わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (237ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344031234

感想・レビュー・書評

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  • あなたにとって、今一番大切な人のことを思い浮かべてみてください。それが誰になるかは、人の数だけ答えがあります。彼、彼女、夫、妻、父、母、友達…、とあなたは誰かと繋がっています。そんなあなたは、その誰かのことを大切に思い、その人と過ごす時間を大切にしたいと思うはずです。では、その人と共に過ごすことを思い浮かべた時、そこにはどのような場面を思い浮かべるでしょうか?共に楽しい時を過ごすとしたら、どのような場面を設定するでしょうか?これまた人によって色んな場面が思い浮かぶでしょう。でも、そんな場面にはどうしても”食”は欠かせないと思います。同じテーブルを挟んで向かい合う大切な人との時間。それは何ものにも変えがたいものがあると思います。そして、その人ともっと一緒に大切な時間を過ごしたいと思ったら、”旅”に出かけることもはずせないでしょう。予定通り事が運んでも、思わぬトラブルに遭遇しても、旅は道連れ、同じものを見て、聞いて、そして感じるその時間は、大切な人と過ごしたかけがえのない記憶として二人の中に刻まれていくのだと思います。

    二人の大切な時間を彩るものとしてはずせない”食”と“旅”。この作品は島本理生さんが”食レポ旅レポ”に挑戦する物語、そして三十代という時代を生きる女性の姿を通して人の生き方を考えていく物語です。

    『「今夜うちで蟹鍋でもしませんか?」と椎名さんから誘われた』のは主人公の石井知世(いしい ちせ)。『まだ肌寒い春の朝』の『ベッドの中でしばし迷った』知世。『家に行ったことはまだない』と椎名のことを思う知世。『半年前に仕事で知り合ったWEB制作会社の人だ。年上で、美味しいものが好きで、時々一緒に食事に行く』という二人の関係。『ちょっと優柔不断そうだけど、優しい』と考える知世。『蟹鍋なんて、どうしたんですか?』というメールの返信には、石川県に実家のある友達が仕事のお礼にくれたこと、『明日までに食べないと傷むから』と書かれていました。『差し迫った誘いにちょっと尻込みしつつも、思い切ってお受けした』という知世。そんな知世は一方で『温和な上司に、謝っても取り返しはつかないから、と言い捨てられた』、『紛れもなく私の責任だ』という仕事の『重大なミス』に『無理にでも気分を変えないと、ずっと部屋に籠ってしまいそう』と落ち込んでいました。そして『リビングに入ると、ベランダの窓からは夜空がよく見えた。細い月が浮かんでいる』という椎名の部屋を訪れた知世。『もうじきできるから』と『台所で蟹を解体していた』椎名。『緊張する間もなく湯気の立つ鍋が運ばれてきた』という『昆布と白菜と豆腐だけのシンプルでも美しい鍋』、『大皿いっぱいの蟹の足』に『すごい贅沢』と漏らす知世。『にこっとしてスパークリング日本酒を出した』椎名。『すごい。美味しすぎます』と『女子高生のように、すごい、とくり返した』知世。やがて『蟹の殻が山積みになると、二人でしばし飲んだ』というひと時。『椎名さんが時折こちらを見るので、このままセックスしちゃうのかな、と考える』知世は『断るのも悪い気が』する一方で『今は正直そこまでの元気が出ない』という心境。『これ、蟹と一緒に届いたお菓子なんだけど』と『ころんと丸い苺のお菓子』を出す椎名。『さくさく軽くて、まわりはホワイトチョコなのに全然しつこくない』というお菓子を食べて笑顔になる知世に、目で笑う椎名。『そろそろかも、と私は肩に力を入れた』という瞬間。『だけど椎名さんはゆったりと向かいのソファーに腰を下ろした』という展開。『元気がないときに口説いたりしないから。のんびりしていきなさい』という椎名。『気づかれてたんだ、と恥ずかしくなりながらも、いっぺんに力が抜けてソファーにもたれた』知世。『最後に甘いものを食べて、ようやく一区切りついた気がした。食事も落ち込みも』と再び前を向く知世。そんな知世と椎名が”食”と”旅”を通じてお互いを知り、椎名が抱える秘密がもたらす不安を二人で乗り越えていくそんな姿が描かれていきます。

