和菓子のアン

著者 :
  • 光文社
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感想 : 729
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784334927066

作品紹介・あらすじ

やりたいことがわからず、進路を決めないまま高校を卒業した梅本杏子は、「このままじゃニートだ!」と一念発起。デパ地下の和菓子屋で働きはじめた。プロフェッショナルだけど個性的な同僚と、歴史と遊び心に満ちた和菓子に囲まれ、お客さんの謎めいた言動に振り回される、忙しくも心温まる日々。あなたも、しぶ〜い日本茶と一緒にいかがですか。

感想・レビュー・書評

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  • 和菓子は、短歌に通じる
    といいます。

    最小限の素材と装飾で
    情景や風情を
    見事に表わすという点で
    たしかに、と思います。

    また、物語のなかでも
    触れられていますが、
    イメージと言葉あそびの
    世界でもあるんですよね。

    牡丹からぼた餅、
    萩からおはぎ、
    そして、
    牡丹肉からの連想で
    猪と萩の取り合わせ等。

    腹切りや半殺しなど
    物騒な専門用語も。

    アンちゃんも言っていますが
    『源氏物語』の登場人物が
    食べていたのと同じものを
    現在でも食べられるなんて
    考えてみると、
    なかなかすごいことです。

    和菓子とその世界を
    未来へ継いでいくことに、
    美味しくいただくことで
    貢献できればと思います。

  • 主人公は梅本杏子…進路が定まらないまま高校を卒業したものの、このままではまずい!と、デパ地下の和菓子屋「みつ屋」でアルバイトをすることになった…。個性豊かな店長や同僚と、四季折々の和菓子を求めて買い求めるお客さん、何よりも和菓子の魅力にハマり込む…。そんな杏子は、あんこの「アンちゃん」と親しまれるようになって…。

    前に、森下典子先生の「日日之好日」を読んでいたことので、作中で触れられるお茶の予備知識にもなりました。それに、この作品の文章、スゴく読みやすいっ!!アンちゃんを含めた登場人物が、みんな魅力的で、好きになりました。特に、アンちゃんに共感できるっ!!和菓子も食べたくなりましたねぇ…今の季節なら何だろ??福寿草??そんなことを思いながら…読み進めるとともにアンちゃんが成長していくのも自分のことのように嬉しくなったり…続編も楽しみです(^^)

    • かなさん
      ヒボさん、おはようございます(^^)
      ヒボさんのこの作品のレビューのコメント欄に
      お邪魔しようと思ってましたが、
      来てもらえて嬉しいで...
      ヒボさん、おはようございます(^^)
      ヒボさんのこの作品のレビューのコメント欄に
      お邪魔しようと思ってましたが、
      来てもらえて嬉しいです♪

      この作品もいいですよねぇ~!
      登場するキャラみんな、結構いい感じだし
      アンちゃんにも共感できますよね。
      そして、和菓子が無性に食べたくなる~(#^.^#)
      続編もぜひ楽しんでくださいね!!
      2023/09/05
    • ヒボさん
      得意の積読本だったんですが、かなさんのレビュー見てこれは読まないとって思い手にしました♪
      得意の積読本だったんですが、かなさんのレビュー見てこれは読まないとって思い手にしました♪
      2023/09/05
    • かなさん
      ヒボさん、こんにちは!
      私も積読得意ですっ(*^▽^*)

      この作品、最近文庫本が出たんですね。
      かわいい、和菓子の栞、ご自由にお取...
      ヒボさん、こんにちは!
      私も積読得意ですっ(*^▽^*)

      この作品、最近文庫本が出たんですね。
      かわいい、和菓子の栞、ご自由にお取りください状態でした。
      ちょっと惹かれちゃいましたね♪
      2023/09/05
  • 和菓子食べた〜い(*´∇`*)

    デパ地下に和菓子…大好きです♪
    物産展も好きだけど♪

    デパ地下の裏事情に和菓子の奥深さ
    「みつ屋」のメンバーのキャラ
    主人公のアンちゃん
    読んでるうちにどんどん好きになってくる。
    そしてもっと知りたくなる。

    小腹もどんどんすいてくる( ̄▽ ̄)

    ヤバいシリーズですね笑
    ポッチャリがデップリになりそうです…


    • ひまわりめろんさん
      どうやら無事社会復帰できそうだよ
      ありがとう美魔女パワー(なんのお礼やねん)
      どうやら無事社会復帰できそうだよ
      ありがとう美魔女パワー(なんのお礼やねん)
      2023/01/24
    • 1Q84O1さん
      みんみんさん

      ははぁぁぁ〜m(__)m
      美魔女みんみん様大変失礼を申し上げました!

