- Amazon.co.jp ・本 (409ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344427921
感想・レビュー・書評
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『 警告!
自分の記憶は数十分しかもたない。 思い出せるのは事故があった時より以前の事だけ。 』
どうやら私は新しい記憶を留めていくことが出来ないらしい。 手元にあるこのノートだけが私の過去を知れる記憶媒体のようだ。
『今、自分は殺人鬼と戦っている。』
自身の記憶が数十分しかもたない主人公と他人の記憶を意のままに改竄できる超能力者、2人の記憶破断者の対決を描くストーリー。
主人公側が絶対的に不利なのだが改竄できる記憶を持ち合わせてないという唯一の武器を手に立ち向かう。 この主人公かなりの切れ者でリセットされる記憶に対しての適応能力が半端ない。 殺人鬼側も傲慢な利己的な部分が表立つが能力を使用した狡猾な策略は抜け目が無い。
特殊設定を用いた知略サスペンスから小林泰三らしいブラックなオチは鮮やか。 -
記憶できない男と記憶を改竄できる男(殺人鬼)の対立劇。相変わらずの微グロシーンと、いい意味で気持ち悪いセリフのやりとりが小林泰三さんらしさ。
自分の頭の中にある記憶と、ノートに書かれている記録とどちらが「真実」なのかも考えさせられる。雲英の能力もいいように使えば、すごく役に立つ能力なんだろうけど。 -
最初はあまりにも胸糞展開で、何度か辞めようかと悩んだが、読み進めると意外と面白かった。
「記憶を改変する能力を持つ怪人」と 「記憶が数十分しかもたない探偵」。この相容れない2人が出会ったことにより起こる化学反応に気づいたら夢中になっていた。 -
記憶が数十分しかもたない主人公、というもうどうやって話を進めていくんだか分からないキャラクターが主人公、しかも殺人鬼と戦うというストーリーを面白く進めていくのがさすが小林泰三先生。
読了したのがかなり前なので細部がうろ覚えだけど、最初は同じ「なにも知らない」ところからスタートするのに、次第に主人公よりも読者のほうが知っていることが多くなり、「志村後ろ後ろ!」状態になるのが印象的で面白かった。 -
記憶が数十分しか持たない主人公と触れた人間の記憶を自在に操れるクズ という構図は最高に面白いんだけど、売りにしている衝撃のラスト というのが不明瞭。あと主人公が報われない。
登場人物の整理と掛け合いをもう少し上手に書けていれば星5