- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344431751
作品紹介・あらすじ
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感想・レビュー・書評
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レビューに惹かれて吉川英梨さん、初読みです
現実的で地道な捜査過程を描いた警察小説
フィクションなのにミステリーの様な刺激的な話ではなく、エンタメ性も控えた作品なので、より現実感のある作品だった
激しい雨の中失踪した美少女葵ちゃん
探す家族と奈良刑事の執念の三年間の話
そして並行して時が過ぎて行く奈良刑事と妹の人生
捜査が難航し、不確かな望みと不安を常に抱えながら葵ちゃんの情報収集に費やす家族の日常が克明に描かれていて、いつまでもやまない雨の中にいる様でなかなか辛いものがあった
しかし悪い事ばかりではなく、離れていた家族は次第に歩み寄り、捜査が打ち切られても周りの人や刑事が協力を惜しまないという静かなドラマもある
ラストは、この三年間の家族とそこに協力してきた人々や奈良刑事の姿が走馬灯の様に駆け巡り、目頭が熱くなった
そして奈良刑事が大切に見守って来た妹の人生も重ねて動き出す…
動機が弱い部分が気になって☆四つにしてしまったが、いつも変化に富んだ作品を読む事が多い中、久しぶりに静かに味わえる話を読んだ気がする
こういうのも有りだなあ〜
どうでもいいことかもしれないが、私はずっとカバーの傘の色が赤だと思っていた
読んでオレンジだと知る
確かにオレンジか・も・・(๑•ૅㅁ•๑)
思い込みだったと気付いた時、人はやたら驚く
(๑ʘㅁʘ๑)!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
吉川英梨さん著、「雨に消えた向日葵」
最高の作品。
今まで読んできた刑事物の物語で一番面白かったと感じている。
こんなに夢中で物語を読み進めたのも初めてかもしれない。
なんだろう、なんとも言えない表現の仕方が難しいもどかしさと不穏さが多方面から常に感じさせられる作品だった。そしてその何もかもが奥深すぎる。
失踪事件、捜査、手掛かりがつきていく様子、本部解散。そこに纏わる被害者家族の物語、事件に携わる警察官の苦悩。交わってくる協力者。反対に沸き立つ様に沸いてくる非難抽象、野次馬、詐欺。SNSやテレビ報道による知人の反応と世間の反応。物語の進行はその全部が同時に大きく渦巻くように罷り起こりながら進んでいく。
その大きな渦巻きが様々な不穏さを生ませ、読者を色んな方角から刺激してくる感じがたまらない。
そして事件後捜査が進むにつれ、同時に被害者家族の家族愛も発展していく。石岡家の父、母、姉は共通した家族の目標がこの事件きっかけで明確になる。家族愛が透明に深まっていく。それはなにも家族愛だけでなく姉に至っては一人間としても成長している。父親も同様、親として成長していく感じが読み取れる。
そこに奈良の兄妹の話もリンクしてくる。だからこそ、この事件があったからこそ奈良の兄妹の最後の話もグッと心が動かされる。
最高の作品。次作もあるらしいので明日早速買いにいこうと思う。
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埼玉県警なのに奈良!
もう少し、苗字の方は、違う県でも…
意味変わらんという事か?_| ̄|○
年間8万人ぐらいいるのか…行方不明者は…しかも9歳以下が1000人も。
こんな小さな子が、行方不明になった原因なんか、ええ事思い浮かばんし(T_T)
この話も突然いなくなった少女を
探す…
探す…
探す…
なんやけど、ええ方向にはいかない…
月日が経つと情報も少なくなるし、それに関わる人達の人数も↓
でも、諦めない〜
話の流れからすると、最悪の方向に向かってるのは、ヒシヒシと感じながら…
でも、良かった〜
クライマックスは、縮小されたはずの捜査員も有志の応援で大人数に。
今度は奈良さん自身もクライマックスになるように頑張って!
最悪の方向に向かう話が多い中、こういうのも良いね。
好みは、血ドバドバ、クズ、ムシとかとしても(−_−;)-
今、中山七里さん読んでるので、それ終われば、帰還します!
もう「紅のアンデッド」まで、キープしました〜
ココロが、ボロボロになるまで、読みま...今、中山七里さん読んでるので、それ終われば、帰還します!
