副作用あります!? 人生おたすけ処方本

著者 :
  • 幻冬舎
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感想 : 36
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  • Amazon.co.jp ・本 (273ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344035119

感想・レビュー・書評

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  • 「友達とギクシャクしているとき」「眠れないとき」「風呂に入りたくないとき」「悔しいとき」「ひとめぼれしたとき」etc…様々なお悩みに効く本を薬のように処方してくれる、ユニークな書評集。
    三宅香帆さん、初読みである。軽やかな文章がまるでお喋りのようで、敷居が高い文学の紹介も取っつきやすい。その悩みにその本か!という意外性もまた楽しい。全てのチョイスがハマるわけではないけれど、それでも「そういう視点で読むのね~」という新鮮さも感じてなかなかに面白かった。
    やられたな!と思ったのは、自分より二十歳以上若い三宅さんの紹介で「是非読みたい」と思った作品が、昭和~平成の名作ロングセラーものだったからである。
    ①読むタイミングをことごとく逃してきた田辺聖子「言い寄る」。色褪せない昭和のラブストーリーに今度こそ挑戦したい。
    ②これまたタイミングを逃してきた高野文子「るきさん」。立ち読みでちょこちょこ読んだことはあったけど、ちゃんと読んでみたいと今回思わされたのは「残業で疲れきって本が読めないときに読む本」として紹介されていたから。時間も気力も体力もないのに何か読みたいとき、あるある!スマホを無駄にいじるよりよっぽど有意義な時間が過ごせそう&心も軽くなれそう!
    ③よしながふみ「昨日何食べた?」ドラマ化もされて大人気なコミック、これも今更読みたいと思ったのは、一話に1回「手順も込みで主菜・副菜ぜんぶつくるとこを見せる」というから。それ、結構魅力的です。料理の手順て大事だよね…なかなか手際よくできないものね。
    本=薬だなとつくづく実感できる一冊でした。近日中に上記の薬(本)を探しに、書店or図書館に行ってこよう。

  • 2月17日20時~三宅香帆さんと「文庫解説の知られざる世界」をYouTube生配信|幻冬舎plusフェス|幻冬舎plus編集部 - 幻冬舎plus
    https://www.gentosha.jp/article/20456/

    『人生おたすけ処方本』著者・三宅香帆が語る、ミーハー読書論「文学オタクもアニメオタクと同じ」|Real Sound|リアルサウンド ブック(2019.10.26)
    https://realsound.jp/book/2019/10/post-435323.html

    副作用あります!? 人生おたすけ処方本 | 株式会社 幻冬舎
    https://www.gentosha.co.jp/book/b12632.html

  • 作者三宅香帆氏 若いのに、沢山の本を読まれているし、それを批評出来るというのは、余程、読みこんでいるのだと、感心した本である。

    読んでいない本が沢山あり、こんな本なのか?と、少しだけでも、内容を含んでいる所も、流石である。

    「処方」の部分は、作者の一番の感想なのでしょう。

    カップラーメンが、出来のを待っている間に読む本に「細雪」とは・・・・
    少し笑ってしまいました。

  • じぶんの処方本リストをつくるのも、面白そうだなというきっかけをもらった素敵な捉え方の本。

  • 病気の時に飲む薬が効くように、悩んでいる時に摂取する本は、わりと効きます。「この本はよく効く」と思う本を中心に集めました。

    ------------------------------------------
    私にとって読書は習慣みたいなもんなんで、
    薬というよりはビタミン剤かも。

    小川洋子さんの小説に無性に惹かれる理由を「夢」というキーワードを使って腑に落ちさせてくれた。

    レイ・ブラッドベリの「霧笛」は未読なので、なんだかラジオドラマで聞きたい気分。

    美内すずえの「ガラスの仮面」は、終わるまで私も本当に死ねないんで、先生よろしくお願いします。

    ジョン・アーヴィングの「ホテル・ニューハンプシャー」は未読ですが、映画が大好きなんです。
    「これでもかっ」ていうぐらい不幸が一家を襲うんだけど、ジョン・アーヴィングの世界はとってもやさしくてあたたかで。確かにこれは効くかもね。

    紹介されている作品は、少女漫画系も多いのでちょっと男性は手を出しづらいかもしれないけれど、間違いなく名作揃いだと思いますよ。

  • たぶん同世代だからか、口語調のその書き方が、悩んでいる自分に「それならこの本のこういうとこがホントおすすめ!」的に友達が薦めてくれているような感覚にしてくれる。お堅い書評では全くないし、目次を見て自分にいま必要な部分だけかいつまんでも良いと思う。

  • 読みたい本は増えるし、今思うことがまさに書いてあったりして、その本が気になったりもした。
    特に洋書は敬遠しがちだったけど、こういう風に噛み砕かれるとすごく読みたくなる。
    才能の話を自分を超えるものに魅せられたと表現することや、愛情をかけることの暴力性など、言い回しが心地よい。

  • 三宅さんが紹介される本だと、今までまったく興味を持ったことがない本でも、そしてそれが長い本だったとしても読みたくなる。もちろん気になっていた本もしかり。たとえば、『嵐が丘』とか『千夜一夜物語』とか『華氏451度』とか『恋愛論 完全版』(橋本治)とか『モンテ・クリスト伯』とか『風と共に去りぬ』とか『アンナ・カレーニナ』とか『細雪』とか、そんな本たち。

  • 「○○なとき」→こんな本を処方、という形式で書評していきます。 《効用一覧》
    ディケンズ『荒涼館』→「まっとうに生きよう…」と仕事へのやる気が起きます。
    司馬遼太郎『坂の上の雲』→おじさんおばさんであることを受け入れられます。
    浅田彰『構造と力』→恋のエネルギーを学問へのエネルギーに変換できます。
    高野文子『るきさん』→残業で疲れきった夜も、なんだかご機嫌になれます。
    風呂にはいりたくないとき→さくらももこ『たいのおかしら」、怒られた日の夜→豊島ミホ『夏が僕を抱く』、合コン前→『風と共に去りぬ』『アンナカレーニナ』、死にたいとき→立花隆『臨死体験』ほか。
    人生のあらゆる場面で、あなたにぴったりの一冊処方⁉️

  • 題材設定が秀逸。でも年代の違いもあり、今の自分に置き換えられるシチュエーション少なし。それもあってか、興味を惹かれる本も少なし。なんでこの評価。

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著者プロフィール

1994年生まれ。高知県出身。
京都大学大学院人間・環境学研究科博士前期課程修了。大学院時代の専門は萬葉集。大学院在学中に書籍執筆を開始。現在は東京で会社員の傍ら、作家・書評家として活動中。
著書に『人生を狂わす名著50』(ライツ社)、『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』(サンクチュアリ出版)、『副作用あります!? 人生おたすけ処方本』(幻冬舎)、『妄想とツッコミでよむ万葉集』(大和書房)、『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』(笠間書院)。ウェブメディアなどへの出演・連載多数。

「2021年 『女の子の謎を解く』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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