リボルバー (幻冬舎文庫 は 25-7)

著者 :
  • 幻冬舎
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344433069

感想・レビュー・書評

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  • ゴッホとゴーギャンの話。
    芸術のことは、全く素人の私ですが、二人の作品や生い立ちなどネット検索で調べながら読ませていただきました。大変勉強にもなった。
    前半は、ゴッホについて。
    後半は、ゴーギャンについて書かれています。
    フィクションなのか、実際のものも交えて書かれていて、よく出来た小説だと思います。ただの、伝記とは違って自分自身が、そこにいるような錯覚に陥るような気持ちになりました。
    いつか、本当に二人の絵画が見れるといいです。

  •  今や誰もが知る有名画家ゴッホが自殺に使ったとされるリボルバーの真贋を追っていく中で、ゴッホとゴーギャン2人の画家の人生に迫っていく話。読んで感じたこととして、不遇な画家人生を送った2人がとても人間味溢れて描かれており、2人は不幸な人生ではなく幸福だったと願わずにはいられない気持ちになりました。

     ゴッホとゴーギャンについて詳しく知らないのですが、ストーリーの序盤で折りに触れて2人の人生の略歴が語られるのでとても入りやすかったです。今や有名な画家の2人が生前は貧困や孤独といった問題を抱えていたことがわかる一方で、物語が進むにつれて彼らは不遇な人生を送ったのかという疑問がじわじわと広がる。そして4章で描かれる2人は読み手にとってとても身近な人に感じられ、その結末に幸あれと願わずにいられなくなりました。
     もちろん、ここで描かれているのは原田マハさんのゴッホとゴーギャンであり、どこまでが真実かは学んでいないとわからないと思います。参考文献を見るとそれなりに史実だったり創作をベースにしてるのかなとも思えます。ただ、この作品を真実かどうかを追究するというよりは、嫉妬や熱意といった感情をもつありふれた人間がどう生き死んだか…そしてそれをどう受け止めるかといった人間模様を描いた作品としてみるととても楽しめました。
     登場人物が人間くさく感じられる表現によって自分の友人にも感じられ、作品のキャラクターたちに惹き込まれるのが魅力的でした。また、暗澹としてるところもどこか爽やかで気持ちの良いとても幸せな読書時間でした。
     

  • ゴッホとゴーギャンの関係について初めて知った
    前半間延びした感じもあったけれど、ゴーギャンの独白が特によかった
    人によって感じ方の違う絵画の先に、作者のどんな想いや生活があったのか、そんな想像をして、絵画鑑賞したいなと思った
    美術館へ行きたくなる本

  • 原田マハさんの美術に絡めた本を読み終えると、そこに登場した画家の作品を見にいきたくなる。

    史実とフィクションが混同してどこまでが本当?もしかしたらありえるのかな?と思いながら読み進めた。


  • 楽園のカンヴァスを読んで原田マハさんを好きになり読んだ
    史実にフィクションをアレンジした物語はやはりいい。
    しかもそれが絶対にありえないことではないからまたロマンがあっていい。
    最後の締めくくり方も素敵だった

  • 史実に基づいている為あまりにもリアルで、思わず「フィクションであれ…!」と願った。フィクションなんだけれども。

  • 楽しかった…!
    ゴッホとゴーギャン、そしてテオ。
    名前は聞いたことがあるし、アルルの耳切り事件も何となく知っていました。でも、ゴッホって変人だなぁ、くらいにしか思っていませんでした。

    「リボルバー」の読後、まるでゴッホとゴーギャンが私の親しい友人の様に感じられました。
    耳切り事件が、ご近所で起こった出来事に思えます。それくらい、私とゴッホ達との距離を近づけてくれました。
    あったとは言えないけど、なかったとも言えない。
    そんなことを表現できる小説って自由で、あたたかいものだと再認識しました。

  • 初めて原田マハさんの作品読んだ。悲劇の画家のイメージが少なからずあったゴッホも、ゴーギャンも幸せであってほしかったと冴と同じように思わずにはいられなかった。孤高の才能、美しく残酷だった。史実って面白いんだなと知れてよかった。出てきた絵画をどんな絵なんだろうと調べるのも楽しかった。絵画に興味が沸いたし、絵を見て息を飲む感性を持ちたい。実際に観に行きたいな〜

  • 原田マハさんのアートミステリー。たゆたえとも沈まずでゴッホとテオとの物語に感銘をうけ、その物語をかいた作家さんがゴッホについてのもうひとつの物語をかいたということで、読んでみた。
    アート史上最大の謎とされる「ゴッホの死」をテーマにした物語。

    幼い頃ゴッホの「ひまわり」やゴッホとゴーギャンに魅せられ、パリの小さなオークションハウスで働いている高遠冴。
    そんな冴のもとにサラという女性が一丁のリボルバーを持ち込むところから物語は始まる。
    そのリボルバーを調査していくうちに、リボルバーに纏わるひとつの仮説がたつ。
    そしてゴッホとリボルバーとの秘密が少しずつ謎が解き明かされていく。

    あくまで史実に基づいたフィクションであり、本当に彼らに何があったのかは彼らのみが知る。
    だがこんなこともあったかもしれない、と妄想を膨らませるのは非常に楽しい。
    原田マハさんの本を読んでいると、まだ美術史実にないドラマが眠っているかもしれないと思わされる。

  • 人生って美しいなと思えた本でした。

    ちょうどSOMPO美術館で「ゴッホと静物画」という展覧会をやってたのでヒマワリ見に新宿へ。
    すごい迫力…
    アムステルダムのファン・ゴッホ美術館からの絵も展示されてて、主人公の冴さんも同じ絵を見たのかなと、本の余韻に浸りながらの美術館は最高でした。

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著者プロフィール

1962年東京都生まれ。関西学院大学文学部、早稲田大学第二文学部卒業。森美術館設立準備室勤務、MoMAへの派遣を経て独立。フリーのキュレーター、カルチャーライターとして活躍する。2005年『カフーを待ちわびて』で、「日本ラブストーリー大賞」を受賞し、小説家デビュー。12年『楽園のカンヴァス』で、「山本周五郎賞」を受賞。17年『リーチ先生』で、「新田次郎文学賞」を受賞する。その他著書に、『本日は、お日柄もよく』『キネマの神様』『常設展示室』『リボルバー』『黒い絵』等がある。

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