絵本 化鳥

著者 :
  • 国書刊行会
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本棚登録 : 230
感想 : 43
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  • Amazon.co.jp ・本 (71ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784336055446

作品紹介・あらすじ

「はねのはえたうつくしい人はどこにいるの?」少年のかたりで綴られた幻視の世界-文豪と気鋭の画家が繰りひろげる妖しくも美しい未知なる絵物語。

感想・レビュー・書評

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  • 別冊太陽『こわい絵本』選書  
    「「はねのはえたうつくしい人はどこにいるの?」少年のかたりで綴られた幻視の世界―文豪と気鋭の画家が繰りひろげる妖しくも美しい未知なる絵物語。
    川でおぼれかけたところを、”大きな五色のはねがあって天上にあそんでいる美しいお姉さん”に助けられた廉。少年んはその”はねがはえたうつくしいもの”を求めて、森に入っていく。」

  • 終わり方がいい。
    絵本と本文と両方楽しめて
    絵本の方の終わり方が現在に繋がるって、
    粋だな。

  • 本作は泉鏡花の生誕地である金沢市が主催する泉鏡花文学賞の制定40周年記念プロジェクトてして企画・制作されたもの。絵本の部分は読みやすいように手が加えられており、巻末には原文が載っています。絵本の文章は鏡花独特の文章リズムを損なうことなく書かれていて、原文と比較しながら読むと面白いです。
    凛として美しい母と暮らす少年・廉。少年の母への強い思慕が、幼い時に母を亡くした鏡花自身に重なって見え、切ないような気持ちにもなります。
    中川学さんの絵も温かみがあって、切り絵のようで可愛らしい。
    鏡花の文章は慣れないと読むのが難しいですが、彼の文章の美しさはピカイチ。もっと鏡花の作品を読みたいです。

  • 泉鏡花の作品を絵本にしたもの。素晴らしい出来ですね。

  • 鏡花の言葉は現代に生きる私には少し難しい…
    美しい絵でするりと鏡花の世界に浸ることができました。絵本のあとに、読みがなをふって分かりやすくした全文も載っており、二度楽しめました。
    お母様の言葉は、他人の言い分や視線が気になって疲れた大人の心にも染みます…。時々読み返したい本です。

  • 中川学さんの絵を見たくて。天守物語がいまいちよくわかんなくて以来手をつけてなかった泉鏡花ですが、面白かったです。でもおっかさん怖すぎない?文体は読むものというより聞くもののようで好きなんだけど、人も獣も昆虫もみんな一緒ですよ、の見方が優しさではなく憎しみ起点なのが、しかもそれを息子に教え込んでるのが、ウワア…と思いました。
    でも自分を例える時だけ鳥でもなく人間でもないく、いくらうつくしいったって化け物じゃん…その真意は…とも考えたり。
    一読しただけの感想なので、的外れな解釈だったらごめんなさい。
    中川さんのイラストは相変わらず最高です。

  • とても美しい装丁本で、たまたま図書館で見つけて手に取った。絵が美しいのとお話の内容にも惹かれて、何度も読んだ。母と子の深い愛に、なぜか泣かなくなるような目の奥がツンとするような気持ちになった。

  • 息を呑むほどうつくしい。
    所有欲を満たしてくれる一冊。とてもおすすめ。

    • だいさん
      本棚とレビュー
      独走的で面白かった
      本棚とレビュー
      独走的で面白かった
      2021/02/03
    • コシノさん
      わーありがとうございます!
      だいさんの本棚を拝見させていただき、「読んでみたい本」としていっぱい登録させていただいちゃいました♪
      わーありがとうございます!
      だいさんの本棚を拝見させていただき、「読んでみたい本」としていっぱい登録させていただいちゃいました♪
      2021/02/03
  • とりわけ表紙がうつくしい。
    白い紙に翼の型押し、タイトルは銀の箔押し。
    もうこの表紙だけで大満足なんだけど、中川学さんの絵も今回も素敵。
    個人的にはいちばん最初の橋を渡る人々の絵、百鬼夜行のような絵、鳥屋の絵、最後の木漏れ日差す橋の絵が好き。

  • みぃちゃんに教えてもらったよ!
    英語版はイタリアミラノで賞をいただいたそうです

    白い表紙の下の美しい色が気になる!
    ブッカーがあるからしょうがないー!

    ラストは現代の風景につながる
    デジタルイラストなのに本当に綺麗
    長年親しんだ川の風景を思い出しました

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著者プロフィール

1873(明治6)年〜1939(昭和14)年)、小説家。石川県金沢市下新町出身。
15歳のとき、尾崎紅葉『二人比丘尼色懺悔』に衝撃を受け、17歳で師事。
1893年、京都日出新聞にてデビュー作『冠弥左衛門』を連載。
1894年、父が逝去したことで経済的援助がなくなり、文筆一本で生計を立てる決意をし、『予備兵』『義血侠血』などを執筆。1895年に『夜行巡査』と『外科室』を発表。
脚気を患いながらも精力的に執筆を続け、小説『高野聖』(1900年)、『草迷宮』(1908年)、『由縁の女』(1919年)や戯曲『夜叉ヶ池』(1913年)、『天守物語』(1917年)など、数々の名作を残す。1939年9月、癌性肺腫瘍のため逝去。

「2023年 『処方秘箋  泉 鏡花 幻妖美譚傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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