もう「紅のアンデッド」まで、キープしました〜
ココロが、ボロボロになるまで、読みます!2023/12/09 -
2023/12/09
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2023/12/09
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レビュー評価の高い「雨に消えた向日葵」
なぜか、なんでもかんでも予約いっぱいの我町の図書館なのに 吉川作品は、すぐに手に取れる不思議。
小学5年生の美少女が、激しい雨の日、突然行方不明になる。家出か、事故か、事件か。
始まる地域住民達の捜索、警察の捜査、家族の動揺。捜査範囲は広められていくが、少女は見つからない。
わずかな手掛かりから捜査を深めるが、進展はせず絶望感が広がる。
創作と思えない臨場感で事件を追っていくのに緊張感が途切れない。
疑わしい人物が、次々と浮かんでは消えていく。
思うだけ、考えるだけ、見るだけ。
どこからが罪なのか、現実感ある人物設定に思わず考えさせられる。
それでも吉川さんの作品は、ハードに描いた後の暖かい部分を忘れない。
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2024/02/25
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2024/02/25
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2024/02/25
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吉川英梨さん2作目。『海の教場』に感銘し、ぜひ続けてと思いました。そこで思い出したのが、ひまわりめろんさんの「ひまわりシリーズ」第1作の本書です。いやー、とてもよかったー! ひまわりめろんさん、大正解です!
行方不明児童を扱った警察小説の括りになるのでしょうが、それ以上に濃密かつ繊細に描かれた人間ドラマという印象を強烈に受けました。
様々な事情を抱えた被害者家族と刑事。両方の視点から、難航する捜査、出口の見えない混迷ぶりがリアルに浮き彫りになります。刑事だけでなく失踪少女の父・姉も、想像を絶する執念によってのみ突き動かされている感じです。
特に、県警刑事の奈良とその妹の存在と過去も、物語に厚みをもたせている気がします。
本書の8割くらいは、この苦悩・絶望感がどこまで続くのかと思いながら読まされます。希望や救いはないのか、とヤキモキしながら結末へ‥。
結末のネタバレはされませんが、安心してください!
おそらく本書を読まれた方は、無意識のうちに読み手の心に抑圧されて溜まった苦痛の感情が排出され、浄化される感覚を味わいながら、ゆっくりと心の緊張が解きほぐされていくでしょう。
本当によかった! 陶酔しました! 救われました! 再生と希望を受け取りました! この読書体験を、ぜひ皆さんにも!-
本とコさん
こんちは!
そうでしょうそうでしょう
さすがカリスマレビュアーですよね
『海の教場』にも言えることなんですが、この物語の良い...本とコさん
こんちは!
そうでしょうそうでしょう
さすがカリスマレビュアーですよね
『海の教場』にも言えることなんですが、この物語の良いところは、話のほとんどが、手の届く範囲の感情で占められているところだと思うんですよね
理解できる、共感できる、そして置き換えられる
そんな物語だったことが最後に受け取るものの大きさに繋がったのかなと思いました2023/07/16 -
ありがとうございます。
お陰で素晴らしい読書体験ができました。
近いうちに、『向日葵を手折る』もいってみたいと思ってます。いやいや、「ひ...ありがとうございます。
お陰で素晴らしい読書体験ができました。
近いうちに、『向日葵を手折る』もいってみたいと思ってます。いやいや、「ひまわり」はなかなかによろしいシリーズですな〜。
次は「サクラ」とか「守る」シリーズとかいくんですか?2023/07/16 -
2023/07/16
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最 & 高!!
ある豪雨の日、向日葵の咲く田んぼ道で小学5年生の少女、石岡葵が傘1本だけを残し、突然姿を消した。誘拐か、家出か、事故か。
遅々として進まない捜査
挙がっては消えていく何人もの容疑者
年月だけが無情にも過ぎていく。
そして捜査本部の解散
田んぼに咲く向日葵は 奈良刑事の背を追い抜いた。
もうね、本当に最高です。
「埼玉県警なのに奈良」
奈良ー!地道な捜査、葵の家族への想い、執念。
そして事件解決の糸口が見えた時に集まった捜査員たち。「絶対に犯人を捕まえる」という全員の気持ち。 熱い。もう大好きだ。大好物なやつだ。
ひまめろさんありがとう!
さすがカリスマおすすめ( ᵒ̴̶̷̤ ᵒ̴̶̷̤ )
もっと奈良の活躍を読みたいなぁー
その時は奥村もいて欲しいなー(好き)
WOWOWでドラマ化されてるんですね
ムロツヨシ主演
レンタル屋さんで見つけた!