    『いくつもの食や旅を通して、他者や自分自身を発見していく過程を描きたかった』と語る島本さんが描く”グルメ食レポの旅“という側面も魅力的なこの作品。島本さんとグルメって?と興味深々に読み始めましたが、その食べ物と食事の風景のリアルさにグッと惹かれるものを感じました。そして、それはその章の見出しのこだわりから一気に引きずり込まれるものでもあります。〈桜、生しらす、春の海〉というもうそれだけで美味しそう!という雰囲気が伝わってくる第二章。『江の島あたりにドライブ行きませんか?桜見て、生しらす丼食べたいと思って』という椎名の誘いから始まった日帰りのドライブ。『海沿いの国道を走っていると、緑色の島が見えてきた』、『駐車場に停めて、道へ出ると、もくもくと煙が立ちのぼり、焼きイカやサザエのつぼ焼きの香ばしい匂いが、潮風に乗って流れてきた』と、思わずそれ食べたいんですけど!と読者であることを忘れて立ち寄りたくなる江の島の光景。『お店には長蛇の列ができていた』という目的地で順番を待つ二人。ようやく店内に案内されて頼んだのは『鎌倉ビール』。『苦すぎなくて、でもちゃんとコクがあって、贅沢な気持ちになった』という食の始まり。『甘く煮たつぶ貝をこりこり食べながら喋っていると』ついに、目的の品が登場します。『透き通ったしらすがたっぷり盛られたどんぶり』を見て『すごい。薬味の生姜と紫蘇以外は、ぜんぶしらす』、『やっぱり新鮮だなあ。いただきます』としらす丼を前にして幸せそうな二人。そして『さっと醤油をかけて一口運ぶと、想像以上に甘くてびっくりした』、さらに『変な後味も全然なくて、口の中で噛んで弾けては、溶ける』というそのしらす丼。『生しらすってこんなに美味しいんですね。ぷちぷちしてて、醤油とよく合う』と幸せそうに食べる知世を見て『君は美味しそうに食うな』と感心したように褒める椎名。これらの文章だけであなたの目の前には美味しいしらす丼と共に幸せな時間を過ごす二人の情景が目に浮かぶのではないでしょうか?同じテーブルを挟んで、同じ美味しいものを食す、そして二人の距離がグッと縮まってその関係が新たな段階に進んでいく。この作品ではこのような感じで幾度も色んな場面の色んな”食”の風景が描かれていきます。その説得力に、”食”というものが持つ力を改めて感じされられました。

