- Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
- / ISBN・EAN: 9784344982505
作品紹介・あらすじ
日本の仏教はさまざまな宗派に分かれており教義や実践方法が大きく異なる。にもかかわらず多くの人、とくに地方から都会に出て菩提寺とのつきあいを絶った人は関心を持たない。だが親や親戚の葬儀を営む段になって途端に宗派を気にするようになる。家の宗旨に合った僧侶を導師として呼ばねばならないからだ。そこで初めて「うちは○○宗だったのか」と知る。そもそも宗派とは何か。歴史上どのように生まれたのか。本書は、日本の主な仏教宗派を取り上げ、その特徴、宗祖の思想、教団の歩み、さらに他宗派との関係、社会的影響をわかりやすく解説した。
感想・レビュー・書評
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我が家の宗派は真言宗だが、日常意識することもない。父母の葬式は無宗教で済ませた。とは言えおおまかに真言宗については気になる毎に少しは調べているのだが、近親の宗派が浄土真宗が多く、そちらの思想なりを調べるたび、真宗の考え方に興味と共感を覚えることが近年多くなってきている。正直、もう少し信心深かったなら、真宗に改宗しようかとも思うだろう。
先に読んだ『日本の10大新宗教』と比べるととりあげる範囲も広く、そのため用語も多岐にわたり個々の言葉を記憶するだけでもひと苦労してしまう。そのぶんひと通りの宗派はこれ一冊でほぼ概要を知ることができるのだと思うが。ここから興味を持ちより深く理解するためには各々が調べていくものとなる。この一冊はそのための入門書、と捉えるべきなのだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本仏教の概説。
普段、何となく感じている程度の宗派へのイメージから話が始まり、その理由を宗派の趣旨や歴史で説明してくれる。仏教入門としては最適な、わかりやすくシンプルな概説書。
個人的には奈良の寺院の商売熱心な感じが、南都六宗の国家仏教故に檀家が無いことや、廃仏毀釈の影響ということで説明がされていて、なるほどと思いました。 -
いまいち。仏教について広く浅い内容。著者自身がさほど詳しくないのか、意欲がないのか。
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浄土真宗についての本というより、日本の仏教史とその中心人物について宗派ごとにまとめた本。日本史の復習や仏教の入門としては読みやすく面白い。しかし、肝心のタイトルの「浄土真宗はなぜ~」という問いに関しては「おわりに」でさらっと述べられているだけでかなりタイトル詐欺に感じる。この本を足掛かりに、親鸞や空海などの有名な人物や宗派に焦点を絞って何冊か読んでいくと、だいぶ仏教に詳しくなれそう。
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Twitterとの連携テスト
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副題にあるような「仏教宗派の謎」というものでもないように思うけど、日本における仏教宗派の成立、歴史と現在のポジションを概観する本。
浄土真宗はなぜ日本でいちばん多いのか (幻冬舎新書)
いわゆる南都六宗から天台・真言、浄土系、禅系、日蓮と現代に通じる宗派にももちろん一通り触れられていて、それぞれの開祖や中興の祖のエピソードも添えられている。仏教って何?くらいの単純な関心を抱いて読むオレなんかにはありがたい内容である。
新書ということで話をかいつまんであるだけに、その業界地図や変遷はかえってわかりやすくなっている。偉い開祖が亡くなると、宗派も千々に分かれて乱れ再習合していく様子も、いたって人間くさくて面白いのである。
浄土真宗がどちらかと言えば庶民の宗教であり、葬式仏教化の中でもシンプルかつわかりやすいこと等が日本で「いちばん多い」理由であることも大いに納得できる。
なお著者については、オウム関連で若干批判があることは、内容の是非はともかく知って読んだ方がいいかも知れない。 -
中学の歴史の授業で、浄土宗は法然、浄土真宗は親鸞、時宗は・・・と、ただただ暗記した。そこには、教祖の人物イメージが湧くようなエピソードまでおしえられることなく、その宗教のなにが新しくて発展したのかという記述まで深く教えられることはないかと思う。
この本を読んで、教祖のイメージが湧き、何がその宗教がすごかったのか、広まったのかという理由がわかり、興味深く読ませてもらいました。
教科書の暗記のために歴史の勉強ではなく、こういう本で歴史が学ぶのが面白い。