      さすが世界三大美女のひとりですね
      クレオパトラ、楊貴...
      みんみんさん

      ははぁぁぁ〜m(__)m
      美魔女みんみん様大変失礼を申し上げました!

      さすが世界三大美女のひとりですね
      クレオパトラ、楊貴妃、小野小町、みんみん

      あれっ!?

      四人いる!?

      偽物は誰だぁ〜w
      2023/01/24
    • 1Q84O1さん
      ひまわり師匠

      恐るべし美魔女パワー!ヮ(゚д゚)ォ!
      とにかく復帰良かったです!
      まだまだ無理しないでくださいね〜
      ひまわり師匠

      恐るべし美魔女パワー!ヮ(゚д゚)ォ!
      とにかく復帰良かったです!
      まだまだ無理しないでくださいね〜
      2023/01/24
  • 前々から気になっていたシリーズ。
    評判通り、読んでいてとてもほっこりした。

    百貨店の地下売り場にある和菓子屋『みつ屋』で売り子のバイトをしている梅本杏子(通称アンちゃん)の物語。
    見た目は上品なのに中身はおっさんの椿店長に、見た目はモデル並にカッコいいのに中身は乙女な立花くん、しっかり者の元ヤン・桜井さん。バラエティに富んでいる同僚たちはみないい人で、職場の雰囲気もとてもいい。その上売ってる和菓子も美味しそうで…。アンちゃんはほんと恵まれていて羨ましい。
    まあそれも、アンちゃん自身がとてもいい子だからだね、きっと。
    手のひらに乗る位に小さな和菓子は、日本の歴史や風土、四季を表す小宇宙。和菓子の持つ奥深さに改めて感心させられた。
    今は男性よりも和菓子に恋するアンちゃん。私もアンちゃんのぷにぷにほっぺをむにっとしたい。
    シリーズの続編もいつかきっと読む。

  • 和菓子たべたい。最近食べてないので。

  • 一面に、置かれたお饅頭。
    初めは、卵?と思っていたが、よく見ると…。


    身長が低く、丸い体型とふっくらほっぺ、という可愛らしい容姿の主人公・梅本杏子(きょうこ)
    杏子が、高卒と同時に、「このままじゃニートになってしまう!」ということで働きだしたのはデパートの地下にある和菓子屋さん。

    そこにいたのは、元ヤンキーや、イケメンと思いきや乙女チックな人、
    店長は株好きの個性豊かな人たち。

    和菓子についても詳しく書いてあり、ミステリーと言うよりも「ほんわか」していて良かったです。

    • まろんさん
      この表紙を、最初に「卵?」と思ったという紫苑さんがあまりに可愛らしくて
      なんだかきゅん♪としてしまいました(笑)

      そんな紫苑さんと同じくら...
      この表紙を、最初に「卵?」と思ったという紫苑さんがあまりに可愛らしくて
      なんだかきゅん♪としてしまいました(笑)

      そんな紫苑さんと同じくらい杏子ちゃんが可愛らしく
      見た目とのギャップがあまりに激しい店長たちが楽しくてたまらない
      大好きな本です(*'-')フフ♪
      2013/01/16
    • しをん。さん
      いやいや、このような素敵な物語を「卵」と間違えるのは、恥ずかしい限りです**(/▽/)**

      確かに、杏子ちゃんが可愛らしくて…。

      皆さん...
      いやいや、このような素敵な物語を「卵」と間違えるのは、恥ずかしい限りです**(/▽/)**

      確かに、杏子ちゃんが可愛らしくて…。

      皆さんのレビューをみても、「誰かに薦めたくなる本」と書かれていて、読み終わった後になるほど!と感じてしまいました。
      2013/01/16
  • 和菓子の奥深さを知ることができる本。
    アンちゃんと立花さんのやり取りがホッコリ。
    和菓子が無性に食べたくなりました。

  • アンちゃんが可愛い!
    自分に自信がなくてちょっとマイナス思考なところがあるけれど、素直だし、分からないことがあれば聞いて教えてもらったり自分でも勉強したり、他人からの意見をちゃんと受け止めて改善している姿勢がみんなから可愛がられるのだろう。

    アンちゃんに会いにデパ地下に行きたくなった。
    たまに無性に和菓子が食べたくなる時がある。そう!まさに今!読後、スーパーでかりんとう饅頭を買って食べました。

  • まるで、菓子折りでも持つ様に
    表紙のおまんじゅうにずっと視線を落としたまま、
    図書カウンターに本を差し出した。

    (ごくり。)
    なんて、美味しそうなおまんじゅうだろう!