    “食”と”旅”の情景が印象的なこの作品で島本さんがもう一つこだわりを見せるのが、”三十代”という年代を迎える女性の心情に迫る物語です。2017年5月18日という島本さん34歳の誕生日に出版されたこの作品にはそんな島本さんがリアルに感じる三十代の女性の内面が、主人公・知世、そして友人女性たちの心の内を通して綴られていきます。『三十代って中途半端だなあ、って思う』と呟く知世。それは『上にも下にも挟まれて、結婚や子供の話題が無関係にも冗談にもならないから、変に気を遣われて』というその理由。『そのわりに比較され要員っていうか』と続ける知世の感じる三十代。確かに三十代という年代は、若いとは一概には言えなくなり、そうは言いつつも、人生の基盤を固めていくことを否がうえにも求められるそんな時代なんだと思います。そんな中途半端感にやりきれない思いで三十代の生き方に戸惑う知世。そんな三十代という年代は中途半端に知りすぎ、中途半端に知らなさすぎる、大人としては微妙な年代なのかもしれません。そして『三十歳になった途端に自分を堅く水気のない豆腐のように感じていたのも事実だった』というまさかの豆腐を使って三十代を語る知世は『中途半端に崩れやすいまま形が定まってしまったような』とその三十代の中途半端感を表現します。そして、知世の前に現れた椎名。そんな椎名は『なに一つ特別じゃない私の話をいつまでも飽きずに聞いてくれて、真剣に心配したり、絶対に傷つける言葉を使わずにアドバイスをくれたり』という役割を果たしてくれました。『旅行すれば、楽しくて、なにを食べても二人一緒なら美味しい。初めてだったよ。そんな人』と感じる知世。そんな知世は、椎名との出会いの中で『絹のようにつるつると、まだまだ滑らかに揺れることができるのだ』と三十代の自分を豆腐の例えを使って前を向ける気持ちを示していきます。そう、知世が、彼女の友人たちが気付いたように、三十代という時代は、中途半端であるが故に、カチコチに固まり切っていないが故に、まだそこから色んな可能性を見出していける年代でもあると思います。この作品では、そんな気づきの瞬間が人との出会いの中から生まれていくことが描かれていました。『人と人が出会うのは、やっぱり素晴らしいことだと思います』と語る島本さん。『思いがけず救われる言葉。自分一人では得られなかった価値観。見慣れていたはずの風景が変わる』という人と人との出会いの時間に注目する島本さん。そして『そんな美しい瞬間が見たくて、小説を書いていくのだと思います』とまとめる島本さんが描くこの作品。そんな作品には、島本さんが得意とされる、迷いの中にいる女性の心の揺れ、そしてそこから一歩踏み出して行くまでの心の機微が絶妙に描かれていたように思います。その描写は極めて繊細で、それでいて”食”と”旅”というエッセンスの追加によって、暗くなりすぎずに極めて爽やかに描き出される物語は、読後感のとても良い作品になっていたとも思います。

    『誰かと楽しく食事をすること、旅をすること。どちらも意外とハードルの高い行為だと、個人的には思います』と語る島本さんは、”食”と”旅”には『自分と他者は違う人間だということ。それを認めた上で、受け入れたり、時には主張しながら、協調していくこと』という側面があると続けます。思えば我々の生活の中において、気のおける誰かと想い出を語らう時、そこにはあの時の”食”の光景が、あの時の”旅”の情景が思い浮かぶのではないでしょうか。そして、そんな想い出を語る時にふと気付くこと。それは、あの”食”の時間、あの”旅”の時間、それらを”楽しかった”、”幸せだった”、そんな風に感じた先に今の二人の関係があるのだということ。そして、そんな二人の出会いが、それぞれの人生の中で、今の自分自身へと繋がる何かしらを分かち合ってきたのだということなのだと思います。

    ああ、彼と、彼女と美味しいものを食べに出かけたい!彼と、彼女と楽しい旅に出かけたい!島本さんの絶品の”食レポ旅レポ”と共に、そんなことを感じさせてくれた、幸せ感に満たされる作品でした。

  • 繊細で静かな恋愛小説だった。
    銀のフォークのように、ガラスケースで保存しておきたい作品。

    30歳になっても、まるで10代のようなピュアな恋愛をすることがあるんだなって。
    だけどやっぱり登場人物たちは30歳で。その歳ならではの悩みや現実も描かれていてリアルだった。
    知世も、茉奈も、飯田ちゃんも、知夏も、それぞれの恋愛事情があって。
    私たちはただありふれた普通の恋愛をしたいだけなのに。少女漫画のようにただまっすぐに幸せなゴールがあるような。なんでそれがこんなにも難しいんだろう。

    それにしても椎名さんは、ずるい。
    男らしくて優しくて、病気を持っている、年上の男。
    病気を持っていなかったら、簡単に近づける距離感だったら、たぶんこんなに惹かれていなかった。知世も、私も。

    最後の花言葉の一覧もよかった。
    彼女らがずっと幸せでありますように。

  • なかなかよかったです(^^)


