WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 〜現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ〜 (NewsPicks Book)

著者 :
  • 幻冬舎
3.90
  • (67)
  • (109)
  • (59)
  • (12)
  • (3)
本棚登録 : 1174
感想 : 119
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344032910

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 2018年7月30日読了。

    ●ミラン・クンデラ「存在の耐えられない軽さ」
    →軽さと重さ、どちらが上位概念か問いかけられる。
    →転じて、「安心と自由」どちらが重要か。ら

    ●ネット以前の社会で、企業価値が高い会社は
    幸せの象徴になりえるものを扱っている会社
    だった。銀行、車、電化製品。

    しかし、身に纏うものがアイデンティティとなる
    時代は終わってしまった。

    「何を手に入れているか」よりも「何をやって
    いる人か」「なぜやっているか」

    ●ユニクロ・柳井正
    「我々は産業や企業のボーダーが消滅する構造の
    変化のなかで、お客様のために仕事をし、情報を
    商品化する新しい業態『情報製造小売業』に
    変わらなければならない」

    ●P81
    エージェントがいること、ファンコミュニティを
    持っていること、この二つこそがクリエーターが
    作品に集中出来る環境を作り出すために必要だと
    確信を持って考るようになっていった。

    ●P99
    楽天以外にも、コミュニティを作って成功している
    企業がある。「無印良品」「ほぼ日」
    「北欧、暮らしの道具店」「スコープ」などだ。

    ●P146
    SHOWROOMの創業者・前田裕二さんの
    『人生の勝算』は、コミュニティの5つの要素
    として…
    「余白の存在」「常連客の存在」「仮想敵を作ること」
    「秘密やコンテクスト、共通言語を共有すること」
    「共通の目的やベクトルを持つこと」
    宗教や明治維新など、この5つの要素がある。

    ★『1枚目のドミノはたった一人の熱狂』だと
    僕は書いたが…。

  • ・つなげる、から、コミュニティ支援へ。
     ザッカーバーグ

    ・夏目漱石の主題
    「コミュニティで生き続けた人が個人としてどう生きるか」

    ・子供の頃の欲望に忠実になること。
     それが新しいビジネスを生む。
     ubeしかり。
     不自由な社会に自分を合わせるのではなく、
     社会を自分の欲望に合わせてupdateする。
     →欲望の理解が大事。

    ・何を手に入れているか、より、
     何を/なぜやっているかがだいじな時代。

    ・問題解決型にかけている考え、
     「why」

    ・コンテンツ産業は、ソフト産業に見せかけたハード産業。いかにしてソフト産業になれるのか、が課題。

    ・「大ヒットしないことを気をつける」佐藤雅彦

    ・日本酒ではなく、ホームパーティーを売る。

    ・ファンコミュニティは、
     質×ファン数×関係の深さ

    ・気持ちを売るグッズ。
     「ピシッとした気持ち」になれる惑星ヘアピン

    ・わからないものがコミュニティを活性化する。
     解釈の多様性。宗教然り

    ・コミュニティビジネスに於いて「安心、安全」がだいじ。これほんとにおもしろい?という保証。
    ex)アメリカ人が挨拶するのは安全の保証

    ・安心安全が保証されたコミュニティとしての学校。
     学校行事に置き換えてイベントを設計する。

    ・納品主義からアップデート主義へ。
     ex)落合陽一の赤字をtwitterに投稿して
       ファンが盛り上がる。

    ・コンテンツの火付け役としてのコミュニティ。
     そこから輪のようにひろげていく売り方。
     →バズの構造としては当たり前。
      ただ、コミュニティの一人ひとりの顔をどれくらいイメージできるかが編集者の強さになると思った。

    ・アップデート、リミックス、キュレーション

  • 筆者の思考展開が感じられる、新しい感覚で読むことができた。

    キンコン西野さん・SHOWROOM前田さん・堀江さんなどが既にマーケティングに活用している「コミュニティ」は早くに自分のものにできた人・企業から次のステージにいけるように感じている。

    資料づくりでも、販促企画づくりでも、商品サービスづくりでも、いいものを作るには、いろんな人の声を取り入れたほうがいいことは感覚的にみんなが理解してる事だと思う。

    でもそれを実行に移せてるのは一握り。

    お金や人のコストがかかったり、ノウハウがなかったりとハードルが高かったから。

    コミュニティはそれをシンプルな形で実現できる方法だと感じる。

    もう少しコミュニティづくりについて学んで、実践しようと思う。

    まずはどこかのコミュニティに参加しよう。

  • ・安全・安心を確保して、リアクション・役割を設計する。その環境の中で、安心して自分の物語を語れるようにする。この環境を作れれば、コミュニティはうまく動き出す。
    ・二人に関係の無いどうでもよい会話を沢山しても、信頼関係は生まれない。自分がどのような人間なのかを伝え、相手がどのような人間なのかを知ることが大切。信頼とは双方向のもの。
    ・自分について理解している人を増やす。自分がなぜここにいて、どこに向かおうとしているのかを知る人を増やすことで「静かな熱狂」が生まれやすくなる。
    ・強い人間なんてどこにもいない。強い振りのできる人間がいるだけ。
    ・不安にならない人などいない。不安に思うポイントが皆違うだけ。

