- Amazon.co.jp ・本 (449ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344027138
感想・レビュー・書評
-
勇ましい物言いが“言論”として喝采を浴びるようになってから久しい。暴論を吐けば何かを言ってるような気になる。それが“保守”と呼ばれ、ついにはその代表が総理になった。
それが『戦争論』以後の歴史である。
自分ももれなくその渦の中にいた。そしてそれは覚悟なき責任なき“評論”ですらない井戸端の戯言だったのだ。
責任を背負うと自ずと言動も変わる。実行を伴わなければならないからだ。結果を求められる。
責任を背負うとは覚悟を決めるということである。公私ともにそれと向き合う時が来たのだ。
覚悟を決めるとは現実と折り合いをつけること。現実を知ること。そして葛藤すること。
この作品は全く痛快ではない。
軽快に誰も切らない。
覚悟を問われる。
そんな作品だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小林よしのり氏の主張炸裂。読み応えあり、面白い。
-
<b>まだまだ、よりしんは元気</b>
イスラム国の邦人2名の殺害事件前に書かれたものらしい。
全体的に丸くなったかなという印象。
正直、主張は相変わらずといった全体構成。
冒頭のSF的な導入だけでなく、無人兵器はもっと取り上げてほしい。
イスラム国、安保法制をパート2でどう盛り込むのか興味深い。
その他
・イラク戦争を前著作「戦争論」から振り返り
つくづく、米国の貧困層で志願・戦死した若者はお気の毒である。
・おなじみの唐突な長めの美談推しエピソードは、ちと?
・サヨク、ポチに次ぐ第三の敵、ネトウヨ(小物臭が)。
でも、自分の著作を表層的にしか理解しないことって、完全に無関係で片づけられないのが苦しいところ。
それに、著者は、長年中韓の様々な状況を直接非難しているので、そのように喧伝しているサヨクを批判しただけというのは絶対におかしい。
だから、よしりんのネトウヨ批判は親子対決である。
・安部さんの靖国参拝答弁は、どうしたってあんな物言いになる。それを上げ足を取るのは可愛そう。
・ブラジルの勝ち組、負け組のエピソードは初見。
これは、示唆に富む。
また、当時の日系人が礼儀知らずな人々として描かれていて、今後の仕掛けを感じます。
ワード
「設計主義」(←新しいかな)
「現場を持て」
「国、公、私」 -
いい視点なんだけど、なんか、皮肉を感じて読みにくい
-
もちろんその論調に全面的に合意できるものではないし、ナルシスティックに戦争美化する点などは嫌悪もする。ただ、このエネルギーと取材の綿密さはどうだ。戦後間もなくのブラジル移民コミュにおける勝ち組負け組の一連のルポを現代のリテラシーや国民分断の論へと繋げるセンスなんざ、巷のありふれた評論などはかすんでしまうだろう。自分の立ち位置を主張したうえで繰り広げる世相感は、その主張ゆえにどうしてもバイアスをかけられてしまうが、分析自体は中立平等の極みであり、主張ゆえに潔く、信頼できる。そう考えると損な役回りをあえて引き受けているということをもっと世間は称えるべきとも思う。
-
失礼な言い方だけど、すごく勉強してますね。
あらためて感じました。もう一度じっくり読んで自分ももっと勉強します。 -
しっかり読むのは初めて。
表情の描き分けはじめ絵が意外とうまい。ちゃんとした漫画家なんだな。
そして、アジテーションとして漫画という表現形態は非常に効果的だ。極論でも、絵がつくと勢いでごまかせる。ただ、その分、外してしまうとこれほど寒々しいこともないのだが。戯画的という言葉に、若干の侮蔑が含まれるのは、致し方ないことなのだ。
内容は相対主義に立った穏健な保守主義が彼の立場で、サヨクウヨクをどちらにも与していない(というか=で観ている)。それ自体のバランス感覚は大賛成なのだが
どうしても時代性を帯びるから、2年経つと興奮も少ない。そして、あまり深みは感じられない。
彼はあえてやっているのだろうが、あえてでもなんでも自画自賛というのは、みっともない。
それと、もう少し構成を練れないものか。章前後の脈絡などがちぐはぐなのが気になった。
戦後のブラジルの混乱などは初めて知ったのだが、知識の新しさよりも思想としての強さを読みたいのだ。 -
字が多すぎるのと、絵が汚すぎるので、読みにくい。
-
戦争論をいくつか出してる著者が改めて出した戦争論。
漫画なので読みやすいかと思いきやさにあらず、非常に重厚なテーマということもあり、実に読み応えがあります。
小林よしのりというと保守というイメージだけれど、決して戦争礼賛ではなく、きっちり戦争の悲惨さを描いてるところや、それでも軍備が必要だと説く姿勢は好感が持てた。