    知世と椎名さんの
    穏やかなやりとり
    その中にじんわり潜む不安


    どうなることか思いながら
    共感できる表現も多く
    読み進めてました



    知世目線だけでなく
    たまに挟まれる
    茉奈や飯田ちゃん、知夏の目線も
    とてもよかった

    知夏もやな奴なだけじゃなかった笑
    それをさりげなくわかってる椎名さん。
    好きです!笑


    島本さんの作品はあんまり読んだことがないのですが
    表現が好きなところが多かったです

    恋愛モノが多いのかな?
    他のも読んでみようと思います(^^)

  • 3日間かけて、ゆっくりゆっくり、気持ちをかみしめるようにして読んだ1冊。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    1話目の「蟹と、苺と金色の月」から、もう引き込まれてしまいました。

    この短編は、主人公の知世(ちせ)と椎名さんの恋愛がはじまる一歩手前のお話なのですが、3ページばかりのお話にも関わらず、何回読んでもキュンとしてしまうのです。

    読んでいて気づいたのですが、この「蟹と、苺と金色の月」の語り手、じつは主人公の知世なのですが、語り手である知世の“”名前”は、一切出てきません。
    そのため、このお話は「椎名さんと“わたし”のお話」という感じがつよいのですが、そこがまた、すごくいいのです。

    なぜなら読んでいると、“わたし”(知世)と読み手である自分が溶けあっていき、まるで椎名さんの相手が自分のような気がしてくるからです。
    そしてオトナの魅力あふれる椎名さんの優しさに、直に触れられたような気がして、恋がはじまる前の感覚を、心の底から味わえるのです。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    だからこそ、2話目「桜、生しらす、春の海」での椎名さんの“告白”は、衝撃的でした。

    1話目で、そういう可能性をまったく考えさせないくらい甘い恋のはじまりに酔いしれていただけに、ものすごく、衝撃を受けました。

    もし自分が恋した相手が、椎名さんとおなじ苦しみを抱えていたとしたら…?
    長い人生のなかで、その可能性はゼロではありません。

    短編のなかには椎名さんと知世だけでなく、知世のまわりに在る人たちのお話も織り込まれていています。
    1話1話のお話が、とてもせつなくて、セリフや語りの1つ1つが、見えない世界を見せてくれました。
    知世側から見るとイラッとする人も、その本人の語りで進んでいく話を読んでみると、そういう生き方を選んだ理由がちゃんとあるのです。

    早く読み終わろうと思えば、読めたと思います。
    でもわたしはこの本を、3日間かけて、ゆっくりゆっくり読みました。

    ひとつひとつのセリフがとても心に染み入って、1話読み終わるたびに、息をちゃんと整えて心を落ちつけました。

    「『知夏もあんなになっちゃうし、知世だっておそろしいことするし、どうして親が安心できないことばかりするの』
    だけどお母さん、と海からの熱い風を受けながら、ぼんやりと考える。私はこんなに幸せだよ。」(228ページ)

    「世界が暮れなずむ。なぜか、絶望みたいだ、と思った。なにも欠けたものがない。
    ゆるぎなく、無理もなく、満たされて、だけど私たちは確実にいつか死んでいく。それを自然と想像できるくらいに幸福だと気付き、希望とはなにかが足りないときに抱くものなのだと悟った。」(230ページ)

    絶望していることを「なにも望んでいない状態」ととらえ、生きることも死ぬことも自然だととらえられたときこそが、幸福なときなのだ、と言いきるこのくだりは、特に新鮮でした。

    ちょっと極端ではありますが、けれど、あれもこれもと望んでいる限り、そして時間は無限につづくと信じている限り、幸せはつかめないものなのかもしれません。
    命には限りがある。
    それをすっと受け入れて生きられたらきっと、絶望のなかにさえ幸せを見つけることができるのだなと、感じました。

