安田均のボードゲーム大好き: ドイツゲームのニューウェーブ

著者 :
  • 幻冬舎コミックス
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (263ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784344800540

感想・レビュー・書評

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  • ゲーム界の紹介者として先陣を切っておられた安田均さんがドイツのボードゲームの優良作品を紹介している本です。ゲームといえばエレクトリックな世界でオタクがハマる…と思われがちですが、休日の午後など、家族や友人とゆったりとボードゲームを楽しむのは、コンピュータやゲーム機で遊ぶのとは全く違った楽しみがあります。

    にぎやかに話しながら、時には小休止のお茶をしながら。あるいは白熱して。美しいボードを囲んで楽しむのは、子供から大人まで、格別の楽しみです。この本は、ボードゲームの大国であるドイツの名作ゲームを分かりやすくレビューしており、ドイツゲーム大賞という大きな賞にそった、人気作の流れなどが紹介しています。

    ちょっと興味があるとか、いくつかボードゲームを持っているけど、もう少しいろんな作品を遊んでみたくなったという方には良いガイドブックになります。プレイした様子も上手く紙上に再現されているのもいい点ですね。ボードゲームの専門店リストやゲーム大賞のノミネート作などのリストも載っているので、まずはこの情報をもとにボードゲームを選ぶというのは、ひとつの方法です。

    でも、この本にも改良して欲しいところもありますね。写真がモノクロムなのは実に残念。ボードの雰囲気や駒の感じなどカラーで見たかったです。また、ゲーム大賞の流れに沿って佳作や良作を紹介する後半の対話形式の記事は、確かに面白いですが既に知識のある人でないとついて来れない感じ。

    会話形式なので読みやすいですが若干知ってる人に寄った、知識のひけらかしと誤解されかねない感触が混じるのが残念です。安田さんの語り口自体は親切で穏やかですが実作を目の前に置いた著者と、紙上だけで内容を理解しようという読者のあいだに、理解の差が出来るのは仕方がないかも。

    楽しいものを出来るだけ多く教えたいという熱意が勝ってちょっぴりだけ置いていかれるのが残念。そうはいっても、親切な入門書には変わりなくやはりゲームというものを定着させ、紹介してきた遊び巧者のお書きになったものだなあと納得がいきます。

    ちなみにこの本に名前が登場するゲームの中では。「カタンの開拓者たち」「ザーガランド」「スコットランド・ヤード」「ラミィ・キューブ」「カルカソンヌ」を持っていて、実際に遊んだことがある。だけどショップで新しいのを選ぶ時に、海外版のゲームを日本語解説見ながら遊ぶのは、まだしたことがない。

    というくらいのプレイレベルで本書を読みました。それでも自分の知らない作品もいっぱいあったし、専門店で見かけた、あの作品はこんなだったのかと得心がいったので、ちょっと遊び始めた私のような人や初心者さんには役立つと思います。

    上記のような特色がある本なので、改善を望むために
    星は4つ。取っ付きのいい本でしたよ。

    • kwosaさん
      北城紫苑さん!

      昔から、この手のボードゲーム、カードゲームに、すっごく興味があるんですけど未だやったことがないんですよね。
      「カタン」とか...
      北城紫苑さん!

      昔から、この手のボードゲーム、カードゲームに、すっごく興味があるんですけど未だやったことがないんですよね。
      「カタン」とか「スコットランド・ヤード」とか、自分でも欲しいんですけど、残念ながら魅力を理解してくれる仲間がまわりにはいなくて。

      海外の物は、そのゲーム性もさることながら、ビジュアル的にもグッドデザインが多く、手に取ってしげしげ眺めたくなりますよね。

      もっとUNOレベルで、こういうゲームが日本の日常のも浸透したらいいんですけどね。
      (『ボードゲームカタログ』のレビューも楽しみにしています。)
      2013/05/17
    • 瑠璃花@紫苑さん
      >kwosa様

      レビューを書いた私が嬉しくなっちゃうような
      お褒めの言葉をありがとうございます。

      そうなんですよね。
      私も自分が遊び始め...
      >kwosa様

      レビューを書いた私が嬉しくなっちゃうような
      お褒めの言葉をありがとうございます。

      そうなんですよね。
      私も自分が遊び始めるまで、こんな豊穣な
      楽しみの世界があるって知らなかったし
      知っても敷居が高かったんです。

      面白さがわかると、家族や友人も
      喜んで遊んでくれるようになりました。

      TRGPからゲームの世界に入った私なので
      そっちもまた遊びたいのですよ。

      大人が素敵な趣味として遊べるジャンルですし
      美しい世界観や恨みっこなしの勝負は
      とっても爽やかで、定着して欲しいです。
      2013/05/17
  • 2020年2月15日読了。安田均が「ドイツゲーム」と呼称する名作ボードゲーム6点と、70年代から2002年当時までのドイツでの賞レースを中心としたボードゲームの隆盛・デザイナーたちの動きを紹介・解説する本。カリスマゲームデザイナーの動向が注目され、大人はパブで酒を飲みながら、家庭でも子供と一緒に洒落たボードゲームをプレイするドイツの文化とはなんと懐が深いのか、とうらやましくなってくる…。人生ゲームとせいぜいモノポリーしかボードゲームを知らない日本が貧しく感じられる。相当(と、いうか日本で一番)各ゲームをやり込んでいるであろう氏によるルールの絶妙さやプレーの傾向などの解説も非常に面白く楽しめるが、とにかくこれらのゲームをやってみないことにはわからんよな。

  • 安田均の本はあれこれ読んでいて、けっこう影響を受けてきました。ふと立ち寄った図書館の本棚にこの本をみつけ、古い本だけど借りて読んでみました。うーん、冗長な文章でした。安田均の本は好きなのが多いけど、これはイマイチでした。当たりはずれって、どうしてもありますね。【2022年3月13日読了】

  • ボードゲームに興味が出てきたので読んだ。前半はまったく面白くない。後半の年単位で俯瞰しているところが面白かった。ただし、かなりだらだらと起伏なく書いている。
    ●面白かった点
    各年度のゲームの印象を書いている点。
    ●気になった点
    前半のゲーム紹介がまったく面白くない。ルールを細かく説明してなにが楽しいのか?

  • ドイツなど海外のボードゲームの紹介とゲーム史。
    ドイツにおけるボードゲームの隆盛は世界髄一だが、そのことは意外と知られていない。類書が少ないので読んでみたが、情報としてはインターネットで手に入るものと同程度。
    コンピュータゲームほどでないにしてもどんどん情報が古くなる世界なので、価値は低いかも。
    ただし、80年代の名著「ボードゲーム(松田道弘著)」のように後年評価されたりする…かなあ…

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著者プロフィール

1950年生。翻訳家、ゲームデザイナー、小説家、アンソロジスト。株式会社グループSNE代表。訳書にスミス「魔術師の帝国《1 ゾシーク篇》」「魔術師の帝国《2 ハイパーボリア篇》」、ウィルヘルム「翼のジェニー」(共訳、アトリエサード)、フィルポッツ「ラベンダー・ドラゴン」、マーティン「サンドキングス」(早川書房)、プリースト「逆転世界」(東京創元社)、ワイス&ヒックマン〈ドラゴンランス〉シリーズ(KADOKAWA)等多数。

「2020年 『魔術師の帝国《3 アヴェロワーニュ篇》』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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