ハードボイルド,ハードラック (幻冬舎文庫 よ 2-6)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (152ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344401594

感想・レビュー・書評

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  • 吉本ばなな時代の作品。高校生の時に出会いました。

    ハードボイルド:「ハードボイルドに生きてね」という元恋人の言葉が印象的でした。
    ぞっとさせられたり、胸が締め付けられるくらい切なくなったり、笑ってしまったり、泣いてしまったり。

    ハードラック:両親よりずっと近い存在のような気がする姉妹のお話。姉のいる自分にとって、読み勧める内にどんどん涙が出てきて、止まらなくなりました。

  • ハードボイルド:ある旅館に泊まった夜の話
    ハードラック:姉が脳溢血で倒れてしまう話

    ストレートな文章とストーリーで、相変わらずするする読めるのだけど、
    なんか薄っぺらいかなー。
    ハードラックの方がまだよい。

  • 身近な「死」を経験しているふたりの、それぞれのお話。あたしが、ある程度成長して「おとな」に近い体と心を得たとき、同じ経験した。人が死んだときの空気は異様だ。ぐったりとなにかにまとわりつかれているようで、それを吹き飛ばすが如く、滝のような涙が出てくる。暗くて重いはずの、その雰囲気は、確かにそうであるのだけれど、不思議と美しくも感じる。ぐたぐたになるまで、せわしなく動かした心が、まるで真新しいつるつるなものになった後、あたしたちは「再生」する。こういう過程を、ふたつの物語は丁寧に描いていているように感じた。

  • ハードボイルド*
    夜おばけとか怖くて寝れないときはこれ読むと落ち着けそう。

    ハードラック*
    脳死のお姉さんを持った主人公が、ただ苦悩するというよりも客観的に自分を見て心の整理をしていく話。

  • 読んでいてほっとする、優しく惹き込まれる吉本ばななの文だ。彼女の書く物語りにいつも内包される生や死というテーマと、その正解ではない、というか正解なんてものはない中での、折り合いというものが、丁寧に描かれていて、優しい気持ちになれました。

  • 生きるとか死ぬとか。

  • 20101208

  • 2005.5.21

  • 「ハードボイルドに生きてね。どんなことがあろうと、いばっていて。」最後になった電話でそう言っていた千鶴。彼女のことを繰り返し思い起こす奇妙な夜を描く「ハードボイルド」。
    死を待つ姉の存在が、一人一人の心情を鮮やかに変えていく季節を行く「ハードラック」。
    闇の中を過ごす人々の心が光り輝き始めるときを描く、二つの癒しの物語。

    ***

  • 元恋人の死・家族の死…死に向き合いながら、その人を懐かしみながら、また次の日を迎える…
    悲しみを乗り越えるのではなくて、その人を思い出しては、涙したり胸があつくなったりして、ずっと一緒に歩んでいくものなんだろうな…としんみり思った。

    やっぱり吉本ばななの小説は
    風景と人物たちの心情がきれいに折り重なって、しんと胸に落ちてくる…そんなイメージで、とても読みやすくて心に残る。

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著者プロフィール

1964年、東京生まれ。日本大学藝術学部文芸学科卒業。87年『キッチン』で第6回海燕新人文学賞を受賞しデビュー。88年『ムーンライト・シャドウ』で第16回泉鏡花文学賞、89年『キッチン』『うたかた/サンクチュアリ』で第39回芸術選奨文部大臣新人賞、同年『TUGUMI』で第2回山本周五郎賞、95年『アムリタ』で第5回紫式部文学賞、2000年『不倫と南米』で第10回ドゥマゴ文学賞(安野光雅・選)、2022年『ミトンとふびん』で第58回谷崎潤一郎賞を受賞。著作は30か国以上で翻訳出版されており、イタリアで93年スカンノ賞、96年フェンディッシメ文学賞<Under35>、99年マスケラダルジェント賞、2011年カプリ賞を受賞している。近著に『吹上奇譚 第四話 ミモザ』がある。noteにて配信中のメルマガ「どくだみちゃんとふしばな」をまとめた文庫本も発売中。

「2023年 『はーばーらいと』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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