観てみよーっと-
うわー!めちゃ面白かったよ\(¯ᗜ¯)/
わたしは昨日 奈良シリーズ2作目の「虚心」読み終わったところ。レビューはいつになるかわかりませんが...うわー!めちゃ面白かったよ\(¯ᗜ¯)/
わたしは昨日 奈良シリーズ2作目の「虚心」読み終わったところ。レビューはいつになるかわかりませんが笑
あと今 AX読んでるよ!読んでる時 顔がニヤニヤしちゃう笑2023/10/04 -
2023/10/04
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2023/10/04
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小学5年生の少女が、雨の日の下校途中に突然姿を消してしまった。
事件か、事故か、家出なのか?
なんの手掛かりもないまま、時間だけが過ぎて行く。
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家族の視点と警察の視点とで語られるストーリー。
少女の失踪の理由は何なのか、そして少女は無事なのか?先が気になって一気読み。
フィクションなんだけど、家族の娘を思う気持ち、警察の捜査体制、世間の家族に対する対応、全てが凄くリアルな気がした。
とにかくマスコミにしろ世間の風評にしろ、最初は同情だったのが時間が経つにつれて、無関心になったり誹謗中傷に変わったりしていく様子がとても怖かった。
それでも諦めない家族と、奈良さんみたいな人がいてほんとに良かった。
面白かったけど、なぜ?っていう所が、ちょっとサラッとし過ぎてたな〜な印象。
その辺がもうちょっと知りたかったかも。 -
雨の放課後、小5の女児が消えた。
誘拐か家出かはたまた事故…。
手がかりのないまま難航する捜査。
家に帰る間もなく解決に向けて奔走する捜査員たち。
疲弊して行く家族。
綻びを見つけてはそれを追う捜査員。
それによって傷付いてゆく人々。
辛い日々を送る家族への心無い誹謗中傷。
3歩進んでは2歩下がる…先の見えない日々の中で時だけがすぎて行く虚しさやるせなさそして緊迫感。
それでも葵ちゃんを諦めない捜査陣と家族。
これは、読んでいるこちらも心をすり減らし体力を消耗する思い。
少しずつ真相に近づいて行くのではなく、目星を付けた結果、何も得ることのない無関係な捜査もあることで喪失感を誘う。そのことでよりリアリティを感じる。
きっと現実の捜査とはこう言うものなのだろうと思う。
扱いが難しいと思ったのは、趣味嗜好…それに賛同はしないけれど理解も難しいけれど、思うだけでも〝罪〟なのか〝悪〟なのか…。
事件がなければ何事もなく生きて行けたかも知れない男の人生を思うとちょっとやるせない。
現実…その職業を選択した時点でそちら側という人は少なくないような気がする。
子育てする中で「ん?」と思うようなことは何度もあった。
もちろん全ての人に当てはまるわけもなく、そうであっては困るけれど、ひっそりと息を殺して生きている人たち全てを表に晒し出すことはできない。
だけど、表にでてしまったらもう〝普通〟の場所には戻れない。
被害者もまた〝もといた〟場所には戻れない。
それでも生きていかなくちゃならない苦しみに被害者でないものが寄り添うことは難しい。
人は自分と違うものを嫌悪したり好奇の目で見たり排除しようとしたりする。結局、それも弱さなのだろうと思う。
日本の年間行方不明児童は1,000人を超えるという。それを知ると小説だなんて言ってられない。
被害者家族への誹謗中傷も詐欺行為も物語ではなく現実におきている。
誰もいなくならないでほしい。ただそう思うことしかできない。
今年の28冊目
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初めて読む作家さん。
小学五年生で、かなりの美少女の葵ちゃんが、降りしきる雨の中、下校途中にある田んぼの一本道で忽然といなくなった。学校を出る時、担任の男性教師と顔を合わせている。奈良という刑事を中心に、警察による捜査の過程が詳しく描かれる。
参考文献に、清水潔さんの『殺人犯はそこにいる』が挙げられていました。読んでいると、なるほど、『殺人犯は〜』のフィクション版のような感じです。フィクションだから、いくらか気楽に読めます。が、『殺人犯は〜』を読んで、衝撃を受け、心を痛め、被害者や、被害者家族の気持ちを幾らか伺い知った経験があるので、ドキドキしながら面白く読む自分を許せない感情も出てきて、複雑な読書体験になりました。
捜査の過程がとても詳しく書かれていて、特に奈良刑事の人柄と一生懸命な姿に心を打たれます。この人怪しい、この人も…とハラハラと心が高鳴ります。結局、解決には3年近くの年月がかかりました。えっ、あの時のあの人が犯人…!って、もう面白さが爆発です。
最近は巧妙な筋の物が多い中、真っ直ぐで面白い一冊でした。