二十面相 暁に死す

著者 :
  • 光文社
3.29
  • (3)
  • (4)
  • (10)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 89
感想 : 9
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334913908

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 理想像の、二十面相と明智探偵がタッグを組む話だった。両方の良さが存分に出ていて、特に銃の攻撃を扉の左右に分かれて交わしながら話しているところがかっこよかった。
    小林少年の初恋も微笑ましかった。二十面相の部下を好きになるとは思わなかったが、ミツルのような強く戦える子と合うだろうと思った。

    焼跡の二十面相とこの2冊を読んで、本当に戦争の情景がありありと浮かんできた。戦後の壊れた日本で生き抜く強さを知ることができた。

  • 敗戦から7か月たった1946年3月の春休み

    われらが少年探偵団の団長小林芳雄くんが団員第一号の羽柴壮二くんと映画を見に行った帰りのことです

    二人が羽柴家に戻ると、先ほど訪ねてきた明智探偵と小林少年に秘蔵の黄金の厨子を渡したのだと言います

    明智探偵と小林少年の偽物が?
    そんなことをするのは、だれあろう怪人二十面相でした

    銀座に開店した太田垣美術店の魔導書、名古屋城で戦火を免れた屏風絵をつぎつぎと手に入れた二十面相

    こんどは四谷財閥が設立した綾鳥学園が持つ神像を盗むと犯行を予告してきました

    小林くんが一人で綾鳥学園に忍び込んで見張っていると……

    都心の地下にはりめぐらされた迷宮から奥多摩小河内に作られた秘密の研究所まで、東京じゅうを股にかけた逆転につぐ逆転の大活劇

    はたして小林少年の偽物は誰なのか
    敵に捕らわれた少女を救うことができるのか
    明智探偵と小林少年、そして二十面相の運命やいかに

    「少年探偵団」シリーズへのオマージュ作品
    辻版「怪人二十面相」第2弾、2021年3月刊

    「少年探偵団、バンザーイ! 小林芳雄、バンザーイ!」

    1932年生まれの著者が戦争への悔恨を込めて敗戦直後の世相を描き出す“社会派ピカレスクロマン”

    『焼跡の二十面相』(2019年4月、文庫版2021年10月)もあわせて

  • 読んでて映画みたいに映像が浮かびあがってくる感じがしました。ただ言い回しがやはり古くて、それが良い感じではあるけれども、眠たくなることも…。

  • 小林少年、今回も大奮闘。
    自分のニセモノが登場し、それが実は女の子!
    その子ミツルとの関係がなんとも微笑ましいというか、むずがゆいというかw
    かわいいなぁ。
    ミツルが二十面相の手下というのもドキドキ感が増す。
    しかも、二十面相をとっても慕っているし。
    明智小五郎と二十面相の対決も見られたけど、印象に残ったのはやっぱり若い(幼い?)2人の関係だった。
    タイトルが衝撃的だけど、でも、二十面相だもの、そう簡単にはあの世に行っちゃったりはしないよね、と思いながら読み進め、、、
    あのラスト!
    辻先生の少年探偵団もの、また読みたい。

  • タイムスリップしたみたい。

  • 少年マンガを読んでるような心地良さ。包み込むような優しい語り口にも癒される。終戦直後の情景が目に浮かぶ。

  • 敗戦の翌年。焼跡にも徐々に活気が戻り、疎開していた少年探偵団の団員たちも、徐々に東京に戻り始めた。彼らが日常を取り戻すより早く、怪人二十面相は縦横無尽。明智探偵と小林少年の偽者に扮して警察を振り回したり、やりたい放題だ。しかし、明智はともかく、小林くんの偽者って誰だろう……。郷愁を誘う昭和の暗闇を舞台に、明智小五郎と二十面相の活躍を描く、辻版『怪人二十面相』第二弾!

全9件中 1 - 9件を表示

著者プロフィール

1932年、名古屋市生まれ。名古屋大学文学部卒業後、NHKに入社。テレビ初期のディレクター、プロデューサーをつとめたのち、脚本家に転身。『鉄腕アトム』、『エイトマン』、『ジャングル大帝』、『サザエさん』、『巨人の星』、『デビルマン』など、1500本超のアニメ脚本を執筆した。また、推理小説作家としても活躍しており、『仮題・中学殺人事件』、『迷犬ルパンの名推理』、『あじあ号、吼えろ!』、『完全恋愛』(牧薩次名義)など多数の著作がある。現在、デジタルハリウッド大学教授。国際アニメ研究所所長。本格ミステリ作家クラブ会長。

「2009年 『『鉄腕アトム』から『電脳コイル』へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

辻真先の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×