友だちの友だち (バベルの図書館)

  • 国書刊行会
3.57
  • (1)
  • (4)
  • (0)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 21
感想 : 4
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336025692

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ボルヘス編纂の短編集、今回はヘンリー・ジェイムス。
    社交界の皮肉を幽霊譚や分身譚に寄せて表現している。
    作者は真面目で大仰なところがどこか滑稽な巨匠だったらしい。

    ===
    いるはずの場所にいない男と、二か所に同時に存在する男。
    社交界で”完璧な自分”を演出するには。
     /「私的生活」

    軍人の素質に恵まれた青年が軍への道を拒絶する。
    彼の育った家に伝わる幽霊部屋。
     /「オウエン・ウィンブレイヴの悲劇」

    奇妙なすれ違により生きている間には会えなかった二人の男女。
    幽霊譚の裏に繰り広げられる愛と嫉妬。
     /「 友だちの友だち」

    社交界で成功者として光の中にいた男と、その影に隠れていた男。
    彼らの死後妻たちは…
     /「ノースモア卿夫妻の転落」

    ===

    作者自身も所属していたイギリス社交界ってじつに面倒くさい。そう思われているあり方を自己演出し続けなければならない、夫に疑問を持ってはならない、夫に死なれた妻のあり方を果たさねばならない…
    この短編集では「巨匠に見えるがつまらない人物」を幻想譚として描いているのですが、作者自身はどのようにして社交界に属していたのでしょうか。きっと大真面目に巨匠であり続けたのでしょうね。

  • 「ノースモア卿夫妻の転落」はすごい。うん確かに私も知っているよ。そんな点が、たとえばモーパッサンを抜いている。

  • バベルの図書館という名前に惹かれえ手に取る
    かなり露骨な欲の絡んだ男と女の駆け引きをモチーフにした物語
    題名との繋がりが読み取れず
    あまり好みのものではなかった

    根気よく多彩な角度から駆け引きを表現する文体で
    登場人物の複雑に揺れ動く気持ちを推理しながら
    成り行きを楽しんで読むことができる

  • 第14冊/全30冊

全4件中 1 - 4件を表示

著者プロフィール

Henry James.1843-1916
19世紀後半~20世紀の英米文学を代表する小説家。
主要作品に『デイジー・ミラー』、『ある婦人の肖像』、
『ねじの回転』、『鳩の翼』等。
映画化作品が多いが、難解なテクストで知られる。

「2016年 『ヨーロッパ人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

ヘンリー・ジェイムズの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×