- Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344411128
作品紹介・あらすじ
何かを待つ、というのは大事なことだ。待っているものが来ると信じているあいだは、不思議なほどに力が湧く。手紙を待つ、という行為には生きる希望が潜んでいる。手紙を書くことには力がいるが、手紙によって勇気が生まれる。私はその力を信じてみたかった-。手紙の代筆で人助けをする、売れない作家の日々。人生観を変えるハートフルストーリー。
感想・レビュー・書評
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男性から告白がうまくいくように
段取りを頼まれているにもかかわらず
同時に女性側から傷つけずに告白を断る
方法を考えてくれと頼まれる…
あれっ?これと同じようなシチュエーション
つい最近読んだような、と考えていたら
東野圭吾さんのマスカレード・ナイト
だった。
私自身はこんなシチュエーションになったこと
ないけれど、小説としては作りやすい
ドラマチックな展開なのかしら。
でも、様々な年代の人のお手紙を盗み読み
しているような感覚。
小さな罪悪感と気恥ずかしさと、高揚感。
手紙をしたためた人の新たな人間性を知れる
楽しさ。
事情を知っているが故にやきもきもして。
とはいえ、手紙自体は代筆屋が書いたので
本人が書いたものではないのだけれど、
その人の気持ちがにじみ出ている気がして
来るから不思議。
なんだか、手紙を書きたくなってきた。
なんでもない日に、大切な人に手紙を送りたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
よかった
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優しい気持ちにさせてくれる物語だ。
日頃から辻仁成さんのツイートを読んでいるが、その人柄がよく出た短編集だった。
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#代筆屋 #読了
読んだのは小説だったのか、手紙だったのか。
今となってはLINEが普及し一文毎、或いは単語毎で気持ちを伝えられるが、だからこそ手紙の一文一通は相手の心の奥まで届きやすくなっていると思う。
手紙の良さ、小説のよさ、どちらも感じられる話だった。
#読書
#辻仁成
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手紙を普段書かない。
だって手紙を書くのがめんどくさい。
LINEで済むやん。Twitterでいいやん。
違った。
手紙が1番気持ち伝わるよね。
自分も手紙書こうってなった。 -
2話くらいまでは面白かったが、後半は手紙が長くてやや飽きた。
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手紙を書きたくなるし、もらいたくなる
話とは関係ないけど、まえがきとあとがき部分が好き -
売れない小説家が手紙の代筆をすることで
人助けをするというストーリーです。
これは辻さんの実話なのでしょうか。
それとも全くの作り話なのでしょうか。
代筆された手紙の一つ一つが素晴らしく、
こんな素敵な手紙を書ける人はそうそう
いないのではなかろうかと思います。
代筆していることを気付かれてはいけないと
言いますが、本当に気付かれない?と
心配になってくるぐらい素敵な手紙の数々。
手紙とは結局「人」なのですね。
その人そのもの。
生きているその人自身。
そう思うと時間や手間隙が掛かるのも
納得できます。
機械で大量生産することなどできません。
そういう類のものであることがつくづく
よくわかります。
代筆するものは圧倒的に恋文が多いのですが、
私が特に印象に残っている手紙は、
90歳の夫への手紙でした。
最初は別れを告げる手紙でした。
この手紙を代筆するにあたり、代筆屋は依頼人に
夫婦が過ごしてきた日々について語らせます。
それはカウンセリングをしているような
効果をもたらします。
代筆屋も話を聞くと同時に依頼人の気持ちの機微に
敏感に反応し、書き上げた手紙のなんと見事なこと!
私はしょっちゅう手紙を書いていますが、
子供の頃から小説のような手紙を書きたいと
ずっと思っているのにできた試しがありませんでした。
それがどうしてなのか、辻さんの手紙を読んで
分かったような気がします。
改善の余地あり。
それがこの本を読んだ一番の収穫かもしれません。
この小説を読んで、手紙というものの特性や価値、
面白さ、素晴らしさを再認識できたことは
言うまでもありません。
手紙の良さがいまいちわからないという人へ
おすすめしたい本です。 -
内心、文章が拙くても字が下手でも代筆させちゃいかんだろ…と思って読み進める。手紙によって生まれる勇気や愛情があるなら尚更ね。でも第10章の手紙のやりとりには…切なくなりましたね。しかし、私も手紙は全然書いてないなぁ…