カミカゼ

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 33
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  • Amazon.co.jp ・本 (429ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344022027

感想・レビュー・書評

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  • カミカゼ特攻隊の陣内武一がタイムスリップして現代に。日本の堕落ぶりを憂う。読みやすいのに深い。久々の星5。

  • 2015/4月
    特攻隊員がタイムスリップで現代に
    67年後の日本の危機にどう挑むか。

  • 2014/12 よかった。最初は永遠の0?と思ったけれどしばらくしてタイムスリップものに。神風特攻隊の現場の人間がすがっていたもの、やるせなき想い、そして軍国主義としてではない日本男児の美しさが感じられる本でした。

  • 【カミカゼ】 永瀬隼介さん

    太平洋戦争末期、神風特攻隊として鹿児島県大隅半島の海軍航空基地より沖縄に展開するアメリカ軍を叩くべく飛び立った陣内武一。
    僚機が次々と撃墜される中、敵空母エンタープライズに肉薄した陣内一飛曹。その刹那、彼は現在へとタイムスリップをしていた。
    彼は現在で炊き出しボランティアを行っているアルバイターの田嶋慎太、元新聞記者の小泉綾と出会う。日本の変化に戸惑う陣内、あらゆる物資に溢れ、豊に見えている日本に、反面、日々の生活に困窮し炊き出しに頼る人たちの存在を知り不可解な印象を描く。そして、現在の日本を糾弾し改革を叫ぶ団体と接した時、彼は航空基地での後輩が現在の日本の大物フィクサーとなっているコトを知る。



    よかった。すごくよかった。。たまたま図書館で目についた本だけれども他の人のレビューを読んでいると、どうやら「永遠の0」に近いモノがあるらしい。陣内が現在に来て、図書館で日本の歴史を知る。あの行は特に心に沁みた。日本の未来を願って飛び立った特攻隊員。未来に一縷の希望を持って飛び立った彼らの死は結局報われる事は無かった。それを知った時の心の悲哀を想像すると目頭が熱くなります。いい本だったなぁ。。。オススメです。(^^)

  • 戦争モノなんだけど不思議と現代とリンクする。厳しい時代に生きた人だからこそ醸し出される、凛とした空気が伝わって心地よい作品。
    一方で現代の日本の危うさを直視せざるを得ない。
    普天間の問題、東日本大震災、中国との関わり。外交上実は安穏とできるような状態ではないのに、私たちはそれから目を遠ざけようとしているのかもしれない。でも実は破綻はすぐそこにあるのかも。それに対する備えのないまま、日々を楽しんでいてそれでいいのかなあ、と考えさせられる本だった。

  • 昭和20年5月14日、23歳の特攻機搭乗員、神内武一は沖縄戦線に出撃して敵空母エンタープライズに突撃寸前に67年後の東京にタイプスリップ。同年代の小泉綾と田嶋慎太と知り合う。二人は年代物の飛行服を着て言動に不自然な武一をいぶかしるがその後に関わることになるテロ事件の勇気ある行動に惹かれていく。
    最後のフィクサーと呼ばれる89歳の刀根恒介との出会いは感動的。孫のような武一を兄貴と慕う。二人は特攻隊員だった。
    前半、タイムスリップ前は「永遠の0」みたいな感じの展開だったが後半は米軍沖縄基地の問題による日米の次官級の秘密裡の会談、米国の副長官を狙うテロ。東アジアと米軍の関わり、低迷する経済、無責任で優柔不断な日本の政治家など読みどころ満載。テロに立ち向かう武一にカミカゼファイターど副長官は絶賛。最後は銃撃を受け10階の窓から転落したっきり。昭和20年にまた戻ったのか。サスペンス的なSF的な感動的な話しでした。そして武一に垣間見られる人間愛に感銘を受けるとともに日本という国の危機感を覚えた。

  • 戦後68年たった現在。戦時中とはなにもかも違い、豊かで経済発展を遂げた日本。しかし何か大切なものを忘れてしまったような。陣内武一の愚直なまでの真っ直ぐな生き方。感謝する気持ち、人を大切にする気持ち、勇気、信念、そして命の大切さ。真似はできませんが日本人としての誇りを持ち先人に感謝しながらこれからの毎日を過ごしたいと思います。

  • いろいろなテーマが存在する
    豊かとはいえない時代に生きた男の純で外見にとらわれない人を真っ直ぐ見つめる、人の良い面を見い出す心の在り方
    危機感のない日本の政治家たち
    東アジアの安全保障
    アメリカ合衆国と日本国の関係
    そして、テロリズム
    起こるアメリカと日本の関係を揺るがす事件
    一番の見どころは《繋がり》
    終盤に《繋がる》過去と現在、敵と味方
    過去の若者と現在の若者はこの危機を回避することはできるのか!!
    http://momokeita.blog.fc2.com/blog-entry-253.htmlより

  • その男はタイムスリップして現代にやってきた。3人の若い男に絡まれているところに、慎太と綾が通りかかり助けようとする。
    それが武一との出会いだった。
    帰るところが無いという武一を慎太は自分のアパートに連れていく。
    この慎太がとても良い。

    テロを企てる学者とか、武一の特攻仲間のフィクサーとかも絡み、日本の危機かという場面に立ち向かう事になった3人。

    戦争とは何かと考えさせられる作品だった。

  • 特攻隊として空母エンタープライズに投下の瞬間に67年後の現代にタイムスリップ。フリーターの青年に世話になりながら現代日本を理解する中、最後のフィクサーとなった戦友に出会う。再び日本をすくう為テロリストと戦う、ラストサムライ。彼の優しい心が67年を経てアメリカ、日本を助ける。凛とした主人公の言動に微笑みながらも、うるっとくる。戦時中の描写にはあの「永遠の0」を思わせる人を愛することの力強さを知る。

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著者プロフィール

永瀬隼介

1960年鹿児島県生まれ。國學院大學卒。週刊誌記者を経てフリージャーナリストとなり、祝康成名義で『真相はこれだ! 「昭和」8大事件を撃つ』を刊行するなど事件ノンフィクションを中心に活躍。2000年『サイレントボーダー』で小説デビュー。事件現場で培った取材力を活かし、現代の深部を抉る骨太のサスペンスや犯罪小説を発表している。近著に『帝の毒薬』『カミカゼ』『三日間の相棒』『白い疵 英雄の死』『12月の向日葵』など。ノンフィクションに『19歳 一家四人惨殺犯の告白』などがある。

「2022年 『殺し屋の息子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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