    これは本だ。

    むろん、中にまんじゅうなど入ってはいない。
    だが、視線は
    さっきからずーっと菓子に注がれたまま。

    本を受け取り、私は速攻菓子の蓋を開け…
    いや、本のページを捲ってみる。

    「いらっしゃいませ♪」
    中では和菓子店「みつや」が開店中。
    カウンターに並べられていたのは、
    まるで、
    風の様な、木の葉の様な、清流の様な、流れ星の様な、
    今の季節にぴったり寄り添う綺麗な和菓子。

    「和菓子とは日本の風土に合わせて作られたお菓子なんですよ」
    そんな話も納得するほど、
    今この瞬間に口にしたい甘さが程よく広がる。

    あぁ、食べているのでは無かった。
    読んでいるのでしたね。

    ここ「みつや」で働く人達はみな、主人公のアンちゃんを始めとして、店長も立花君も和菓子を心から愛するいい人達ばかりなので、ついついミステリー本だった、という事さえ忘れ、
    ほろっと泣ける様に優しく崩れる餡の読感を心地よく楽しんでいる自分がいた。

    この後、速攻和菓子を買いに出かけたのは言うまでもない。

    • MOTOさん
      nyancomaruさんへ

      私も普段和菓子はいただきませんが、すっかり本に嵌ってしまいましたねぇ~
      (ひたすら単純な性格ですな♪)

      和菓...
      nyancomaruさんへ

      私も普段和菓子はいただきませんが、すっかり本に嵌ってしまいましたねぇ~
      (ひたすら単純な性格ですな♪)

      和菓子屋さんのショーケースの中は清々しい新緑の季節でいっぱいでした。
      来月は星や七夕のお菓子なんかも販売されるそうで、今から楽しみです!
      (本より、お菓子重視か…!?坂本さんに申し訳ないですね♪)
      2012/06/26
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「本より、お菓子重視か…!?」
      本筋からズレていると言われそうですが、、ホント坂本さんゴメンなさい。
      NHKの美の壺で放映された「和菓子」が...
      「本より、お菓子重視か…!?」
      本筋からズレていると言われそうですが、、ホント坂本さんゴメンなさい。
      NHKの美の壺で放映された「和菓子」が一冊に纏まっていて、以前チラっと見たら。なかなか良かったので、そのうち借りる予定(TV放映では「夏の和菓子」なる涼しげな回もあったみたいなのですが、放映は見逃してます)。
      2012/06/26
    • MOTOさん
      nyancomaruさんへ

      お菓子のほうにズレてはしまったけど、本は100パーセント楽しく読めたので、寛大な坂本さんは大目に見てくれるでし...
      nyancomaruさんへ

      お菓子のほうにズレてはしまったけど、本は100パーセント楽しく読めたので、寛大な坂本さんは大目に見てくれるでしょう~♪(多分)

      NHKの『美の壷』面白そうですね♪(好きなテーマの回だけたまに見ます。)
      再放送を是非、チェックせねば!
      2012/06/26
  • たとえごはんをしっかり食べた後に読んでも
    世に言う「別腹」が張り切って自己主張し始めるのだけが難点だけど、
    心はほっこりと、まあるいお饅頭のように満腹にしてくれる1冊です。

    これといってやりたいことはないのだけれど
    「それならとりあえず大学に進学してみれば?」と勧める母親に、
    お父さんが毎日会社に行くところや
    お母さんがパートで働いているところを見てきてる以上、
    せめてバイトしながら「ピンとくる何か」を探した方がいい、
    と、きちんと言えるアンちゃんが、とても清々しい。
    さすが、『切れない糸』のクリーニング屋さんの
    愛すべきパート三人衆のひとり、梅本さんの娘さん♪

    飛び込むようにして勤め始めた和菓子屋さんの「みつ屋」では
    洞察力に富んだ知的な美女なのに、中身はオッサンの椿店長や
    モデル並みのルックスでそつのない接客をするのに
    実はかわいいもの大好き♪♪♪な、オトメンの立花さんと一緒に
    お客様やデパ地下の人々に纏わる小さな謎を
    和菓子への想いをふくらませながら、あたたかく解いていきます。

    『ワーキングホリデー』のハチさん便も
    柱のかげからちょこっと顔を出す風情で登場したりして
    坂木さんファンにはたまらない作品に仕上がっています。

    • まろんさん
      円軌道の外さん、この本ぜったい好きだと思います!