    タイトルの意味がラストですっと、心のなかに溶けていきました。

  • 装幀とタイトルに惹かれて、手に取った作品で、三十代の知世と歳上の椎名さんとの、食と旅を絡めた恋愛小説❗

    島本作品の中では、とても毛嫌いするキャラクターが登場することもなく、割と穏やかな気持ちで読み終えることができました♫

    印象的なエピソードは、『桜、生しらす、春の海』と『SL列車、永い夜、鹿と目が合う』、『石垣島、新婚、夢の話をしよう』の三編です❗重い話しがありながらも、前向きにさせてくれるオススメ恋愛小説です♫

  • 王様のブランチの特集で取り上げられていて、気になって読んだ1冊。
    主人公・知世が出会った椎名さんは年上でいい人だけど、HIV感染者だった…
    恋人が治らない病気だと知っても、愛する勇気があるのか、問い掛ける作品。奇しくも、3日前には闘病中の小林麻央さんが亡くなった。愛する人が病に冒された時、自分はどうするのか?とても考えさせられる内容だった。
    知世の他にも、友人や妹の目線から描かれた作品もあるが、章ごとに描かれる旅の景色や料理も絶品。
    中でも、自分が気になっていた箱根の星野リゾートや直島など、タイムリー過ぎて、それだけで満足!それにも増して、箱根の星野リゾートで出されるビールがハートランドって言うから、思わずハートランドを飲んでしまった…
    恋愛小説としても、極上。そして、旅小説としても、グルメ小説としても極上の1冊。

  • なんて素敵なお話と出会えたんだろう。
    美味しいもの小説はたくさんあるけど、
    生き方や幸せについて考えさせてくれるお話はとても貴重だ。出てくる30代女子たちは、何一つ特別じゃないけど頑張ってるよ。性格の悪い妹の気持ちまでがわかってしまう。

    ちなみに美味しいものも最高。
    章タイトルを並べるような感想になってしまうけど、
    蟹鍋に微発砲の白、乾燥いちごの甘酸っぱいお菓子。桜に生しらす丼。雨の日のやきとり。もう最高。知世ちゃんと自分が食の好みが合いすぎる。
    椎名さんみたいな人も最高。
    仕事帰りに映画館デートとか、帰りに原作本くれるとか。

  • 最初の方の二人の空気感がよく、それに惹かれてページを進めることができた。共感するところがあったものの、30代にしては、ピュアかなとも思いつつ(こんなもんなのかな)、そして、最後まで最初の空気が続かなかったので残念である、私にはそう感じた。友達の話とか、病気の問題があり(それが物語でもあるが)、食べ物の時の表現とか、それが続かなかったと。しかし、幸せそうな感じは伝わるし、まあ、素敵な表現がいくつかあり、うまくまとめたなという感じで、読んでよかった。他の作品も読んでみたくなりました。
    椎名さんは優しく素敵だな〜。

  • 基本的には知世ちゃんと椎名さんとの恋愛なんだけど、
    所々で知世ちゃんの友達の茉奈や飯田ちゃん、
    妹の知夏の話が出てきて、読みやすかったよー。

    知世ちゃんと椎名さんは、年齢も離れてるし、
    椎名さんはバツイチ、持病(エイズ)あり。
    だけど、いろいろな不安があっても一緒にいられるだけで、
    幸せを互いに感じ合っている。
    そんな2人が悩みながら付き合っていく感じが、
    とてもステキでしたー!!

    知世ちゃんがお酒飲むのが好きで、ごはんもいろいろ
    出てきて、美味しそうだったー!!
    ものすごい、大きな展開はなくても、
    なんだかほっこりする話だったよー。

  • 誰が主人公になるかでその人に感じる感情が変わる。結局人はなんでも自分のモノサシで判断するしかなくて、思い込みをしてしまう。人の意見に惑わされず、自分が見たものを信じていい。
    そんなことが表現されてたのかなと思いました。

    知世の彼氏はHIV患者。
    同じ人を違う目線でかかれているのが印象的だった。
    もしかして「〜っぽい」ってすごく失礼なことなのかも。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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