手作家の)作品とは違って頭脳明晰で突飛なキャラの探偵(役)が謎を解くわけではなく、完全な警察視点での地道な捜査が描かれる。しかし、それが退屈な訳ではなくて、珍しい函館弁?の会話の面白さと相まってじっくり読める。

    それでいて、ラストでは名探偵?が一同を集めて警察の資料・情報をもとに事件の謎を解決するという安楽椅子型の本格タイプでもあるという一風変わった作品。

    やたらと面倒くさい人間関係は少し大時代的だし、文章や会話はスムーズで読み易いが、所々えらく古い表現・堅苦しい表現が出てくるのは作者の特徴?

    犯行のトリックや動機は小説的ではあるが、構成もしっかりしているので最後まで楽しめた。

  • 函館で岩倉家の三女が行方不明になり、遺体で見つかります。
    海岸で見つかった遺留品、血糊のついた鷹のブロンズ像。
    美人三姉妹が次々と殺害されていきます。
    芭蕉の短冊になぞらえた殺人事件に、警察は翻弄されます。
    意外な犯人に、意外過ぎる動機。
    獄門島の本歌取りで、意外な結末。
    楽しめました。

  • フーダニットの本格推理小説。アリバイ崩しや雪の密室があり楽しめる。横溝正史のような家庭内紛争が描かれ現代なのにオドロしさを感じられて面白い。

  • 複雑な家系の美人三姉妹が松尾芭蕉の俳句になぞらえて殺されます。横溝正史の『獄門島』を彷彿とさせる設定でワクワクしましたが、終始警察が事件関係者のアリバイを地道に調べていく展開で退屈に感じてしまい残念。
    しかし探偵役が披露するロジックの畳み掛けと悪魔的な動機のインパクトは強烈。推理小説では今年ベスト級の作品だと思います。

  • 先頃、『だれもがポオを愛していた』が復刊された平石貴樹の最新作。
    現代の札幌を舞台にしているが、ストーリーは王道の……というより、古き良き探偵小説。本書は年末ランキングにも入っているし、今、入手困難な文庫も復刊して欲しいな〜。

  • 松尾芭蕉の俳句に見立てて起こる連続殺人。このモチーフは、もろに『獄門島』だけど、本作はより純度の高い本格ミステリになっていた。久々に直球のフーダニットを読んだ気がする。
    本格ミステリの宿命として、捜査と関係者のアリバイ調べが延々続き、正直退屈な感じも受けたが、解決編で不満が吹き飛んだ。探偵役による説明会という形なのも、無駄な横やりが入らなくて気分良かった。
    唯一気になったのは、現代を舞台にしているのに、正妻、後妻、愛人とか、血筋がどうのこうのとか、テイストが昭和チックだった点だなあ(^-^)。

  • 2019/11/03読了

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著者プロフィール

平石貴樹(ひらいし・たかき)
1948年函館生まれ。作家、東京大学名誉教授。1983年、「虹のカマクーラ」で第七回すばる文学賞受賞。
著書に『松谷警部と目黒の雨』『松谷警部と三鷹の石』『松谷警部と三ノ輪の鏡』『松谷警部と向島の血』(創元推理文庫)、『アメリカ文学史』(松柏社)、
翻訳にオーエン・ウィスター『ヴァージニアン』(松柏社)、ウィリアム・フォークナー『響きと怒り』(共訳、岩波文庫)などがある。

「2019年 『一丁目一番地の謎』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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