- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784334928896
感想・レビュー・書評
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完全に設定とジャケで借りました。
私が子供のころ(昭和)の児童書でよく見たようなオレンジ色に黒の飾り枠にペン画イラスト。
見返しに貼られた帯には「読んだら最後。物語に喰われちまう。」と「書くから、いかんのだ。書くから、読ませたくなる。」
レイアウトが、まるで左右から同時に囁かれているように重なっているもんだからゾクゾクワクワク。
巻頭作の題は「帝都脳病院入院案内」
他にも"怪人幽鬼博士"とか"青髯城殺人事件"とかそそる単語がちりばめられて、これもう読むしかないよね?
読み出したら収録作の最初の一行は全部同じ。
「──また買ってしまった。」
きゃー!このタイプの導入は好き。
『ノックの音が』とか『声が聞こえたで始まる七つのミステリー』とか。
そして、心当たりが有りすぎる人がどれだけいることか。
本好きのホラーあるあるな話だけど、そのベタな感じがたまりません。想像をあまり裏切らない読みたい奴、って感じ。
ベタに感じるノスタルジックな雰囲気に、現代成分もほのかにあって、より親近感が増します。
装画・扉画 / ひらい たかこ
装幀 / 柳川 貴代
初出 / 「小説宝石」2011年10月号・12月号、2012年10月号・12月号、2013年3月号・5月号 -
※図書館
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怖くて何度も本を閉じたから読み進めるのに時間がかかった。
古書店にはなんとも言えない陰の気配があるよね。
最後の語りにゾクッときた。背後が怖い。
難しい熟語が使われていたり、明言せず含みをもたせたまま話が進んで、情景が想像できなかったり。
読み進めるのに疲れた。
でもこういう系統の小説だから、それもわざとなのかもしれない。 -
古本屋で購入した本を起点に始まる不思議な六つの短編。
作家らしい主人公が立ち寄った古本屋で手にした本。「また買ってしまった」で始まる怪奇なストーリー。最後の表題作を読んで、全作品がつながる仕組み。
ウ~む…。 -
古本屋で買った一冊の本が、『私』を摩訶不思議な世界へと誘っていく。
「また買ってしまった」
古書店を出た呟きから物語は始まる。いくつかの短編があるが、出だしはほぼ同じ。『私』が古書店で本あるいは資料などを手に入れ読み進めていくと…。
ホラー風や推理ものなどティスとは様々だが、多分みなろくなことになっていないだろう。本を買うのは皆『私』である。これは表題にもなっているラストの話に持って行くためなのだが。一番最初の話の雰囲気が怪し気でそそられたのだが、後半に行くにつれ恐怖が直接的なものになるにつれ、何だか逆に滑稽に思えてくる。ラストは有りがちだったし、雰囲気が合ってない気がして興ざめだった。 -
(収録作品)帝都脳病院入院案内/這い寄る影/こちらX探偵局怪人幽鬼博士の巻/青髯城殺人事件 映画化関係綴/時の劇場・前後篇/奇譚を売る店
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色褪せてペンキも剥げかけ、ほぼ読めない看板。立て付けの悪い引き戸を開け、日焼け防止の為か薄暗い店内… そんな古本屋が、そして古本に惹かれるなら、理解ってしまう「―また買ってしまった」と呟く「私」の気持ちが。
怪奇とグラン・ギニョールな雰囲気を漂わせ、暗く不穏な何かが忍び寄る。熟れすぎた果実の纏う腐臭にも似た全6編。