- Amazon.co.jp ・本 (335ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338193016
作品紹介・あらすじ
ある国の、ある時代に、「ドーム郡」という地方があった。ドーム郡の歴史に大きな影響をあたえた、心やさしい娘、クルミの物語。ドーム郡シリーズ全3巻、待望の復刊。
感想・レビュー・書評
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本作、著者不明の外国の本を見つけて訳してみたとのことですが、
あくまで設定で、実際には創作された感じなのかな、、全三部作とのことです。
これは冬の物語、人の心の凍てつきを打ち払うまでの、なんてフレーズが浮かんだ、
「森」とそして「人の心」を題材にした異世界の物語となります。
ジブリ辺りで映像化されたら結構似合うんじゃないかとも思ってみたり。
ちなみに元は1981年に出された児童書で、私が初めて読んだのは恐らく小学校高学年の頃。
それも『ズボン船長さんの話』と一緒に読んでいたかなとかの、うろ覚え具合。
唯一印象に残っていたのは、次の設定でした。
「登場人物の女性の背中に、何かから逃れるために、
赤子の時に大鷲(大鷹?)に掴まれて逃走した時の大きな傷がある」
たまに無性に読みたくなって、長年児童書コーナーを探してたのですが、
今の今まで結局行きつくことができていませんでした。。
大分あきらめモードだった所、今年度に入って、ちょうど司書の勉強もしていたので、
レファレンスサービスのトレースがてら、図書館に問い合わせてみたところ、、
新版が続編と共に出ていることを教えていただきました、感謝!
なお、子供の頃に読んだのはソフトカバーの旧版で絶版らしく、店頭にはまずなさそうで。
新版はハードカバーのため、ソフトカバーで探してたら、、そりゃ行きつけませんね。。
ちなみに記憶に残っていた「設定」は本作ではなく、次作『虹への旅』との事。
レファレンスの精度もですが、こんな無茶な問合せに回答いただいて、ただただ深謝です。
なお、すぐに行きついたわけではなく、何度かやり取りもしています。
その過程も丁寧で真摯で、、いいモチベーションになりました。
ん、情報サービスとはかくあるべきか、なんて。
さて、次巻は本当に長年探し求めていた一冊、今から楽しみが止まりません。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
物語の面白さもさることながらクミルとカカシがすごくいい。
二人の会話を読んでるだけでほっこりする。
だからこそクミルがカカシからタウラの剣を渡される場面は読むのが辛い。
ここまで夢中になって本を読んだのは久しぶりな気がする。 -
大学のゼミで読んだ。
枠物語の形式を持った凝った設定が、面白い。
作品のついていろいろ意見交換をした。
他の人が自分とは違う捉え方をしていて、そういう見方があるのかーと思った。 -
豊かな自然描写が素敵。わくわくする
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私がファンタジーものを好きになった原点ともいえる本。歌と踊りが大好きで優しい主人公、でもそれだけじゃ駄目なんだと、沢山の困難の中成長していく姿は心惹かれました。やっぱりかかしが好きですね、あののらりくらりしながらも大切な道標は素敵だと思います。皆さんの毎日が、楽しい日々でありますよう!
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物語の舞台は古い時代、あるところにあった「ドーム郡」。主人公クミルは心優しい娘で、小さな子供たちにたくさんのことを教えるのが夢だった。ある日その夢が叶い、クミルはドーム郡の首都・アイザリアで教師として働くことになる。ところが、ある事件がきっかけでクミルはドーム郡から追放されてしまう。「コノフの森」に住むヌバヨという人物を探さなければフユギモソウという植物によって、ドーム郡は滅びてしまうというのだ。旅を続ける中でかかしなどのユニークな人物たちに助けられながら、クミルは精神的にも成長してゆく。
どんな人でも、心の中に闇はあるけれど、それを乗り越えることが大切なのかなと思わせる一冊です。クミルの冒険は極めて困難ですが、それを乗り越えて初めてわかること。そういうものってたくさん世の中にはあるのかなぁと思いました。表紙絵(佐竹美保さん)に惹かれてすぐに買ってしまったのですが、損のない内容でした。一番好きなキャラはやはりかかしです。クミルを助けるという意味でも、最も重要なカギを握る人物(?)と言えるでしょう。2・3巻はまた主人公が変わるらしいのですが、ドーム郡が舞台ということは変わらないので、ぜひ読んでみたいと思いました。 -
ファンタジー好きは好きになるんじゃないかと思う。
このシリーズは全て好き。 -
こんなに綺麗で確りとした造りの表紙じゃなかった頃、相当前に読みました(笑)。
きちんと確立されている世界は安定しており、その世界で生きる人々も自然体で、物語自体にもメリハリがあり、読んでいて飽きることはまずありません。
理屈ぬきに面白い話だと断言できます。