- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344039568
作品紹介・あらすじ
2022年度、最大の収穫!!キュンと切なくて、だけど心温まる、愛すべき傑作エンターテインメント長篇、誕生!届け、この声。あのひとの、胸の奥深くまで。人形浄瑠璃をまったく新しい境地に導いた、“義太夫節の”開祖・竹本義太夫。百姓だった若者が、恋する女のために夢を追い、仲間と共に七転八倒しながら〈新浄瑠璃〉なる芸術を作り上げた。それはまるで、「芝居」のようにドラマチックな人生だった!「語りたいんだす。語らんと、ワテは死んでまう。そんで大勢に聞いてほしい。ぎょうさんの人の心を動かしたい。ワテが見たいんは客が心を震わせてる姿だす。皆が食い入るように人形を観て、語りに笑って、三味線に涙する姿だす」情を語り、人と心で繋がる——。人生のすべてを芸事に捧げ、〈人形浄瑠璃〉に革命を起こした太夫の、波乱万丈な一代記!
感想・レビュー・書評
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初代竹本義太夫が、艱難辛苦の結果、筑後掾の名前をいただき、近松門左衛門の「曽根崎心中」で、大好評を得、その後、生涯を終える一代記。
百姓の五郎兵衛は、声が良く、人前で、語るのが大好きだった。
大阪の浄瑠璃の第一人者、播磨掾の直弟子、料理屋徳屋の主人・理兵衛に見出され、本格的に修行するが、破門になり、京の宇治嘉太夫に招き入れられたが、その後、破門となる。
物乞いをしている時に出会った、興行師、竹屋庄兵衛と、四条川原で櫓を掲げたが、失敗。
その後、何度も、挫折を味わいながら、ようやく、道頓堀で、竹本座を挙げる。
感情豊かな表現が人気となるが、隣に、嘉太夫一座が乗り込んで来て「道頓堀競演」となる。
天子様から、刀を頂けたなら、身分違いの、憧れの女性に見合う身分になれるかもしれない。
そればかりを夢に見て、浄瑠璃に励んできた五郎兵衛。
五郎兵衛に、惚れ込んで、力になった徳屋の娘、お松。
親から勘当された、五郎兵衛だが、勘当は、解けずに
逝ってしまったのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人形浄瑠璃の絶世期を築いた竹本義太夫の一代記。元禄は上方文化が咲き誇る時代。お松の大阪弁が心地よい。浪速の賑わいが活写されます。近松門左衛門や竹田出雲、歌舞伎の坂田藤十郎などオールスターの揃い踏み。竹本義太夫と近松門左衛門がタッグを組んだ「曽根崎心中」の名調子もたくみに組み込まれています。9月の国立劇場さよなら公演は満席で行けませんが、大阪の錦繍公演では、この作品を思い出しながら生の文楽を観るのが楽しみです。
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百姓 五郎兵衛が竹本義太夫になるまでの物語。
主人公が重要な気付きを得てからの描写に、頁を繰る手が止まらず一気に読んだ。テクニックじゃなく、作品に情感がこもってるのを目の当たりにした時、人(観客)の心が動かされる。っていう当たり前だけど大切な事柄に胸が熱くなる。
NHKのドラマでも印象的だった、近松門左衛門との関わり。春に見た文楽·曾根崎心中をもう一度見たくなった。願わくば 映像化してもらって人形浄瑠璃(文楽)の裾野が広がると良いな〜と思う。 -
歴史に名を残す人の小説を
手にするときには
巻末の「参考文献」の有無を
確かめることにしています
むろん この書も
そのようにして、手に取った一冊
粗削りな箇所はあるものの
いゃあ 楽しませてもらえました
少し前に
落語家の 桂文我さんが
「私は(落語の)古文書も研究させてもらっていますが
大事なところは その収集だけにとどまらずに
その(上演されなくなった)作品に命を吹き込むこと
つまり「情」を醸し出すことなんですよね」
と ラジヲでおっしゃっていたことを思い起こしました
義太夫節の元祖、竹本義太夫さんの一代記
堪能させてもらいました -
浄瑠璃の世界の 話だ。いつの世でも芸の世界は極めるためには過酷な修行が必要だ。竹本義太夫の一生を語った小説は感銘をもって読み終えた。最終章での曽根崎心中はあまりにも有名で夢中で読み終えた。
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竹本義太夫?
浄瑠璃…?
堅苦しい伝統芸能の話と思いきや、
支えられ、助けられながらも
ひとりの男が夢を実現する
痛快エンターテイメント作品!
恋する男の一途な想いが、
夢を追う背中を押す。
目指すは、“天下一”
その高みを目指すために
幾重もの殻を破って成長していく様は
天性の才を生かすも殺すも
結局は自分次第なのだと
思い知らされた―。 -
届け、この声。
あのひとの、胸の奥深くまで。
人形浄瑠璃をまったく新しい境地に導いた、“義太夫節の"開祖・竹本義太夫。
百姓だった若者が、恋する女のために夢を追い、仲間と共に七転八倒しながら〈新浄瑠璃〉なる芸術を作り上げた。
それはまるで、「芝居」のようにドラマチックな人生だった!
「語りたいんだす。語らんと、ワテは死んでまう。そんで大勢に聞いてほしい。ぎょうさんの人の心を動かしたい。ワテが見たいんは客が心を震わせてる姿だす。皆が食い入るように人形を観て、語りに笑って、三味線に涙する姿だす」
情を語り、人と心で繋がる——。
人生のすべてを芸事に捧げ、〈人形浄瑠璃〉に革命を起こした太夫の、波乱万丈な一代記! -
一流になるには努力と運、この時代は今より過酷だったろう。面白く読みました。
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竹本義太夫伝ということで興味津々ではあるが、出版が幻冬舎ではとても読む気になれないわ。