- Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344027534
作品紹介・あらすじ
世界で最も尊敬される現役美術家が、クリエイトする力を明かす。
感想・レビュー・書評
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いかにも篠田さんらしく淡々と103歳になって思うこと感じること等を縷々したためてある。思えば以前偶然に見たNHKの「SWITCHインタビュー達人達」で当時104歳の日野原重明さんと103歳の篠田桃紅さんを追った番組で篠田さんを初めて知った。そこでも恬淡として語り行動する姿がとても印象的でした。
さて、ここでは私達に教えるでもなく諭すでもなくただただご自分の103歳時点の心持ちが綴られています。それが返って読者に様々に受け止めさせるのでしょう、版を重ねる結果となったのですね♪
我等と違い先駆で非凡だった彼女が綴っているそれぞれが、まったく押し付けがましくないことが逆に実に多くの示唆に富む!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
篠田桃紅さん、3月1日早朝、老衰でお亡くなりになりました。107歳。大往生ですね。
この作品は、タイトルからもわかるように、著者が103歳の頃に書かれたものです。
章立ては、
第一章 103歳になってわかったこと
第二章 何歳からでも始められる
第三章 自分の心のままに生きる
第四章 昔も今も生かされている
ウィキペディアによると、著者は、
篠田 桃紅(しのだ とうこう、本名:篠田 満洲子、1913年3月28日 - 2021年3月1日)は、日本の美術家、版画家、エッセイスト。映画監督の篠田正浩は従弟にあたる。
●2022年5月7日、追記。
篠田桃紅さんは、「水墨による抽象表現で国際的に活躍した芸術家」とのこと。(聖教新聞より)
富士山の美しさを「絵の具で描き表すことは到底できない」と墨で描いた。 -
申し訳ないのだが、この本がいろんな場面で取りざたされていて、その事によって篠田桃紅さんという方を初めて知りました。
アートは好きなのだが、まだまだ知らない事だらけ。
とても興味深い話ばかり。
かっこいい女性の先駆けだったのだろうな。自分を信じてまっすぐ生きていくというのは、なかなか出来るものじゃない。 -
もともと一人で生きてこられた方なのだから「人生は一人でも面白い」ということを「103歳になってわかった」とするのは誇大見出しのような気がする。たぶん篠田さんは、30歳のときも、50歳のときも、80歳のときも「人生は一人でも面白い」と思っていたのではないか。とはいえ、「百歳はこの世の治外法権」はなるほどなあと納得した。
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数えで103歳の現代美術作家が書いた本
女性は適齢期に結婚するのが当たり前の時代に、一人で家を出て、一人で海外で生活。遅咲きの作家としての人生をスタートして生涯結婚もせず子供もいない。
人に迷惑をかけず自由に生きる。
孤独を当然の事として受け止めて、寂しさに負けそうになることもなく泰然と生きる姿はとても潔く凛々しい。
やりたい事をやるのに遅すぎる事はない。
しょせん人間は一人で生まれてきたのだと思えば
気持ちも随分楽になると思った -
篠田桃紅さんが先日(2021年3月1日)107歳で亡くなったことを知りこの本を手にとった。103歳の頃の本だ。短い随筆集だが、知恵に溢れ、生き生きとした文章。こういう生き方なら歳を取るのもいいな、と思った。知性、健康、意思にも恵まれた人だと思った。色紙にも書かれている『自然の一部として生まれてきただけと思えば気負いがなくなる』の言葉は、疲れた心を慰めてくれる。
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103歳で、これだけのことが書けるとは素晴らしい。もちろん、103歳だからこそ書ける内容なのだが。
与謝野晶子「人の世を楽しむことに我が力少したらずと嘆かるるかな」
人生を楽しむには、知識と経験が必要なのだ
自分が述べたいことに、根拠として古典や尊敬できる人物とのエピソードをあげられるのは、人生を楽しむに足る知識と経験を積んだからなのだと思う。
會津八一「天地にわれ一人いて立つごときこの寂しさ君は微笑む」法隆寺夢殿救世観音を詠んだ歌 -
作者は103歳でこの本を描いたようだが、
恐らく60歳の時でも大半同じ内容を描いたと思う。
そう感じさせる程、パーソナリティ(感じ方)と一般論が多い。私個人としては、年長者には「辛さの扱い」や「利他」のエピソードをもっと聞きたかった。 -
103歳の筆者(現在は106歳!)の言葉はやっぱり重みがすごい。
知識よりも経験。
頭でっかちな自己啓発本よりもためになる。
四時代を生き抜き、結婚せず芸術に命を吹き込む生き方は女性たちにこれからも勇気を与え続けてくださることだろう。 -
103歳だからわかったというよりは、ご自分の生き方を103年でよかったと証明されている。という印象。スパッとしたいい口は、爽快でスッキリとした印象を受けました。
人生に正しい、間違いなんてないのよ。って私は思います。