  • 人間が集団でまとまるって当たり前のようでとても難しい。これからの時代、実は最も軽んじてはいけないものの一つ。

  • 安心or自由という良質な問いから始まるなあと思って期待して読み進めていたが、全体的に示唆が浅いような気がした。現状のコミュニティについて説いても、一般で言われていることのまとめのような気がしたのが残念。
    既存のコミュニティの捉え方もほんのわずかな部分しか取り上げられておらず、ネットを用いたコミュニティの可能性について深い洞察に導かれてはいなかったように思う。
    個々の事例紹介は面白いものがあったものの、少々期待外れなところがあった。

  • 『現代の孤独と持続可能な経済圏としてのコミュニティ』

    【1章:現代の孤独とコミュニティ】
    * 安心を得ようとすると、自由が失われるし、自由を得ようとすると、安心を失う。
    * 社会的であるために、人間が無理している行為が、山のようにある。
    * 何を手に入れているかよりも何をやっている人かなぜやっているのかという理由のほうが重要になってきたのだ。
    * これからは、物質の所有やヒエラルキー付き組織への所属ではなく、自分は何を欲しいのか、何を良いと思うのか、それをわかりやすく表明している個人への注目が集まっていく。
    * 情報量が圧倒的に増えると、それぞれの人が違う情報に触れる。他人が触れている情報に触れず、自分だけの情報を取り続けて、多様な価値観がどんどん強化されていく。
    * 整理されていない情報に触れると、人は自分で情報を選択するという責任を背負う。その自由すぎる故の責任の重さは、多くの人を不安にし、不幸にする。今は、多くの人が情報の爆発に対応できていない。どのような情報を減らすのか、それが仕組みでできていくといい。情報の1つ1つに意思決定するのではなく、どのコミュニティに入るかだけを意思決定する。そうすると、人は情報爆発に対応できるのではないか。
    * 社会的なつながりを持つことが、現代人の健康の最優先事項だ。


    【2章:持続可能な経済圏としてのコミュニティ】
    * 自分が得意で、考えていて楽しいこと、自分が深掘りしたいことを10個決める。
    * 情報の享受だけであれば、NetflixやAmazonの月額課金と勝負しなくてはいけない。しかし、そのような情報量を揃えることは個人に決してできない。今、多くの人が抱えているのは、情報が欲しいという欲望ではない。関係性を築きたいという欲望だ。
    * わからないものこそがコミュニティを面白くする。


    【3章:安全・安心ては何か?】
    * 人によって何を安全・安心と考えるかは随分違う。例)甲子園を目指そうとしている野球部にとって、野球を遊びでやりたいか練習時間を減らそうと強く主張する人が入ってくると、安全・安心が脅かされる。逆も。
    * 安全は場所やものに紐づくことが多い。安心には、人の心理状況が紐付いている。
    * それぞれの人が、どんな行動をするのか、予想できるようにすること。それがコミュニティを安全・安心な場所にするためにすごく重要だ。
    * コミュニティの形成:立ち上げ→安全・安心の確保→熱狂→拡大→安全・安心の確保


    【4章:コミュニティを編集する】
    * わかりやすいだけでは作品が読者に届かなくなっていった。この壁を乗り越える方法を考えていたところ、情報爆発の時代だからこそ、身近な人が「これはいい」とコメントしている本が、手に取られることに気づいたのです。
    * 良いコミュニティの条件は「入り口のハードルが高く、出口のハードルが低い」
    * 一度完璧な情報を伝えるのが「納品主義」だとすれば、不完全でもまずは伝達し、そこから修正を加えていくのが「アップデート主義」

  • コミュニティを作り、拡大させていくノウハウを学ぶビジネス書です。これからの時代、ものを売っていくためにはコミュニティは絶対に欠かせない。

  • 2018.05.23読了

  • コミュニティの本は何点か読んだが非常に分かりやすい1冊。学校型のコミュニティだとメンバーが受動的になるは当てはめる方針からの脱却で参考になった

全119件中 91 - 100件を表示

著者プロフィール

編集者、コルク代表取締役。1979年、兵庫県に生まれる。東京大学文学部を卒業後、講談社に入社して「モーニング」編集部に。『ドラゴン桜』(三田紀房)、『働きマン』(安野モヨコ)、『宇宙兄弟』(小山宙哉)などのヒット漫画を生み出し、小説家の伊坂幸太郎、平野啓一郎も担当した。2012年に独立し、クリエーターのエージェント会社コルクを創業。漫画家や小説家などとともにインターネット時代の新しいエンターテイメントの創出を目指している。
著書に、『ぼくらの仮説が世界をつくる』(ダイヤモンド社)、『WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE.』(幻冬舎)、『観察力の鍛え方』(SB新書)などがある。

「2022年 『言葉のズレと共感幻想』 で使われていた紹介文から引用しています。」

佐渡島庸平の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×