- Amazon.co.jp ・本 (175ページ)
- / ISBN・EAN: 9784338321013
作品紹介・あらすじ
ライチョウに絶滅の危機がせまっている。高山の生態系がくずれ、急激にその数が減っているのだ。地球温暖化の影響も心配されている。ライチョウの保護につくす中村浩志先生のすがたを通して、日本の自然を考える。
感想・レビュー・書評
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中村先生のライチョウ保全に関する取り組みを、中学生向けにわかりやすく幅広い内容で書き下ろしした本。視点が国松先生からのため、中村先生著の視点に比べ先生ご本人の動きや言葉、活動内容が見てとれて非常に面白かった。特にニホンザルがライチョウを襲った場面は、中村先生が必死に追い払う姿が垣間見れた。カッコウの研究者としても功績のある先生が、どのようにしてライチョウ研究に戻られたのか、師匠の羽田先生がライチョウを神の鳥と見ていたため、卵の採取すら許していなかったというエピソードも、今まで読んだ本にも書かれていなかったので新鮮だった。また地球温暖化の説明やライチョウ保全のためのシンポジウムの記述も詳しく、ライチョウ保全のファーストブックとしては大人が読んでも十分だと思う。(ケージ保護・アブレ雄については本人著の方がより詳しく書かれている)写真がまた良い。購入すると印税に一部がライチョウ保全活動に寄付できるようだ。もし、少しでも気持ちのある方は是非。
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登山をするので、鹿の食害から降雨による山体崩壊まで、生態系には敏感。雨や霧の中で雷鳥に出会うとほっとする。雷鳥がいなくても人間世界は困らないという人がいるかもしれない。しかしそうやって知らない間に様々な生き物が減っていき、気がついたら山の恵みも受け取れない時代がくるかもしれない。
私は、遠い世界で色んな生き物が生きていることを考えるだけで、自然と力が湧いてくる。一つの種を守ることで様々な生命のバランスがとれることを考えると、たかが雷鳥、されど雷鳥なのである。保護活動に少しでも貢献したい。