花と流れ星

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344017238

感想・レビュー・書評

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  • 真備霊現象探究所。気になる3編。
    流れ星の作り方:少年の謎掛。殺人犯逃走。最後の一言に呆然。切なすぎる。(1番好み)箱の中の隼:新興宗教。
    花と氷:発明老人の企み。

  • 「過ぎていく時間と足並みを揃え、思い出は徐々に遠ざかっていく。そんな毎日の中で、胸にたくさんの花を咲かせて暮らしている人もいる。いつまでも溶けない氷を哀しんでいる人もいる。引いたリボンの先につながっているのが花なのか、氷なのか、そんなことは誰にもわからない。どちらがいいとは、きっと言えないのだろう。花は綺麗だけど、氷だって大切な思い出の証だ。捨てずにゆっくり溶かしてやれば、だんだんと水に変わってくれる。」「花と氷」より

    真備シリーズだそうです。
    前作は読んでいないので、わからないのだけれど、これだけ読んでも十分楽しめた。
    後発になる『カササギたちの四季』と似た雰囲気かな。

    どの短編集もとても好きだった。
    特に好きなのは、最初の「流れ星の作り方」とこの引用した「花と氷」かな。
    前者は最初ホラーかと思っていたらとても優しいお話といういい意味で裏切られた印象。
    そして、後者の「花と氷」は苦しいのだけれど柔らかい光が残る悲しくて温かいお話。
    どちらも好みでした。

    【10/26読了・初読・市立図書館】

  • 「背の眼」「骸の爪」の続編。
    生きていくなかで起こってしまう大切な人の死や別れ裏切りが、その人の人生に影響をあたえてしまう。それは仕方がないことだけど、生き方は自分で選び前に進むことができる。言い分けにぜず、人のせいにせず、自分を攻めず生きていきたいと思えた小説。

  • 真備霊現象探求所の3人のシリーズものらしい。
    最初の「流れ星の作り方」が好きだな。
    さすが!ミステリー作家!!の話で、「あ!」と思う話があった。
    でも、どの話も切なさが残る...よ...。

  • 短編集。
    『真備霊現象探究所』に勤める凛と真備。そこに依頼を持ち込んだ道尾の3人が体験する物語。

    流れ星のつくり方
    凛はバス停で出会った少年から友達の両親が殺された話を聞く。
    伏線回収がとても綺麗。最後の2行で鳥肌がたった。

    モルグ街の奇術
    マジックのタネと失った右手。

    オディ&デコ
    仔猫を拾ったが買えないと言われマンションのゴミ捨て場に置いてきた。小学四年生の女の子の嫉妬と猫を巡るお話し。

    箱の中の隼
    事務所に来店した美人は宗教の人だった。

    花と水
    事故で孫娘を死なせてしまった老人は自死を望む。

    生きていようが死んでいようが、人が最も哀しみを感じるのは、自分の気持ちをわかってもらえなかったときです。
    哀しんだ人は、いつになれば笑えるのだろう。笑うというのは、哀しみを忘れることなのだろうか。

  •  「真備霊現象探求所」の所長、真備庄介、助手の北見凛、真備の友人のホラー作家道尾がメインの登場人物の、短編集。
     少しオカルトめいた話もあるが、基本的に論理的に解決されるミステリー。
     どうやら彼らを主人公とした長編小説もあるようで、短編中に少しだけその話が出ていたので、それを読んでからのほうがより楽しめたかもしれない。

  • こちらシリーズ3作目!らしい…。
    道尾秀介作品は、10冊目なのに…このシリーズは初めて手に取りました。
    1、2作は長編、こちらは短編集。
    真備(マキビ)霊現象探求所というわりに、全然、霊的なことも摩訶不思議なことも起こらないけど、前2作ではもっとミステリーらしい。読まねば!

    流れ星の作り方を教えてくれた少年の哀しみ。
    手首を無くしたマジシャンの哀しみ。
    仔猫の幽霊に怯える少女の哀しみ。
    教祖の娘として生まれた元看護師の哀しみ。
    孫娘を失い人生を見失った老人の哀しみ。
    ちょっぴり切ない短編集。

    誰でもちょっとしたことでレールを外れる要素を持っている。
    そして殆どの人がレールを外れたことにすら気がつかないで、自分は〝まっとう〟だと信じて生きている。
    だって人は弱いから…。
    今年の22冊目。

  • 久しぶりに読んだけど、やっぱり道尾さん好きやわーとしみじみ。


    どことなく間の抜けた道尾がたまらない。
    頭の回転が速くてどこか常人離れした真備に、しっかりした凛。そこに道尾のゆるさが絶妙にマッチングしていて心地よい。

    やっぱり好きです、道尾さん。

  • これが現状の最新作。
    結構シリーズものを知らずに読んでいる人が多いようで。
    一応単体でも楽しめるけど
    一部~事件の後という記述があるので
    読んでおいたほうがベターだと思います。

    結末の切ない作品がほぼと言っていいです。
    ただし1作はまあハッピーエンドなのかな。
    だけれども幼いながらもやるせなさというのは
    ちゃんと感じるものなんだよね。

    あとはね…ある種の施設のお話は
    本当にどこまでもくるっているんだよね。
    しかもこういうところ、本当にあるんだから
    タチ悪いんだよ。

  • 本筋を理解した上で読むべき短篇。

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著者プロフィール

1975年生まれ。2004年『背の眼』で「ホラーサスペンス大賞特別賞」を受賞し、作家デビュー。同年刊行の『向日葵の咲かない夏』が100万部超えのベストセラーとなる。07年『シャドウ』で「本格ミステリー大賞」、09年『カラスの親指』で「日本推理作家協会賞」、10年『龍神の雨』で「大藪春彦賞」、同年『光媒の花』で「山本周五郎賞」を受賞する。11年『月と蟹』が、史上初の5連続候補を経ての「直木賞」を受賞した。その他著書に、『鬼の跫音』『球体の蛇』『スタフ』『サーモン・キャッチャー the Novel』『満月の泥枕』『風神の手』『N』『カエルの小指』『いけない』『きこえる』等がある。

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