      だって、和菓子がとてつもなくおいそうなんだもの♪

      見た目の美しさ、繊細さだけじゃなく
      ...
      円軌道の外さん、この本ぜったい好きだと思います!

      だって、和菓子がとてつもなくおいそうなんだもの♪

      見た目の美しさ、繊細さだけじゃなく
      主人公のアンちゃんが、食べたときの食感を
      心をこめて語る能力に長けた子なので、
      読んでるだけで幸せな気分に。。。
      ただ、お腹にとっては拷問かも(笑)
      2012/06/01
    • とみぃさん
      丁寧なコメントにフォロー返し、ありがとうございました!

      私の初坂木さん作品はこの『和菓子のアン』でした。
      日常ほのぼの系と推理ものが...
      丁寧なコメントにフォロー返し、ありがとうございました!

      私の初坂木さん作品はこの『和菓子のアン』でした。
      日常ほのぼの系と推理ものが好きな私にとって「日常の謎」というジャンルは初めてで。
      こんなにほんわか心温まる小説があったのかと、この出会いに感謝したものでした。

      主人公のアンちゃんがとても可愛くて、共感できるところもたくさんあって。
      この本を勧めた方から、「アンちゃんはあなたにちょっと似てるね」と言われたときはちょっぴり恥ずかしく、ちょっぴり嬉しく思ったものでした。

      >心はほっこりと、まあるいお饅頭のように満腹にしてくれる1冊です。

      この一文すごく素敵ですね。
      この作品のよさを、簡潔にまとめられていているだけでなく、たとえも内容に合っていて分かりやすい!
      本の帯にそのまま書いてあっても違和感ないでしょうね。私もこんな紹介文書けるようになりたいです・・・!

      そして『切れない糸』と『ワーキングホリデー』はまだ読んだことがないのですが、そんなつながりがあったのですね。
      他にもリンクしている作品があるようですし、これは読んでみなくては!

      まろんさんのレビューは他にも読ませていただきましたが、どれも丁寧で温かい気持ちになるものばかりですね。
      私ももっと見習って、他の人が読んでみたいと思えるようなレビューを書いてみたいです。
      これからも参考にさせていただきますので、よろしくお願いします!

      2012/09/07
    • まろんさん
      とみぃさん、温かいコメントありがとうございます!

      坂木司さんとの出会いが、この『和菓子のアン』だなんて、
      きっととみぃさんは本の神様に愛さ...
      とみぃさん、温かいコメントありがとうございます!

      坂木司さんとの出会いが、この『和菓子のアン』だなんて、
      きっととみぃさんは本の神様に愛されているんですね♪
      しかもお友達にこの本を薦めて、アンちゃんに似てるって言ってもらえるなんて
      とみぃさんも、そう言ってくれるお友達も、なんて素敵なんでしょう!

      坂木さんの他の作品についてのとみぃさんのレビューが楽しみでたまらないので
      『切れない糸』でも『ワーキングホリデー』でも
      他の作品でも、読まれたらぜひレビューを書いてくださいね!

      あ、そういえば、今BSで『青空の卵』のドラマを放送していますが、ご存知でしたか?
      あまりに愛着のある作品なので、
      私としてはキャスティングがちょっとイメージと違うかな、と思ってしまうのですが
      映像はとても綺麗です(*^_^*)
      2012/09/07
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著者プロフィール

一九六九年、東京都生まれ。二〇〇二年『青空の卵』で〈覆面作家〉としてデビュー。一三年『和菓子のアン』で第二回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞。主な著書に『ワーキング・ホリデー』『ホテルジューシー』『大きな音が聞こえるか』『肉小説集』『鶏小説集』『女子的生活』など。

「2022年 『おいしい旅 初めて編』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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